妊娠のせい?! 昨年より花粉症がひどい気が。妊娠中のお薬、対処法を教えて 【医師監修】

昨年より1週間ほど早く飛散するといわれていた今年の花粉。飛散量は、この10年で2番目に多く飛散した昨年の8割程度となる見通しですが、油断は禁物。スギ花粉のピークは3月上旬から中旬、3月下旬からヒノキ花粉がピークを迎えます。そこで、妊娠中の花粉症との向き合い方について、産婦人科専門医の竹元葉先生にお聞きしました。

 

妊娠がきっかけで、花粉症が発症することはない

―― 妊娠すると花粉症がひどくなったり、妊娠をきっかけに発症するといったことはありますか?

「妊娠と花粉症の発症には直接的な関連はありません。ただ、花粉症の症状のひとつ、鼻炎がひどくなることは少なくなく、それは妊娠によるホルモンの変化で、鼻の粘膜がむくみやすくなるのが原因といわれています」(竹元先生)

―― 妊娠前に使っていた花粉症の薬を引き続き服用してもいいですか?

「お薬を服用する際は、花粉症に限らず、かかりつけの医師に確認してからにしましょう。産婦人科で花粉症の薬(飲み薬、点眼など)を処方してもらうこともできます。昨年使いきれなかった花粉症のお薬を服用したい場合も、医師に相談してくださいね」(竹元先生)

―― 花粉症におすすめのサプリメントはありますか?

「花粉症対策には、ビタミンDを摂取するのがおすすめです。ビタミンDは日光にあたることで作られますが、紫外線による肌への影響もあるので、サプリメントで補うのが賢い選択。免疫に関わる大事な栄養素なので、妊婦さんに限らず妊活中の人も取り入れるといいでしょう」(竹元先生)

 

花粉症の症状を和らげるハーブティーを飲む際は、医師に相談!

―― 花粉症を和らげるために、ミントやユーカリなど、清涼感のあるエッセンシャルオイルを吸引してもいいですか?

「ユーカリとミントは大丈夫です。ただ、ハーブの種類によっては子宮を収縮させるものもあります。妊娠中にハーブティーを飲みたい場合は、かかりつけの医師に相談するといいでしょう」(竹元先生)

―― 花粉症を和らげる方法はありますか?

「対処法は妊娠前と変わりません。外出の際は、メガネやマスク、帽子で花粉を寄せ付けないようにするなど、アレルゲンを避けることが大切です。花粉の飛散量をチェックして、花粉が多い日や時間は外出を控えましょう」(竹元先生)

 

気温が一気に温かくなると、花粉の飛散量はさらにアップ。3月からはスギとヒノキの花粉が混在するため、特に注意が必要です。花粉症がひどくなると鼻水や目のかゆみだけでなく、イライラしたり、鼻がつまって眠れなかったりと、不快症状のスパイラルに。花粉を遠ざける生活を心がけてくださいね。

 

教えてくれたのは…sowaka women’s health clinic 院長 竹元 葉先生

【PROFILE】
順天堂大学医学部卒業。産婦人科専門医/医学博士。思春期から老年期まですべてのライフステージにおける身近なかかりつけ医として「sowaka women’s health clinic」を開院。女性医師・女性スタッフのみで診療を行う。

 

取材・文=夏目 円
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