「よくめまいや立ちくらみがする」
「顔色が悪いと言われる」
このようなお悩みのある方は、もしかしたら貧血かもしれません。
貧血を放っておくと、健康面や美容面にさまざまなダメージをもたらすこともあるため、注意が必要です。めまいだけでなく倦怠感や疲労感が続くなら、貧血が原因の可能性も……。ほかにも、貧血はからだにさまざまな影響をもたらします。
貧血を治すためには、食事などの生活習慣を見直す必要があります。
そこでこの記事では、貧血の原因や症状、改善方法についてご紹介します。自分のからだのサインを見逃さずに、早めに貧血に対処していきましょう。
あなたの心の不調の原因は鉄分不足かも? 鉄欠乏性貧血チェックリスト
貧血の原因と症状を正しくチェック!
まずは、貧血が引き起こすさまざまな症状と、貧血の原因をご紹介します。
貧血が引き起こす症状
貧血とは、血液中の赤血球(ヘモグロビン)が減少して、体内が酸欠になる状態を指します。貧血になるとからだに酸素が行き渡らなくなり、さまざまな症状を引き起こします。
貧血が引き起こす症状には、次のようなものがあります。
<貧血の症状>
・めまい、立ちくらみ
・疲労感、倦怠感
・動悸、息切れ
・顔面蒼白
・集中力の低下
・口内炎、口角炎
・眠気
・頭痛
・胸の痛み
・耳鳴り
・味覚異常
・肌荒れ
・髪のパサつき、抜け毛
さらに、鉄の欠乏によって起こる「鉄欠乏性貧血」の場合は、鉄不足によって爪の先がそり返る、就寝時に脚がむずむずして寝つけない(むずむず脚症候群)、氷が食べたくなるなどの症状があらわれることがあります。
貧血に陥る原因
貧血の主な原因のひとつに、栄養不足があげられます。とりわけ、鉄分の欠乏によって起こる「鉄欠乏性貧血」が、最も多くみられます。
また、葉酸やビタミンB12が不足することで、赤血球が増えずに貧血が起きる「巨赤芽球性(きょせきがきゅうせい)貧血」という種類もあります。
さらに、貧血はがんなどの病気によっても引き起こされることも。そのため、症状が重かったり長引いたりする場合は、早めに医療機関を受診して、貧血の原因を突き止めることが大切です。
貧血を悪化させる生活習慣とは?
次のような生活習慣は、貧血の悪化につながります。
食生活の乱れ・過度なダイエット
貧血の多くは、偏った食生活が原因といわれています。鉄欠乏性貧血は、鉄分不足や過度なダイエットが原因となることがあります。
また、巨赤芽球性貧血は、ビタミン不足のほかに、過度のアルコール摂取によっても引き起こされます。
過度なストレス
ストレスが貧血の原因になる場合もあります。過度なストレスによって食欲や胃腸のはたらきが低下すると、鉄分不足につながります。
睡眠不足
睡眠不足が貧血の原因になることもあります。理由として、睡眠不足によって鉄分の吸収が妨げられるためといわれています。
貧血のセルフケアは食事の見直しから
食生活の見直しは、貧血の改善に効果的です。次のような食生活を心がけましょう。
・バランスのいい食事を摂る
・よく噛んで食べる
・食べすぎない
・アルコールを飲みすぎない
とくに、タンパク質や鉄分、ビタミンCを積極的に摂ることが大切です。ビタミンCには鉄分の吸収を助けるはたらきがあるため、鉄分と一緒に摂るようにしましょう。
<鉄・タンパク質を多く含む食品>
牛肉やレバー、カツオなどの赤身の魚、あさり
<ビタミンCが多い食品>
緑黄色野菜・果物など
さらに、赤血球が作られるときには葉酸(ビタミンの1種)やビタミンB12などが必要になります。
<葉酸の多い食品>
レバーやほうれん草、アスパラガス、ブロッコリー、納豆など
<ビタミンB12の多い食品>
レバー、魚介類、チーズなど
また、栄養素をきちんと消化して、効率よく吸収するために、よく噛んで食べることも大切です。アルコールの過剰摂取も、貧血の改善に必要なビタミンB12・葉酸の吸収を妨げるため注意しましょう。
