ワンオペとは? ワンオペ育児、介護に悩む人の解決法をご紹介

さまざまなメディアやSNSでもよく使われている「ワンオペ」という言葉。仕事や育児、家族の介護など、過酷なワンオペが社会問題として取り上げられることもあります。このワンオペとは、一体何を指すのでしょうか? この記事では、ワンオペの意味やワンオペが起こる社会的な背景をはじめ、ワンオペ育児やワンオペ介護について解説します。また、ワンオペが抱える問題点と解決策にも迫ってみました。

※本記事は「FASHION BOX」編集部員が自身の経験を踏まえて執筆しており、専門家による考察ではありません

≪目次≫
●ワンオペとは
●ワンオペの社会的背景
●ワンオペ育児とは
●ワンオペ介護とは
●ワンオペが抱える問題点
○仕事編
○育児編
○介護編
●ワンオペの解決策はこれ!
○仕事編
○育児編
○介護編
●ワンオペの解決策は、声を上げること、行動を起こすこと

 

ワンオペとは

そもそもワンオペとはどういう意味なのでしょうか? 実用日本語表現辞典(weblio辞書)によれば、以下のように説明されています。

別表記:ワンオペレーション
飲食店などで、1つの店舗を1人で担当することを意味する語。早朝や深夜など、客が少ない時間帯に行われることが多い。店によっては、アルバイトがワンオペを任されることもあるという。

※参照:実用日本語表現辞典(weblio辞書)

ワンオペレーションの略語にあたるワンオペ。ワンは、人間の数でいう「ひとり」を指し、オペレーションは「作業」を指します。ワンオペとは、たったひとりの従業員にすべての作業を行わせるという、過酷な労働環境を意味する言葉といえるでしょう。

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ワンオペの社会的背景

ワンオペの社会的背景
ワンオペの社会的背景

ワンオペという言葉が社会問題として世間に認知されるようになったきっかけのひとつは、2014年に発覚した某有名飲食チェーン店の過酷な労働環境でしょう。同チェーン店では、その大半が深夜の店舗運営をひとりの従業員のみに任せるワンオペであり、しかもそれが常態化していたといいます。なかには「ひとり勤務のため、9時間も休憩がとれなかった」「24時間以上の連続勤務は当たり前」という従業員もいたといわれています。また、この一連の問題で広まったワンオペという言葉が、「ワンオペ育児」や「ワンオペ介護」といった育児や介護をひとりきりで担う行為にも使われ、瞬く間に社会へ浸透していきました。

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ワンオペ育児とは

ここでは、ワンオペ育児の意味を見てみましょう。新語時事用語辞典(weblio辞書)によると、次のように説明されています。

配偶者が家事や育児にまったく協力的でなく、1人で家事・育児をこなさなくてはならない状況の通称。もっぱら共働き夫婦における境遇を指す。
「ワンオペ」はもともと飲食店などにおいて従業員が1人で切り盛りする状況を指す言い方である。深夜営業のファストフード店などで過酷な労働を強いられる環境というイメージを想起させやすい語といえる。

※参照:新語時事用語辞典(weblio辞書)

夫婦共働きにもかかわらず、夫と妻のどちらかのみが育児を担うことをワンオペ育児と呼ぶケースが多く、また、ワンオペ育児に悩むのは妻(母親)のほうが多いようです。ワンオペ育児を強いられた母親は、仕事と育児のみならず、掃除や料理などの家事もあわせて行うため、肉体的・精神的負担が非常に大きくなってしまいます。

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ワンオペ介護とは

ワンオペ介護とは、兄弟がいない人や独身の人がひとりで親の介護を担うことです。さまざまな事情から親を病院や介護施設などへ預けることができず、親の介護に追われ、自分の生活もままならなくなるほど追い詰められる人も少なくありません。

ワンオペが抱える問題点

職場や家庭などで発生してしまうワンオペ。ワンオペには、具体的にどのような問題が考えられるのでしょうか? ここからは、ワンオペが抱える問題点を「仕事編」「育児編」「介護編」と3つの項目にわけて説明していきます。

