全世界を巻き込んだ新型コロナウイルス（COVID-19）感染症は、日本国内にも大きな影響を与えています。現在、多くの国民が直面しているのは、事業の休業などによる収入の減少です。そこで、経済的に厳しい世帯のために、無利子・無担保でお金を借りることができる緊急小口資金等の特例貸付という制度が実施されることになりました。1級ファイナンシャル・プランニング技能士の風呂内亜矢さんに詳しく教えてもらいましょう！
≪目次≫●生活に必要な資金の貸し付けを対象拡大 緊急小口資金等の特例貸付
●休業や失業した個人を対象とする融資
●10万〜20万円が無利子・無担保
●生活福祉資金の申請に必要なもの
●借入申込書の書き方
●このコンテンツの監修者は……
生活に必要な資金の貸し付けを対象拡大 緊急小口資金等の特例貸付
■金額（上限）
緊急小口資金 20万円
総合支援資金 単身：月15万円、二人以上：月20万円
■申請先
社会福祉協議会
■融資まで
およそ10日
■金利
なし
コロナ禍で家賃が払えない!? 申請しやすくなった住居確保給付金についてFPが解説！
休業や失業した個人を対象とする融資
各都道府県の社会福祉協議会には、所得の低い世帯に対して生活に必要な資金の貸し付けを行う生活福祉資金制度があります。現在、新型コロナウイルス感染症の影響から、この制度の対象者を低所得世帯以外にも広げた「緊急小口資金等の特例貸付」を実施しています。これには、おもに休業した人に向けた「緊急小口資金」と、おもに失業した人に向けた「総合支援資金」の二つがあります。
コロナ不況で電気代やガス代、水道代が待ってもらえる!? 支払い期限の延長制度とは［FP監修］
10万〜20万円が無利子・無担保
「緊急小口資金」は、新型コロナウイルス感染症の影響で休業し、収入が減少して生活を維持するためのお金が、すぐに必要になった世帯を対象にしたものです。世帯に新型コロナウイルス感染症にかかった人がいる時、要介護者がいる時、休校になった子どもの面倒を見る必要がある時など、20万円以内で借りることができます。
「総合支援資金」は、生活の立て直しが必要になった人への貸し付けです。新型コロナウイルス感染症の影響で収入が激減した、失業したなどにより日常生活を送ることができない世帯を対象にしたものです。二人以上の世帯では月に20万円以内、単身世帯では月15万円以内を、原則3カ月にわたって借りることができます。緊急小口資金と総合支援資金はともに無利子・無担保です。
生活福祉資金の申請に必要なもの
■借入申込書（※）
必要事項を記入
■重要事項説明書（※）
記入日、住所、氏名を記入のうえ押印
■借用書（※）
金額、住所、氏名、生年月日、貸付金の償還を記入のうえ押印
■申立書（※）
太枠内と記入日、住所、氏名を記入のうえ押印
■住民票
・世帯全員が記載されている
・発行日が3カ月以内
・借入申込書と住所が一致している
■通帳またはキャッシュカード（コピー）
・金融機関名、支店名、口座名義、口座番号がわかる
・口座の名義が申込書の氏名、口座番号と一致している
■本人確認書類（コピー）
次のうちのいずれか
・運転免許証
・パスポート
・マイナンバーカード
・健康保険証
・在留カード（特別永住者証明書）
ただし、現住所、氏名、生年月日が確認できること
（※）の用紙は厚生労働省のホームページからダウンロードできます
■問い合わせ先
＜市区町村の社会福祉協議会＞
＜厚生労働省 個人向け緊急小口資金・総合支援資金相談コールセンター＞
フリーダイヤル 0120-46-1999
受付時間 9:00～21:00 休みなし
借入申込書の書き方
1：住民票のある都道府県名を記入
2：氏名を記入します。印刷などではなく、必ず自筆で
3：記入年月日を記入します
4：借入を希望する金額を記入します。基本的には「100,000」か「200,000」です
5：据置期間（返済が猶予される期間）、償還期間（返済をする期間）を記入します。とくに希望がなければ、アの12か月、24か月を選んでください
申込書に最初から○が付けられている場合もあります。その場合、ア以外を選ぶのであれば、アを二重線で消してイに○してください
6：償還方法（返済する方法）にチェックを付けます。原則として月賦を選んでください。申込書に最初から記載されている場合もあります
7：氏名（漢字、フリガナ）、性別、生年月日、現住所、電話番号、勤務先があれば記入し、名前の横に押印します。本人確認書類と一致している必要があります
勤務先は会社に所属する場合は会社名。個人事業主等の場合は職業を記載してください（個人事業主でも会社所属であれば会社名）
8：家族の名前、続柄、年齢、生年月日、勤務先・学校名（あれば）を記入します
新型コロナウイルス感染症にり患している場合など、特記事項に該当する場合は○を付けてください。家族にり患者がいる場合もアです
9：振込口座の情報を記入します。申込者と口座名義が一致するものにしてください
10：該当するものがあればチェックを付けてください
8の特記事項に当てはまらず、10万円を超える貸し付けを希望する場合は「今後10万円を超える資金需要があるため」にチェックを付けます
初回の借入の場合はアにチェック、借入がある場合はイにチェックし金額を記入
このコンテンツの監修者は……
風呂内亜矢 （ふろうち あや）
【Profile】
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP（R）認定者。苦痛を伴わない家計改善を得意とし、制度の使いこなしなどについて、テレビ、ラジオ、Webコラムなどで発信している。著書・監修書も多数。最近は、日常の記録にお金の情報を織り込むYouTubeチャンネル（https://www.youtube.com/c/FUROUCHIvlog/）も運営中。
（抜粋）
書籍『コロナ不況で困った人が「申請」だけでもらえるお金 払わなくてもいいお金』
監修：風呂内亜矢
☆書籍『コロナ不況で困った人が「申請」だけでもらえるお金 払わなくてもいいお金』をAmazonでチェック
編集：クリエイティブ・スイート
編集協力・執筆：伊藤千恵美（銀河企画）、石上ゆかり（オフィスケイズ）
協力：萩原洋［特定行政書士／知的資産経営認定士］
※ 画像・文章の無断転載はご遠慮ください
※ 本記事に掲載されている情報は2020年5月18日現在のものとなっています。掲載されている制度は予告なく変更・廃止になる場合がありますので、詳しくは該当の関係機関や自治体などでご確認ください
※ 官公庁ホームページ、各研究機関ホームページなどを参考にしています
WEB編集：FASHION BOX