食べ物からだけでなく、鉄製の鍋やフライパンを使うことでも鉄分を摂取しやすくなります。忙しい方は、市販の鉄剤やビタミン剤などのサプリメントを活用するのもいいでしょう。
根本から体質改善するには漢方薬もおすすめ
貧血の改善には、貧血の治療でも使われている漢方薬を取り入れることもおすすめです。
漢方医学では、貧血は「血(けつ)」の巡りが悪い、量が不足している、栄養不足などを原因と考え、漢方薬で血を補うことで症状を改善していきます。
漢方薬には、次のようなメリットがあります。
(1) 自然由来の生薬からできていて、一般的に副作用が少ないとされている
(2) 体質改善・根本改善を目指せる
(3) 食事節制や運動などの面倒がない
漢方薬では、貧血症状の改善をはかるとともに、胃腸のはたらきを高めて鉄の吸収を助ける効果が期待できるものもあります。ただし、鉄不足そのものを解消するわけではないため、食事や鉄剤などとあわせて取り入れましょう。
実際の医療現場でも、鉄剤と併用するなどして、漢方薬が貧血治療に用いられています。
<貧血に悩む方におすすめの漢方薬>
漢方では、貧血は主に「血(けつ・血液)」が不足した「血虚(けっきょ)」の状態ととらえられ、次のような漢方薬が用いられます。
・十全大補湯(じゅうぜんだいほとう):冷え性で貧血気味、顔色が悪く、疲労・衰弱がひどい方におすすめ
「気」「血」を補い、血行をよくして貧血症状を改善し、滋養強壮が期待できます。
・四物湯(しもつとう):体力が低下して、皮膚の色つやが悪い方におすすめ
血液循環をよくして、からだを温めてくれます。皮膚を潤したり、ホルモンバランスを整える効果も期待できます。
・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):やせていて顔色の悪い、冷え性の方におすすめ
「血」の不足を補い、巡りをよくしてからだを温めてくれます。さまざまな婦人科系の病気に用いられます。
ただし、効果が認められている漢方薬でも、その人に合っているか否かが重要なポイントです。合わないものを服用すると、効果が見込めないだけでなく、副作用が起こることもあります。服用前に、漢方に詳しい医師や薬剤師等に相談するようにしましょう。
最近では、症状と体質に合った漢方薬を漢方に精通した薬剤師に選んでもらえる「あんしん漢方(オンラインAI漢方)」という、AIを活用したオンライン相談サービスも登場しているので、利用してみるのもいいでしょう。
スマホから、専門家への個別相談を気軽に申し込むことができますよ。
貧血を改善して楽しく元気な毎日を
貧血の症状は、日常生活を不安にさせるつらいものです。
貧血の改善には、まずは自分のからだのサインに気づき、ライフスタイルや食生活を見直すことが大切です。専門家に相談して、漢方薬を取り入れるのもいいでしょう。
規則正しくストレスをためない生活を心がけて、貧血の不安のない、快適な毎日を過ごしましょう。
教えてくれたのは……あんしん漢方 竹田由子
【Profile】
あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師
大学院で臨床薬学を専攻、病院で10年勤務、結婚後は調剤薬局勤務、ライターとしての活動も始める。腎機能低下を機に、月経痛への鎮痛剤使用量を漢方で減量成功した経験がある。元漢方・生薬認定薬剤師で薬膳漢方マイスター。「日常の不調はまず漢方」をモットーに生活を送る。病院時代の長いDI経験を生かし、薬の面からわかりやすくサポートしたいと考えている。
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