小さな幸せを大切に|北欧デザイナーの暮らし 〜People living in Scandinavia〜
北欧に暮らす「Scandinavian Pattern Collection」のデザイナー、エヴェリーナ・ネッティさんはコロナ禍でもマイペースに、自然と親しむ暮らしを楽しんでいます。
Scandinavian life File no.02
FINLAND/Helsinki
明るい色の木造の家の中で娘とパートナーとゆったりとしたひととき
リビングルームは温かみのあるブラウンとグリーンで統一。家具は北欧ヴィンテージ。フロアで遊ぶローニャちゃんとネコを眺めていると気持ちが和みます。
ベビーが生まれるすべての家庭に国から送られるマタニティパッケージ。ベビー服、寝具、タオル、育児用品、おもちゃ、本など新生児に必要なものが揃っています。
おしゃれ業界人ママ&パパが選ぶ子ども服[レインウェアも!]こどもと暮らし大賞
カーテンはエヴェリーナさんがデザインしたもの。ヴィンテージデスクの上には、ローニャちゃんに読み聞かせる童話の本を置いています。
バルコニーにあるヴィンテージのつり椅子はお気に入りの場所で、ゆっくりと読書をしたり、ローニャちゃんに絵本を読み聞かせています。
北欧デザイナーの日常から学ぶ! コロナ禍でもマイペースに暮らしを楽しむ方法
晴れた日にはなるべく外に散歩に出かけます。近くの森をローニャちゃんを連れて散歩しながら、身も心もリフレッシュ。
ローニャちゃんのおむつ替えは、お父さまから譲られたヴィンテージデスクに柔らかいマットを敷いて使用。小物入れもあって使い勝手は完璧です。
北欧インテリアで和室がリビングに変身! ラグやクッションが大活躍!
パートナーのエテゥさんと二人三脚で育児を楽しみます。コロナ禍で人と会えない分、家族で過ごす時間を大切にしています。
ベビーベッドは地元のリサイクルセンターで見つけた柳のかごで、業者にオーダーメイドのマットレスを注文して作ったオリジナルベッド。
エヴェリーナ・ネッティさんの暮らし
新型コロナが蔓延する最中に初めての出産を経験
フィンランドの首都ヘルシンキで、パートナーのエテゥさんと生まれたばかりのローニャちゃんと暮らすエヴェリーナさん。
コロナ禍が蔓延する5月に初めての出産を経験しました。このような状況下での初出産は不安もありましたが、細心の注意を払い、出産までの2か月は人と会うことを避け、ほとんどの時間を自宅で過ごしました。
ベビーシャワーもなく親戚や知人からのお祝いもなくとても寂しい出産でしたが、人と会う代わりに自分に集中する時間を持ちました。ベビーが生まれる前のパートナーとのふたりだけの時間をゆっくりと過ごすことができたのもかけがえのない体験に。
出産後はエヴェリーナさんは母親休暇中で、エテゥさんは家でリモートで働いています。「日中もお互いに一緒にいられて嬉しいし、おむつ替えなどのローニャの初めての育児も一緒に楽しんでいます」
子どもを連れて。森は唯一の外出先
ヘルシンキの中心地からほど近い小さな街にある自宅は、明るい色で塗られた木造のタウンハウスです。森と湖と大麦畑に囲まれた地域には子どものいる家族も多く、子連れに親切な環境が整っています。
コロナが蔓延していた春に自宅以外で過ごした唯一の場所が森。家の近くの森や湖には、ローニャちゃんを連れてよく散歩に出かけます。
通常は、多くの時間を友だちと過ごしています。お互いの家に遊びに行ったり映画を見たり、ブランチを食べたりしますが、今はなるべく屋外で友だちに会い、ベビーカーを押しながら一緒に散歩します。
出産後の回復とリラックスのためにヨガも始めました。ベビーと一緒のヨガもあり、少しずつ出かけるようになりました。
夏の終わりから秋にかけてはキノコやブルーベリーを摘みに森に出かけます。また、フィンランドの定番ですが、エヴェリーナさんたちもほとんど毎日サウナに入っているそうです。一日の終わりにホットサウナに入るのはリラックスできるひとときです。
出産の準備は、本当に必要なものだけを揃えました。オムツ替えには父親の古いデスクをそのまま利用したり、ベビーベッドはリサイクルセンターで見つけた古い柳のかごで、サイズに合わせたマットレスを業者に注文しました。
フィンランドには、ベビーが生まれるすべての家庭に「マタニティパッケージ」が国から届きます。
「パッケージにはベビーに必要なアイテムがすべて入っていて、自分で揃える必要がなくとても助かりました。コロナ禍での出産は不安が大きかったですが、こうした国のサポートやエテゥと協力しながらの育児を楽しんでいます」とエヴェリーナさんが微笑みます。
テレワークも一般的! 北欧に学ぶ“残業ゼロのワークスタイル”
【My favorite place】よく過ごした場所/ヘルシンキ郊外の森でキノコ狩り
家の近くにある森では、夏の終わりにたくさんのキノコが採れます。夏には湖で泳いだり、秋にはベリーやキノコを摘んだり、お天気のいい日には家族で森に行き、できるだけ外で過ごし、ローニャも自分たちもリフレッシュする時間を持ちます。
教えてくれたのは……
Eveliina Netti(エヴェリーナ・ネッティ)さん
Illustrator & Textile designer
【Profile】
イラストレーターおよびテキスタイルデザイナー。おとぎ話や日々の気づきから生まれるエブリデーアートをめざす。
※ 画像・文章の無断転載はご遠慮ください
text_Yuka Yamamoto Bruselid
photograph_Eveliina Netti
(リンネル 2020年12月号)
web edit_FASHION BOX, Satomi Kubota[vivace]