生理痛

「えっ、もしかして……」。この痛み・症状は婦人科に行くべきサイン【医師監修】

 

生理痛、経血量の変化、不正出血……放置しないで!

毎月の生理痛がツラい、量が多い、生理でもないのに不正出血がある……など、少し不安になる症状に見舞われることはありませんか。忙しいことを理由につい気づかないふりをしてしまいがちですが、自分の体の声に耳を傾けて。婦人科に行くべき痛みや症状について、産婦人科専門医の竹元葉先生にお聞ききしました。

 

30代で起こりやすい婦人科系の病気とは?

30代になるとじわりじわりと増え始める婦人科系の病気。そのままにしておくと不妊を招いてしまうこともあるので、見逃がしてはいけません。「30代では特に、以下の3つの病気に注意が必要です」と、竹本先生。

子宮筋腫

「子宮の筋層に発症する良性の腫瘍です。頻度として多く、30代では20~30%が発症しており、大きさは人それぞれ。自覚症状がないならば、手術などをせずに経過を見ることも多いですが、筋腫があることがわかっているなら定期的に検診を受けましょう」

子宮内膜症

「発症のピークは30代前半といわれていて、月経がある方の約1割程度が患っています。子宮内膜という子宮の内側にしかあるべきでない組織が、卵巣や腹腔内など、子宮外の部位で増殖する病気で、ひどい月経痛、多量の出血、排便痛、性交痛などを伴います。また、病気の程度によっては不妊の原因になることもあるので、妊娠・出産を考える30代は見逃してはいけません。さまざざまな治療法がありますが、その時点で妊娠を考えているかによって治療のアプローチは変わってきます」

子宮頸がん

「子宮頸部の入り口(外子宮口)あたりにできるがんで、時間をゆっくりかけて増殖します。20~40代で発症することが多く、年間およそ3000人が命を落としています。自覚症状としては、不正出血があげられます。定期的な検診のほかに、がんの原因となるヒトパピローマウィルスの感染(性交渉で感染する)を防ぐために子宮頸がんワクチンを受ける方もいます」

 

病気を未然に防ぐための気づき3か条

気づき1・痛みを我慢しない

特に我慢してしまうのが生理痛。「患者さんの話を聞くと、痛みがあってもそれが普通と考えて我慢する方が多いです。日常生活に支障がある痛みや、痛み止めを飲まなければいけないほどの痛みが続く場合は、早めに受診しましょう」

気づき2・生理の周期・量を把握する

生理は女性の健康バロメーター。毎月細かくチェックするのがおすすめです。「月経不順になっていないか、生理以外のタイミングで不正出血はないか、量や色などに変化が変化がないかなどを確認してください。普段と比べて何か違うと思うなら、気軽に婦人科の受診を。小さなサインを見逃がさないためにも大切です」

気づき3・定期検診を受ける

“症状がなければ検診を受けない”ではなく、“症状がなくても検診を受ける”が正解。「自治体などで婦人科検診のクーポンなどが送られてくるので、性交渉の経験がある方は少なくても2年に1回は定期検診を行うことが重要です」

 

30代は仕事や子育てなど時間の余裕がなく、つい自分の体のことを後回しにしてしまいがちです。でも、不調やサインは自分だから気づけること。少しでも気になることがあったら放っておかずに受診しましょう。

 

教えてくれたのは…sowaka women’ s health clinic  竹元 葉 院長

【PROFILE】
順天堂大学医学部卒業。産婦人科専門医/医学博士。思春期から老年期まですべてのライフステージにおける身近なかかりつけ医として「sowaka women’ s health clinic」を開院。女性医師・女性スタッフのみで診療を行う。

 

取材・文=夏目 円
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