「最近、肌に元気がない……」
それは、肌にくすみや黒ずみがあるからかもしれません。肌の透明感が失われた状態を「くすみ」といいます。また、肌が黒や茶色っぽくくすんでいる状態を「黒ずみ」といいます。
肌にくすみや黒ずみがあると、疲れた印象や元気がない印象を与えてしまいます。くすみや黒ずみを解消して、いつも元気な肌でいたいものですね。
今回は、くすみや黒ずみの原因と対策について解説します。
肌のくすみや黒ずみの原因とは?
肌のくすみや黒ずみは、次のことが原因で起こります。
乾燥
肌は、乾燥が原因でくすむことがあります。その場合、肌に粉がふく、肌が白~灰色っぽくくすむ、洗顔後に肌がパリパリになる、などの症状がでます。
季節の変化による湿度の低下や洗顔のし過ぎは肌の乾燥につながるので、要注意です。
シミや肝斑
肌のくすみや黒ずみは、シミや肝斑であることも。この場合、肌が全体的に、もしくは部分的に茶黒っぽい色になります。
シミの原因には、紫外線による日焼けや、強い摩擦による色素沈着が関係しています。また、肝斑の場合はホルモンバランスの変化(妊娠、出産など)が関わることもあります。
以下に当てはまる人は注意が必要です。
・紫外線を多く浴びている
・UVケアをしていない
・スキンケアで肌を強くこすっている
・マスクによる摩擦が頻繁にある
肌のターンオーバーの乱れ
肌のターンオーバーも、くすみや黒ずみに関係しています。
肌は常に、古い肌が垢として剥がれて新しい肌に入れ替わる、ターンオーバーを繰り返しています。ターンオーバーが乱れたり頻度が低下したりすると、肌の表面の角質が剥がれ落ちず蓄積して、肌がくすんで見えるようになります。
不規則な食事や睡眠不足、疲れ、ホルモンバランスの不安定さが、肌のターンオーバーの乱れを招くといわれています。
血行不良
血行不良により肌に十分な栄養が届かないと、肌が青白くくすんで見えます。目の下のクマや顔のむくみを伴うこともあります。
冷え性や運動不足が気になる人は、血行不良による肌のくすみに注意しましょう。
毛穴の汚れ
毛穴に角質が詰まって黒く見えるものを「角栓」といいます。その角栓が黒ずみの原因になることも。とくに、鼻の毛穴は大きいため、黒ずみとして目立ちやすいです。
肌のくすみや黒ずみを改善するには?
肌のくすみや黒ずみを改善したい! そんな方におすすめの対策をご紹介します。
スキンケア
くすみや黒ずみの改善に、スキンケアは必要不可欠。スキンケアのなかでも、保湿はとくに大切です。秋から冬にかけての乾燥する季節は、念入りに保湿をするようにしましょう。化粧水と乳液を重ねると保湿力が高くなります。
また、黒ずみが気になるからといって、ごしごしこする洗顔はNG。摩擦によって色素沈着が起こることがあります。毛穴をふやかしてから、泡でやさしく洗顔するようにしましょう。
紫外線対策
紫外線を防ぐことは、くすみ、黒ずみ対策に欠かせません。夏の強い日差しが落ち着いても、紫外線は1年中降り注いでいます。
外出時には日焼け止めを塗るようにしましょう。また、長時間屋外にいる場合は、帽子やスカーフなどの日よけグッズを活用するのがおすすめです。
食事
食事内容は肌の健康に直接関わります。とくに、肌の主成分であるたんぱく質や、肌の代謝に関わるビタミンB群、ビタミンCを摂るのがおすすめ。それらの栄養素が多く含まれる食品をご紹介します。
<肌の健康に役立つ栄養素と食品>
・たんぱく質(肉、魚、卵、大豆など)
・ビタミンB群(うなぎ、納豆、玄米、小松菜など)
・ビタミンC(イチゴ、キウイ、ブロッコリー、パプリカなど)
これらを意識して摂取し、バランスのいい食事を心がけましょう。
睡眠
睡眠不足は、肌の健康の大敵。睡眠の「質」と「量」の改善を意識しましょう。
たとえ睡眠時間が長くても、寝つきが悪かったり、眠りが浅かったりする場合は、起きた時にすっきりしないこともあります。睡眠の質を高めるために、寝る直前の入浴、スマホ・テレビの視聴は避けてください。
日中しっかり運動してからだが適度に疲れると、睡眠が深くなるのでおすすめです。また、必要な睡眠時間には個人差がありますが、できるだけ夜間に6時間以上の睡眠をとるようにしましょう。
運動
運動は肌の血流改善に効果的で、汗をかくことは肌の保湿にもつながります。1日30分程度のウォーキングなどの軽い運動を習慣にすると、肌質改善に効果的です。
肌のくすみや黒ずみは漢方薬で内側から改善!
