「学生時代、生理がつらく途中で休憩しないと学校に辿り着けなかった」『もっと話そう!Hello Femtech』プロジェクト Answer記事

「あなたのタブーがワクワクに変わるまで」をコンセプトに、日本国内のフェムテック市場のパイオニアとして注目を集める企業「fermata(フェルマータ)」。今回は生理にまつわる固定観念について、共同創業者であり、CCOの中村寛子さんにご自身の体験も踏まえてお話伺いました。

脂汗が出るほどの月経痛を耐えた高校時代

━━女性の体と切っても切り離せない生理の問題。多くの人が悩みを抱えているにもかかわらず「生理はつらくて当たり前」「耐え忍ぶもの」として、見過ごされてきました。中村さんご自身はいかがでしたか?

中村さん もともと10代の頃から生理が重く、特に初日に脂汗が出るほどの鈍痛がありました。高校は電車で通学していたので、学校から帰る際に駅のホームでうずくまることは何度もありましたね。鎮痛剤を常備し、それが効いてくるまでの30分間はひたすら耐え忍ぶ、という日々でした。その後、海外の大学に留学したのですが、そこで初めて低用量ピルと出合い、驚くほど楽になったんです

「つらいな、おかしいな」と思ったことに問いを持ってみる

中村さん 当時は私自身「生理は病気ではない、痛くて当たり前」という認識がありました。でも今、もし同じことで悩んでいる子がいて、少しでも自分が辛いなと思ったら、それは「当たり前ではない」と考えてほしいと思います。「フェムテック」がつらいことにどう対応していくか、ソリューションはいろいろあるのですが、一番は自分が少しでも「痛いな、つらいな、おかしいな」と思ったことに対して、問いを持ってみることが大事だと思います。

男性が多い職場で直面した生理の悩み

中村さん その後、日本に帰国し働き始めた職場は男性が多く、ランチタイムに職場を抜け、タクシーを飛ばしてクリニックで低用量ピルを処方してもらっていました。当時は、職場で生理のつらさをどう伝えていいかわからなかったんです。「生理だからつらいんですよね」という話をしてもいいということがわかっていれば、私もそうしていたと思います。しかしそれが男性の多い職場ということもあったからこそ、言っていいのかわからないという気持ちでした。

今だから思う、当時の私に伝えたいこと

中村さん 「誰かと自分を比較して戦おうとする、それはちょっと違うんじゃない?」と声をかけてあげたいですね。今言えることは、「人それぞれ身体も心も環境も違うわけだし、他人と比較することで、自分が本当になりたいと思えるものになれるのだろうか」を考えるきっかけになればと。とはいえ20代なので、「誰にも負けたくない」という気持ちがあったかと思うのですが(笑)、それを少し一拍置けばと伝えてあげたいです。

教えてくれたのは……fermata CCO 中村 寛子さん

fermata CCO 中村 寛子さん

Edinburgh Napier University 卒業後、デジタルマーケティング企業に入社。その後、女性エンパワメントを軸にジェンダー、年齢、働き方、健康の問題などまわりにある見えない障壁を多彩なセッションやワークショップを通じて解き明かすダイバーシティ推進のビジネスカンファレンス「MASHING UP」を企画プロデュース。2019年、杉本亜美奈さんと「fermata」を設立。

「フェムテックが集まるECサイトも」https://hellofermata.com/

宝島社では女性誌11誌男性誌2誌、計13誌合同によるフェムテック・フェムケア啓発プロジェクト「もっと話そう! Hello femtech」を2021年12月25日より始動しました。
フェムテックの認知度向上を通じて、女性の健康問題に係わる具体的な話題を話す機会を増やすことで、女性がより活躍できる社会に繋げ、ひいては男女関係なくヒトが生きやすい社会を目指すための活動です。

HelloFemtech 特設ページはこちら
https://fashionbox.tkj.jp/femtech

取材・文=吉田彰子

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