生理周期

30代から気をつけたい、生理不順によるトラブル【医師監修】

 

生理がいつ来るかわからない…それ、生理不順かも!?

次の生理がいつごろ来るかわかっていますか? 30代に多い生理周期の乱れ、じつは生理不順かもしれません。ホルモンバランスの乱れによるもののほか、病気が原因で起きている場合もあります。生理不順の原因や対策について、産婦人科専門医の竹元葉先生にお聞きしました。

 

ちょっとした変化に弱い、生理周期の乱れ

「生理周期とは生理が始まった日から次の生理が始まる前日までの間隔のことで、その周期は25日~38日。それに当てはまらないものを生理不順といいます。生理が始まった後、10代の頃に生理不順だった方もたいていは年齢を重ねるごとに徐々に周期が安定します。ただし、その中でも一部の方は30代になっても“生理がいつ来るかわらかない”と相談にいらっしゃいます。生理周期に影響を与えやすいのは、ストレスや多忙、急なダイエット、仕事や転居など環境の変化によるホルモンバランスが乱れ。人間はロボットではないので、毎周期ぴったり同じ日にちで出血をしなくても、コンスタントに3カ月以上空いてしまうことがなければ大きな心配がいらないことも多いです。生理はちょっとした変化に弱いんです」

 

生理不順がサインとなりえる病気とは?

大きなストレスもなく、ダイエットもしていない、生理不順になりそうな原因が思い当たらない場合、病気がひそんでいることも。生理不順がサインとなりえる病気には、「多嚢胞性(たのうほうせい)卵巣症候群」や「早発卵巣不全・早発閉経」などがあります。

多嚢胞性卵巣症候群

「卵巣内で発育が途中で止まった小さな卵胞がたくさん見られ、卵巣でうまく排卵ができない状態。10代、20代にも起こりますが、慢性的な生理不順のある30代の方でも多く見られます。排卵がうまくいかなくなると妊娠が難しくなるので、治療が必要です」

早発卵巣不全・早発閉経

「40歳未満で卵巣機能が低下して無月経となり、更年期が早くきてしまったような状態です。40代未満の1%がかかっているといわれ、この数字は決して少なくありません。妊娠を望んでいる方にとっては見逃がしたくないサインのひとつです」

 

睡眠不足はホルモンバランスを乱す原因に

生理不順の改善にはストレスを溜めずに、規則正しい生活習慣を送ることが何よりも大切です。
「予防するためには、健康的な生活を目指すことがいちばん。なかでも睡眠をしっかりとることを心がけてください。睡眠不足が続くことでホルモンバランスが乱れやすくなります」

女性にとって生理は大切な健康のバロメーター。自分の生理周期をきちんと把握して、生理不順になっていないかを確認しましょう。生理不順の状態が続くようなら、早めに受診することも大切です。

 

教えてくれたのは…sowaka women’ s health clinic  竹元 葉 院長

【PROFILE】
順天堂大学医学部卒業。産婦人科専門医/医学博士。思春期から老年期まですべてのライフステージにおける身近なかかりつけ医として「sowaka women’ s health clinic」を開院。女性医師・女性スタッフのみで診療を行う。

 

取材・文=夏目 円
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