開発者に会いたい
『& ROSY』で連載中の「開発者に会いたい」。この秋、様々なブランドから新しいヘアケアシリーズが誕生しているなか、サロン専売ブランドを手がけるデミ コスメティクスから、サロンクオリティのホームケアがデビュー。エイジングヘアを根本から解消する、そのテクノロジーを美容ジャーナリストの加藤智一さんがデミ コスメティクス・化粧品研究部の藤井義宣さんに深ボリします。
デミ コスメティクス・化粧品研究部の藤井義宣さんにインタビュー
“髪が決まらない”はケラチン密度に要因があった
加藤(以下、加):エイジングケアである「フローディア」は、サロンに通う、お客様の声が開発のきっかけになったとか。
藤井(以下、藤):はい。エイジングヘアの悩みとしては、当初は抜け毛の悩みを想定していたのですが、お客様からは「髪が以前より扱いにくくなった」とか、「なんとなく、これまでと質感が違う」といった、言葉では表現できない変化を感じていらっしゃる方が多く。そこで、その悩みをもとに毛髪研究を続けたところ、髪の内部にあるケラチン密度のバランスが崩れることが、“なんとなく髪が決まらない”という悩みの要因であることが判明しました。
加:ケラチン密度のバランスが崩れるとは、どういうことですか?
藤:健康的な髪は、もともと水と混じりにくい“疎水性”で、その性質を保っている物質がケラチンです。ただ、年齢を重ねるとともに、髪内部のケラチン密度が低下することで、そのバランスが乱れてしまうように。すると、髪がダメージを受けやすくなってしまうのです。
加:なるほど。それで、今回採用したのが、オイルケラチンを補充するというシステムですね。
藤:はい。オイルケラチンという脂質を毛髪内部に浸透させることで、ケラチン密度を高めて、本来の疎水性に戻す、というアプローチをとりました。
加:そのオイルケラチンを毛髪内部に浸透させることが大変だったと伺いました。
藤:当初はオイルケラチンで髪をコーティングすればダメージを修復できると考えていました。しかし、それでは根本改善にはならない、と。やはり、ケラチンは浸透させなければ充分なエイジングケア効果が得られないということで、ウォーターカプセルを開発し、その中にオイルケラチンを内包しました。当社の母体が界面活性剤を扱う会社だったので、その技術を応用することで、カプセルを毛髪内部に届けることに成功しました。
加:なるほど! 界面活性剤の最新技術を応用したということですね。
藤:はい。こうすれば、オイルケラチンが毛髪内部で溶けない状態になり、定着します。シャンプーとトリートメントを使っていただくたびに、髪を疎水性へと整えていくことができるのです。
ホームケアながら、“サロン帰り”の美髪に!
加:よく分かりました。そのオイルケラチンの技術の他、さらにサロンケアの技術も応用しているそうですね。
藤:オイルケラチンもそもそもパーマやカラーを施すときの処理剤として活用していた成分ですが、さらに、ケミカルダメージを選択的に補修するシステムと、複合ダメージによるうねりやクセを補修するシステムを採用しています。いずれもサロンケアで提供しているプロフェッショナル用の技術です。
加:というと、「フローディア」を使うことでサロンクオリティのケアがホームケアで実現できる、ということですね。これはお得だし、嬉しいこと! 「自宅だとサロン帰りのような髪にならない・・・・・・」という不満も解消できそうです。
藤:ありがとうございます。今回のラインナップで目指したのは、カラーやパーマを好きなように施していた20代のころの髪質に戻すということでした。20代の髪はボリュームやツヤもありますし。フローディアをライン使いしていただければ、その髪に近づけると思います。
加:コロナ渦でマスク生活になってからというもの、肌よりも髪の状態のほうが目に残りますからね。
藤:髪にツヤがないと元気がなさそうに見えてしまいますし、逆にツヤがあってなめらかだと上品で美しい印象を与えます。髪がキレイだと見た目が見違えるので、シャンプーとトリートメントはぜひ上質な商品を選んでいただきたい。「フローディア」なら、そんな好印象な美髪に整えるお手伝いができると考えています。
お話してくれたのは・・・・・・デミ コスメティクス 化粧品研究部 藤井義宣さん
【PROFILE】
2006年に日華化学に入社。以来、商品開発を担当。フローディアはブランド立ち上げから開発を担当。エイジングケアラインは責任者として携わる。
インタビューしたのは・・・・・・美容ジャーナリスト 加藤智一
【PROFILE】
『& ROSY』でもおなじみ、美容業界歴20年超のジャーナリスト。Yahoo! ニュースのオーサーとしても活躍中。
毛髪内部のケラチン密度を整えることで、20代のころのような髪に導いていく!
エイジングヘアケアラインとしては、2種類用意。写真は、ごわついてまとまりにくくなり、扱いにくくなった髪をなめらかで健康的なツヤ髪へと整える「グランメロウ」ライン。もうひとつは、やせ細って扱いにくくなった大人髪をふわりと健康的な髪へ導く「グランストレッチ」ライン。香りにも趣向をこらしており、ストレス値を大幅に軽減する機能性アロマを採用。ハーバルフローラルの香りでバランスを整える。
サロンケアと同様のクオリティを目指したシャンプー。頭皮保護成分もふんだんに配合。頭皮の環境改善とヘアケアを同時に実現。
ケミカルダメージ補修、うねり・クセ・広がりの抑制、質感コントロール、さらに保湿も行う、高機能なヘアトリートメント。
インバスケアの後、アウトバスの頭皮ケアとして、この頭皮用美容液を塗布して仕上げを。根元からのボリューム感を演出する。
photo:TETSUYA NIIKURA [SIGNO]composition & text:TOMOICHI KATO
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