危ないのは違法薬物だけじゃなかった!? 体を蝕む薬物依存とは?

危ないのは違法薬物だけじゃなかった!? 体を蝕む薬物依存とは?

近年世間を騒がせている「薬物問題」。違法薬物にはどのような危険があるのでしょうか。また、薬物依存は違法薬物だけの問題だと思われがちですが、病院から処方される薬にも注意が必要です。薬剤師の立川靖之さんが教えてくださいました。

教えてくれたのはこの方

立川靖之さん
1975年、神奈川県生まれ。薬剤師。昭和薬科大学卒業後、外資系製薬会社、調剤薬局勤務を経て、横浜市に在宅医療への対応を強化した『あろま薬局』を開局。医薬情報担当者、薬局マネージャー、在宅医療連携などに従事。薬剤師の経験を生かし、東日本大震災の発生直後はボランティアとして被災地支援を行なった。

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薬物依存と乱用

危ないのは違法薬物だけじゃなかった!? 体を蝕む薬物依存とは?
出典: FASHION BOX

薬物依存で思い浮かべるのは、大麻や覚せい剤、危険ドラッグなどではないでしょうか。

しかし、病院から処方される薬による薬物依存があることをご存じでしょうか。薬物依存(乱用)を起こしやすい薬について確認してみましょう。

1. 睡眠導入剤・抗不安薬

だんだん効かなくなった(耐性)、飲まないとイライラする・不安になる(身体依存)、薬が欲しくて頻繁に受診する(精神依存)などは注意が必要です。とくにベンゾジアゼピン系薬物は常用量依存といって、用量用法を守っても依存が起こりやすい薬です。短期間に必要なときだけ使用することを心がけましょう。

2. 抗うつ薬・精神病薬

うつや精神病の薬は症状の改善とともに薬を減らして最小限の用量で治療していくことを目標としています。その過程で薬を減薬・休薬したときに、体がビリビリしたり耳鳴りがしたり(退薬症状)することがあります。そのときに自己判断で服薬量を調節(乱用)してはいけません。

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3. 頭痛薬・かぜ薬

こちらは、市販薬も含めて注意が必要な薬です。頭痛になりやすい方が頻回服用を重ねることによって頭痛が増悪し慢性的になってしまう状態(薬物乱用頭痛)に注意が必要です。

薬には常に依存と中毒の危険があることを留意しましょう。薬はあくまでも治療のために利用するものでなくてはいけません。

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違法薬物の種類と危険性

違法薬物とは文字通り法律で禁止されている薬物のことです。服用するだけでなく、所持しているだけでも違法とされます。そして、法律で禁止されている薬を1度でも使用することを「乱用」といいます。乱用の定義には以下の2つがあります。

1. 法律で禁止されている物質を1回でも使用する
2. 本来の目的でないことに頻回使用する

では、どうして法律で禁止されているのでしょうか。

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禁止薬物の共通点は、1. 何度も繰り返し使いたくなる「依存性」、2. 使っているうちに効果が薄れてしまう「耐性」にあります。そのため、使用しているうちに自分で制御ができなくなり、心と身体が蝕まれてしまいます。また、幻覚や幻聴などの病状から放火や殺人などの凶悪犯罪を起すおそれや、重大な交通事故につながることもあります。

こうしたことから、法律で厳格に禁止しているのは当然だと理解できます。違法薬物にはたとえば以下のものがあります。

1. 覚せい剤
2. 大麻
3. ヘロイン
4. コカイン
5. 合成薬物

自分には関係がないと思っている人が多いと思いますが、これらは神経にはたらき、脳を支配する薬です。1度ならと軽い気持ちで薬物に手を出す人はあとをたちません。しかし、その1度が取り返しのつかない事態を招くのです。

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(抜粋)

出典: FASHION BOX

宝島社新書『医者からもらった薬がわかる実用ガイドブック』
監修:立川靖之

WEB編集/FASHION BOX
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