筋肥大には「重量」でなく「総負荷量」を高めるべし!効果的に筋肉を付ける筋トレの秘訣【トレーナー伝授】

筋肉のしっかりついた“マッチョ”な肉体になるためには、重いダンベルなどを使った、ハードなトレーニングが必要だと思っていませんか? 実は近年の研究で、低強度のトレーニングでも十分な“筋肥大”の効果が得られることがわかりました。初心者や力のない女性、高齢者でも安心! 効果的なトレーニングの秘訣を理学療法士・トレーナーの庵野拓将先生に教えていただきました。

≪目次≫
●低強度な筋トレでも“筋肥大”効果アリ! その決め手は……?
●教えてくれたのは……

 

低強度な筋トレでも“筋肥大”効果アリ! その決め手は……?

筋肥大を目指すのであれば、高強度なトレーニングが有効です。つまり、重量の高い器具を用いてのハードなトレーニングが不可欠とされてきました。

しかし、筋肥大のやり方は、それだけなのでしょうか? 低強度のトレーニングでは、同様の効果を得られないのでしょうか?

高強度の筋トレは、初心者や高齢者にとっては、カラダに大きな負担がかかるため簡単にできるものではありません。「つらい」「苦しい」と過度に感じてしまうとモチベーションにも影響し、長く続けられなくなってしまいます。では、低強度のトレーニングでも、筋肥大の効果を得ることはできるのでしょうか?

2012年、カナダのマックマスター大学で次のような検証がなされました。

レッグエクステンションを、80%の強度で行うグループと、30%の強度で行うグループに分けて、オールアウト(疲労困憊まで行うこと)状態になるまでトレーニングを実施しました。当然、低強度で行うグループの方が回数は多くこなせます。これを長期間にわたって検証していった結果、両グループともに筋肉量は増加。そして、その量にはほとんど差がありませんでした。つまり、筋肥大は、重量によってのみ効果が得られるものではないことがわかったのです。低強度のトレーニングでも回数を多くして総負荷量(重量×回数)を高めれば、高強度のトレーニングと同程度の効果が得られるとの結論が導き出されました。

よって、現在では、「筋肥大効果は、扱う重量ではなく、『総負荷量』によって決まる」というのが科学的常識──。

筋肉を大きくしたければ、「高強度なトレーニングをしよう」から、「トレーニングによる『総負荷量』を高めよう」へと変わったのです。

ただし、ここにおいて見落としてはいけないのは、オールアウトの重要性です。

イギリス・サウサンプトンのソレント大学の研究チームは、こう報告しています。
「低強度のトレーニングでも疲労困憊まで行うことですべての筋線維を収縮することが可能になり、高強度のトレーニングと同等の筋肥大が可能になり得る」

つまり、軽強度のトレーニングでも、しっかりと肉体を追い込むことは絶対必須条件となります。

“筋肥大”には「総負荷量」を高めるべし! 効果的な筋トレの秘訣
出典: FASHION BOX

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●教えてくれたのは……

理学療法士・トレーナー、博士(医学)

庵野拓将(あんの・たくまさ)先生

【Profile】
大学院修了後、大学病院のリハビリセンターに勤務。怪我や病気を患った人々からアスリートに至るまで、これまで延べ6万人に肉体づくりを指導してきた。大学病院においては、世界最先端の研究成果をトレーニング現場にフィードバックすべく、研究発表、論文執筆にも精力的に取り組んでいる。筋トレ、スポーツ栄養学をはじめとする最新の研究報告を紹介するブログ「リハビリmemo」主宰。著書に『科学的に正しい筋トレ 最強の教科書』(KADOKAWA)がある。

ブログ :「リハビリmemo」
ツイッター:「庵野拓将 @takumasa39」

(抜粋)

“筋肥大”には「総負荷量」を高めるべし! 効果的な筋トレの秘訣
出典: FASHION BOX

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監修:庵野拓将

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構成:近藤隆夫
編集協力:SLAM JAM、廣井章乃、村中崇
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください
WEB編集:FASHION BOX、株式会社エクスライト

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