“シニアファッション”ってもう死語です。
いまの60代女性はシニアと呼ぶには若々しいし、センスもよくおしゃれ。
しかし、「どんな洋服を着たらいいか」と考えると、みなさん、はて?と頭を悩ませてしまうのだそう。
それはなぜか?
理由は簡単です。いまの気分やセンス、体形の悩みや自分をどう見せたいかなど、いわゆるおしゃれに関する60代女性のインサイト(マーケティング用語でいう「購買意欲の核心」)をしっかり捉えた洋服がないからなのです。
地方の洋品店にあるような“Theシニア服”を60歳になったからといって、突然着たくなるわけがないし、百貨店のミセス服もどこかよそ行き。カタログや広告のビジュアルは10代後半~20代前半の外国人モデルで、この服をどう自分に落とし込んだらいいというのでしょうか。
毎月『素敵なあの人』のファッションページを作るなかで、こんな大人服があったらいいのにな、と思うことがたくさんあります。
どこか一緒に作ってくれるところはないだろうか、と思っていたところ、大手アパレル企業のアダストリアさんが『素敵なあの人世代』に向けたブランドを作るから、一緒にやりましょう!とお声をかけてくださったのです。それが「Utao:」(ウタオ)というブランドです。
年末に実施したコラボアイテムは、エアウールという、空気を抱え込んで暖かい、ちくちくしない毛糸を使ったタートルネックセーター。赤、ライトブルー、ピンク、ブルー、チャコールグレーの5色展開で、入荷しては完売するヒットアイテムになりました。
なぜ売れたのか、そこにはポイントとなる、明確な理由があります。
・若い人が着てもおしゃれに見えて、気分が上がるデザイン
・でも、中高年の体形悩みをカバーする工夫もしっかりある
・コーディネートがとにかく簡単、合わせるものに悩まない
・着ていてラク!
・ご近所からお出かけまで、幅広いシーンで活躍する
などなど、若い人でもほしいと思うデザインのよさを維持しながら、しっかり大人のお悩みを解決してくれるような、納得がいく仕掛けがある。そんなアイテムをみんな探しているのです。
いまの40代、50代も、自分たちが60代になったからといって、それまでのセンスがいきなり変わるわけではありません。ミセスブランドさんには、ちゃんと素敵な世界を作って、新しく大人になる世代を待っていてほしい。「シニアってこんな感じでしょ?」という想像だけで作るのも、「自分が好きなものだけを作る」という押しつけも通用しません。ぜひ、いまの60代の女性たちとしっかり向き合って、「私たちのための服なんだ」と実感できるような商品を作っていただきたいと思うのです。だって、若い人たちに、おしゃれができなくなるから年取るのはつまらない、なんて思わないでほしいじゃないですか。
さて、新しい大人世代に向けたブランドであるUtao:とのコラボはこの春も継続中。年内にファーストサンプルが上がり、みんなで試着して微調整を加えました。こんなときに役立つのが、順調にぽっちゃり化が進行している私の体形(笑)。洒落見えする、着やせする、着心地がいい。この3つのポイントがクリアできているかをメインに厳しくチェックしました。
この春お目見えするのは、60代が着ても貧相に見えない着映え力の高いTシャツとカットソー。どうぞお楽しみに!
編集長神下
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