肌のくすみや黒ずみのお悩みには、漢方薬もおすすめです。
漢方薬は、内科や皮膚科でも、肌質改善の治療に使われています。漢方は理想の健康を目指しているので、肌だけでなく、便秘や冷えなどを同時に改善することも可能です。
また、漢方薬は自然の生薬を組み合わせているため、一般的には西洋薬よりも副作用が少ないといわれます。さらに、体質に合っていれば高い効果を得られます。
漢方薬が得意なのは、もともとからだに備わっている「内なる治癒力」を高めること。体質そのものに働きかけるとともに、気の流れを整え自律神経を安定させるので、心もからだも健やかな状態を目指せます。
また、「健康のために規則正しい生活や運動を毎日続けるのは大変……」という方でも、漢方薬なら自分の症状や体質に合うものを毎日飲み続けるだけなので、継続しやすい健康法といえます。
<肌のくすみや黒ずみが気になる方におすすめの漢方薬>
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):肌のシミが気になる方、冷え性の方
漢方の考え方では、全身をめぐってからだの各器官に栄養を届ける「血(けつ)」というものがあります。「血」が滞ったり、「血」が不足したりすると、全身の栄養が不足してさまざまな不調があらわれます。肌のシミや冷え性もその症状のひとつです。当帰芍薬散は「血」の巡りを改善させるとともに、「血」の不足を改善させるように働きます。
桂枝茯苓丸加薏苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん):肌のシミが気になる方、手足の荒れが気になる方
桂枝茯苓丸加薏苡仁は当帰芍薬散とともに、女性のさまざまな症状によく使われる漢方薬です。桂枝茯苓丸加薏苡仁は「血」の滞りを改善して「血」の巡りをよくすることで肌へ栄養がいきわたるように働きます。
ただし、効果が認められている漢方薬でも、その人に合っているか否かが重要なポイントです。合わないものを服用すると、効果が見込めないだけでなく、副作用が起こることもあります。服用前に、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談するようにしましょう。
最近では、オンライン上で症状と体質に合った漢方薬を選んでもらえる「あんしん漢方(オンラインAI漢方)」というサービスも登場しています。漢方薬局よりも手軽に相談できるので、利用してみるのもいいでしょう。
スマホから、漢方に精通した薬剤師への個別相談を気軽に申し込むことができますよ。
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肌のくすみ、黒ずみを解消して透明感のある肌を!
今回は、肌のくすみや黒ずみの原因と、その対策をご紹介しました。
セルフケアだけでは限界を感じるという方は、専門家に相談して、肌質改善のための漢方薬を取り入れるのもおすすめです。透明感のある肌を目指しましょう!
教えてくれたのは……あんしん漢方 金城 里美
【Profile】
皮膚科医/薬剤師
東京大学薬学部卒業後、医師を目指して、東京医科歯科大学医学部に入学。
体、精神とも関わって多様に現れる皮膚の病態に興味を持ち、皮膚科医の道を選ぶ。卒業後、大学病院、総合病院、クリニックでの皮膚科勤務を経て、一般皮膚科から美容皮膚科まで皮膚科領域の診療を幅広く行う。
現在、総合病院の皮膚科常勤医として勤務。3児の母。
皮膚がより良くなることで、その人の毎日がより明るくなることを目指して日々診療を行う。
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