女性が抱える健康課題を技術や知識、サービスで解決することの総称とされるフェムテック・フェムケア。その男性版であるメンテックやオムテックという言葉も浸透してきており、いまやフェムテックは性別の垣根を越えたものになりつつある。
男性特有の健康課題であるED(勃起障害)も男性版フェムテック(メンテック・オムテック)のひとつ。相談や治療はもちろん、人への相談もためらいがちなEDの悩みを、より気軽に解決へ導くサービスが注目を集めている。
すべてオンラインでED診療が受けられる『Oops』
株式会社SQUIZが始めたオンラインED診療『Oops(以下、ウープス)』は、予約から処方まですべてのステップをオンライン化したサービス。診療後、最短で翌日に処方薬が自宅などに届くほか、処方薬は持ち運びやすいパッケージに入って届く。また、EDかどうかわからない人向けに、無料の簡易EDチェックも用意している。
■サービス利用の流れ
STEP1:LINEでウープスを友だち登録
STEP2:スマホから問診票を記入し、診察予約日時を選ぶ
STEP3:医師が電話で診察。5分程度で終わり、薬を処方
STEP4:診療後即日配送され、最短で翌日には薬がポストに届く
『ウープス』の特徴1:医師が診療する
診察と処方は医師が行う。電話で診察する際は丁寧なヒアリングを心がけ、ED薬に対する不安と向き合うように努めている。診療は無料なのも嬉しい。
『ウープス』の特徴2:国内承認薬のみを処方
取り扱っている薬は日本で製造・承認された正規薬のみ。「MILD(シアリスのジェネリック)」、「SPEED(バイアグラのジェネリック)」の2種類から、悩みや求める効能に適したものを医師が診察し決定する。どちらの薬がより適しているかを知るための「トライアルセット」も用意。
『ウープス』の特徴3:持ち運びやすいパッケージ
いい意味でピルケースらしくないポップなデザインは持ち運びやすく、カバンの中でも目立つため、使いたいときにすぐ使えるのが嬉しい。
「ウープス」の開発背景
20~30代の若年男性において、中程度以上の深刻なEDの悩みを抱えている割合は7人に1人。その数は近年増加しているといわれているが、医療機関に相談する人は少なく、ED患者全体の4.8%にとどまっている(浜松町第一クリニック・ED実態調査2019)。「ウープス」は、相談すること自体恥ずかしいという患者の気持ちを緩和し、相談しやすく手に取りやすいサービスをとスタートした。「ウープス」を運営する株式会社SQUIZ 代表の平野巴章さんに話を聞いた。
株式会社SQUIZ 代表 平野巴章さん
実は平野さんもED患者のひとり。「20歳のとき、EDによって大好きな彼女とセックスができないという経験をしました。また、『クリニックには相談しにくい』『病院に行くのは面倒だしプライドが許さない』という同年代の声も耳にし、とにかく相談しやすい場所を提供したいと、『ウープス』を立ち上げました。EDはセックスレスを生み、離婚問題や少子化問題につながるといわれています。この点で、EDは男性だけの問題ではなく、❝ふたりの話❞でもあるといえます。『ウープス』というひとつの選択肢が、多くの方の健やかな暮らしに繋がるよう、これからもサービスをより一層発展させていきたいです」
文/金山 靖