わくわくしてもらえる存在になりたい。26歳、吉岡里帆の“漢気”

ナチュラルな透明感が魅力的な女優の吉岡里帆さん。「わくわくを届けるためにいつも新鮮でビビッドでありたい」。そう語る吉岡さんは、普段から舞台やライブ、読書に美術鑑賞とインプットの充実をはかっているそう。プロフェッショナルな世界を目指して努力を惜しまない26歳の素顔とは。

RIHO’s PROFILE

よしおか・りほ/1993年1月15日生まれ。京都府出身。待機作に、東野圭吾の原作小説を実写化した映画『パラレルワールド・ラブストーリー』(5月31日公開予定)など。

いい作品に触れることが原動力になる


舞台やライブ、読書に美術鑑賞……。インプットの充実も、彼女が意識的に取り組んでいることのひとつ。

「いい作品に触れると、その作品の作り手さん達と一緒に仕事ができるようになるには私はどうしたらいいんだろう?何が必要なのかと逆算して考えるんです」
その例が大竹しのぶさんという存在。

「大竹さんは、大先輩なのに『里帆ちゃん、“一緒に”頑張ろう』と背中を押してくださる人。大竹さんが主演の舞台『ピアフ』を観たときにも、ロングランでずっと同じ役を演じられているけれど、2011年の初演から進化させていく姿に感動しました。周りのキャストが変わっても、大竹さんは変わらず、ずっと真ん中に立ち続けていて、強く美しい精神がかっこいい。

大竹さんをはじめ、プロフェッショナルな場に集まる人達と仕事ができるようになりたいんです。そこで一緒に笑える自分でありたい。そのためには、同じだけ頑張らないと!もし、自分が頑張れていないときに、誰かが頑張っている姿を見るのは後ろめたさで苦しくなっちゃうじゃないですか。そうなったら一緒に笑えなくなってしまうと思うんです。もしサボってしまったら、サボってることに誰よりも気づいているのは自分ですから」

好奇心をピュアなままにしておかないと

トップス¥135,000、ドレス¥175,000、ベルト¥22,000(全てプランC/パラグラフ)

鍛錬されたものを観るのが好きだという。

「映画(『音量を上げろタコ!なに歌ってるんだか全然わかんねぇんだよ‼︎』)でギターを弾きながら歌う役を演じて、音楽番組に出演する機会もいただけました。歌もギターもそのために改めて練習しました。私は天才でも器用でもないから、もうとにかく練習するのみでしたね」

その映画の主題歌の歌詞にある「届け  届け 届け」というフレーズ。全身全霊を込めて歌い上げる姿と、彼女が演じ続ける理由とがリンクする。

「私にとってパフォーマンスは、ただ見てくださる皆さんに楽しんでもらいたいってことだけが原動力になっています。ドラマで演じた役も、弱さや不器用さに共鳴する人が0人じゃないからこそ届ける意味がありました。それにせっかく人前に出るならば鍛錬されたものをお見せしたい。私は舞台を観るのが好きなんですが、その理由は、ちゃんと稽古や準備があってその過程も含めて、愛しているからです。

熱量に触れて、刺激をもらって、モチベーションに変えていく。私も誰かにとってそんな存在でいられるように、私自身も常に好奇心をピュアなままにして、アップデートし続けていかなきゃいけない。私って、つまんないヤツだなって思うこともしょっちゅうあるけど(笑)、わくわくしてもらえる存在になるためには、誰よりも熱量を持って走り続けようと覚悟を決めています。

いただいた仕事には全力で、来ない仕事に対してもアンテナを張ることを忘れずに。なぜ来ないのか、なぜ今の自分だとその役ができないのか、できないことに向き合いながら、同時にできることを試していく。こういうことを話すと、頑張り過ぎって言われるんですが(笑)。試行錯誤していくしかないんです。全力で向き合っていくのが、今の私にできる最大限の仕事の仕方だから」

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model_RIHO YOSHIOKA
photo_BUNGO TSUCHIYA[TRON]
styling_MICHIE SUZUKI
hair_MIKI SAYUHDA
make-up_SADAE SASAKI
interview_HAZUKI NAGAMINE
edit_SATOKO ISHIKAWA[vivace], FASHION BOX
(sweet2019年3月号)

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