[後編]事故物件住みます芸人・松原タニシに沖縄のユタが警告「病気になるよ……」

[後編]事故物件住みます芸人・松原タニシに沖縄のユタが警告「病気になるよ……」|インタビュー

これまでに10軒もの「事故物件」で暮らしてきた芸人・松原タニシさん。体を張って集めた体験談で注目を集め、今夏は著書『事故物件怪談 恐い間取り』(二見書房)の映画化や、シリーズ第2弾となる『事故物件怪談 恐い間取り2』を出版するなど、怪談作家としても勢いに乗っている。先日、発売されたばかりのTJ MOOK『恐怖! 「事故物件」案内』から、松原タニシさんへのインタビューの一部を特別に公開しよう。


≪目次≫

 

「事故物件」って何? 調べてみると……

松原タニシさんのインタビューを紹介する前に、そもそも事故物件とは何なのか、くどいようだが改めて紹介しておこう。
検索サイト「goo」の辞書ページで「事故物件」という言葉を調べると、下記のように定義されている。

じこ‐ぶっけん【事故物件】

販売・賃貸を予定するマンション・アパートの部屋や、土地、家屋などの物件で、以前、自殺や殺人などの死亡事故があったもの。不動産業界の用語。心理的瑕疵(かし)物件。

(参照:goo辞書 https://dictionary.goo.ne.jp/word/事故物件

 

☆松原タニシさんのインタビュー前編はコチラ↓
事故物件住みます芸人・松原タニシ 大阪「パカパカマンション」を巡るエピソードとは?

 

松原タニシへユタからの警告 「病気になって、最終的に人気がなくなるよ……」

「これまで事故物件には10軒住んだ」って言いましたけど。厳密には同時進行で、東京に6軒目、大阪のが8軒目、沖縄に9・10軒目を借りてる状態です。

9軒目のは、めちゃくちゃきれいなんですよ。築5年くらい。那覇の中心地に近くて、設備も整ってて乾燥機まである、デザイナーズマンションみたいなところ。
ただ、小原猛さんという沖縄の作家さんとイベントでご一緒させてもらった時です。いきなり「伝えないといけないことがある」と小原さんに言われて。
「僕の知り合いの、お世話になってるユタさんから電話がかかってきた。今、沖縄で松原タニシさんという人が住んでる場所は、土地から邪悪なエネルギーが噴出している。そこに住み続けると事故に遭って、病気になって、最終的に人気がなくなるよ……」
なんていう伝言を承ったそうなんです。
でも僕、そのユタさんと会ったことないし、どの物件借りてるか、ほぼ誰にも言ってないんですよ。どれだけ遠隔で情報を知られているのか……。

確かにそこ、周りがお墓なんですよ。墓地に囲まれてるのではなく、お墓つぶしたところにマンションを建てている。
地元の人に聞くと、沖縄は地価が上がってるから、本土の人間が土地を買って、外国人・本土の人用にマンションを建てるのが人気らしい。それがまた沖縄の人からしたら、絶対に建ててはいけない場所だったりする。お墓とか御嶽(うたき)がある場所を、土地が安いからって強引に買い占めてマンション建てる本土の業者が増えている。知らずに住んだ外部の人たちが、やっぱりおかしくなるのか、定住しないんですね。住んでは出ていってを繰り返して、最終的には誰も住み着かなくなる建物ばかりだ……と。

あと、これは小原さんが言ってたことですけど、那覇市は小島を埋め立ててる土地が多い。ちょっとした丘になってる部分って、もともと島だったらしいんです。昔は風葬のために、遺体を野ざらしに置いてたような小島。元がそういう場所だから、何百年分かの骨が埋まってる可能性がある。
僕が住んでるとこも、坂道を上ったとこなんですね。墓地の真ん中にマンションが建ってて、堂々とお墓つぶしてるんですよね。

 

10軒目・沖縄のおばけマンションに暮らしているが……

10軒目・沖縄のおばけマンションに暮らしているが……

10軒目は、有名なおばけマンション。そこも川沿いに墓がいっぱい並んでて、丘の方にもお墓が侵食していた場所。で、国道を通すために山を割って道をつくってるんですよ。それが大正時代かな。
……あれ? ちょっとすいません。

なんとこの取材中のタイミングで、沖縄の水道局から電話がかかってきた。例の物件の水道料金についての連絡だった。

──(電話を終えて)まさに今しゃべってる物件ですよ。なんで電話かかってくるんやろ……。沖縄って、こういうところありますよね。沖縄のこと話してたら、その人から連絡くるみたいな、変な偶然が重なる。

沖縄在住の元ABブラザーズ・松野大介さんにインタビューしてもらった時も、そういうことがよく起こるって言ってたし。僕のマネージャーさんだって、去年あたりから同じ現象が起こるようになったとか。

マネージャー:今ちょうど「お墓に囲まれた部屋ありませんか」ってオーディションのメールが来ましたよ。

──え!? どういうこと?

マネージャー:番組の企画で、「お墓に囲まれたマンション、探してます」って。まさに、そのことしゃべってるときに……。

──めっちゃ怖いな。これが沖縄ですよ。取り込みにかかってきてるんや(笑)

これまでのタニシ氏の「事故物件」事情は、孤独死や自殺など個人的事情が背景となっていた。しかし沖縄の場合、土地自体の怖ろしさという、一段大きなスケールに移行してきてもいるようだ。

確かに、土地の話になってますよね。
でも僕の場合、学者みたいに専門的に土地を調べるのは、自分の範囲ではない。
「物件に住む」という縛りのなかで、そこで何が起きるのか。もし何か起こって、その原因が土地にあるのだとしたら、もちろんそう言います。でも、あくまで「そこに住んでみたらどうなるか」を伝えるのが、僕の役割かなと思ってます。

 

松原タニシ/Profile

松原タニシさん

(まつばら・たにし)

1982年4月28日、兵庫県神戸市生まれ。
松竹芸能所属のピン芸人。現在は「事故物件住みます芸人」として活動。2018年に上梓した初の単行本『事故物件怪談 恐い間取り』は15万部を超えるベストセラーとなり、今夏、亀梨和也主演で映画化。現在、ラジオ関西「松原タニシの生きる」、CBCラジオ「北野誠のズバリ」、YouTube・ニコニコ生放送「おちゅーんLIVE!」などレギュラー出演中。著書に『事故物件怪談 恐い間取り』『異界探訪記 恐い旅』(ともに二見書房)、コミックの企画・原案に『ゼロから始める事故物件生活』(漫画:奥香織 小学館)、『ボクんち事故物件』(漫画:宮本ぐみ 竹書房)がある。7月には『事故物件怪談 恐い間取り』の続編『事故物件怪談 恐い間取り2』がリリースされた。
☆『事故物件怪談 恐い間取り2』(二見書房刊・本体¥1,400+税)絶賛発売中!!

 

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(抜粋)

TJ MOOK『恐怖!「事故物件」案内』

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取材・文=吉田悠軌(とうもろこしの会)
撮影=岡戸雅樹
取材協力=松竹芸能

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Web編集=FASHION BOX

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