仕事編

深夜営業を行う飲食店やコンビニの場合は、接客・調理・会計などの業務全般を従業員ひとりで担うことになります。仕事そのものが重労働であるのはもちろんのこと、勤務中の休憩時間もほぼとれないため、従業員の負担は想像以上に大きなものとなり、結果的に離職してしまうことも珍しくありません。従業員の離職は、ほかの従業員のワンオペに対する不安や企業に対する不信感をあおり、さらなる離職の呼び水になってしまうことも。職場でのワンオペは、企業の慢性的な人手不足の原因のひとつともいわれています。

育児編

ワンオペ育児が抱える大きな問題点は、育児従事者への家族の無関心さでしょう。とくに夫婦共働きの場合、父親の育児や家事への非協力的な立ち居振る舞いが、母親のワンオペに拍車をかけてしまうことも多いといいます。ワンオペ育児に疲れ果てた母親は、誰にも相談できず家庭内で孤立してしまい、その結果、夫婦の離婚につながるケースも少なくないようです。ワンオペ育児は、現代では当たり前となった女性の社会進出と、「育児は母親がするもの」という日本の古い固定観念がいまだ共存していることを指し示す証拠といえるでしょう。

介護編

家族や親類など、近親者に頼れる人がいない場合の介護はワンオペになりがちです。ひとりっ子や独身の人は、ひとりで父親と母親の両方を介護することも多いようです。多くの時間と手間を費やすワンオペ介護により、転職や離職を余儀なくされる人もおり、介護者にのしかかる心身や金銭面での負担ははかりしれません。ワンオペ介護は、介護者が要介護者よりも先に体調やメンタルを崩してしまう「介護疲れ」問題もはらんでいます。

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ワンオペの解決策はこれ!

ワンオペの解決策はこれ
ワンオペの解決策はこれ

仕事・育児・介護の過酷なワンオペの現状。しかし、そのままにしておくわけにはいきません。ここからは、ワンオペの具体的な解決策を考えてみましょう。

仕事編

ワンオペ業務の解決策として最優先にされるべきことは、企業側の人員確保でしょう。利益優先、人件費削減などといった企業側の都合ではなく、作業内容に見合った人員配置や業務体制を従業員目線で検討・実践する必要があります。また、深夜営業を含めた営業時間の見直し、システムの機械化やマニュアルの簡易化などもワンオペ業務を打開すべき手段のひとつです。

育児編

本来、育児は母親ひとりが担うものではなく、配偶者である父親も母親と同様に取り組むべきことです。そのためにも、夫婦で育児について具体的に話し合う時間を設けるようにしてください。近親者であるおじいちゃんやおばあちゃん、兄弟や親戚を頼ることも考えましょう。また、家事代行会社や地方自治体などが管理する育児サポートサービスを利用するのも有効な解決策です。

介護編

ワンオペ介護の場合、まずは「頼る人がいない」という思い込みを払拭する必要があるでしょう。介護を家庭内の問題にとどめず、デイサービスなど積極的に外部の介護サービスを利用するようにしましょう。また、市区町村の介護支援担当部署や地域の介護支援相談所などに話を持ちかけてみましょう。さまざまな専門家や担当者と話を進めていくうちに、きっと「ひとりではない」と思えるようになるはずです。

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ワンオペの解決策は、声を上げること、行動を起こすこと

過酷な環境に自分の身を置くことになるワンオペ。しかし、仕事・育児・介護のどれをとっても、あなたひとりの問題ではありません。従業員を雇用している企業、同じ屋根の下で暮らす家族、地方自治体や各施設などの努力や協力など、周りの理解と思いやりがあれば、ワンオペの解決も決して難しくはないことなのです。まずは「声を上げること」「行動を起こすこと」が大切なのではないでしょうか。

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WEB編集/FASHION BOX

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