妊娠中になりやすい便秘。とくにつわりで食事が思うようにとれない、水分不足になりやすい時期に多いそうです。便秘薬の使い方や食生活、運動など生活習慣に関して、産婦人科専門医の竹元 葉先生に聞いてみました。
黄体ホルモンの増加、つわりや腹部圧迫で便秘になりやすい
妊娠するとどうして、便秘になりやすいのでしょうか?
「妊娠するとプロゲステロンという黄体ホルモンの分泌が増えて、その影響によって腸が浮腫みやすくなります。妊娠初期はつわりによって十分に食事や水分がとれなかったり、お腹が大きくなるにつれて子宮に腸が圧迫されることで動きにくくなります。つまり、妊娠中や誰しも便秘になりやすいということですね。妊娠前から便秘になりやすい方は、さらにひどくなるケースもあります」(竹元先生)
便秘の人は症状がない時も便秘薬を服用する
自然にお通じが出ない時は便秘薬に頼ってもいいですか?
「もちろんです。かかりつけの医師に相談すれば、便秘薬を処方してくれますよ。また、症状のある時にだけではなく、症状がない時も服用することで便秘を改善することができます。食事は一般的に言われているように食物繊維の豊富な食材を選び、水分を十分に摂取することが大切です」(竹元先生)
3日以上でない、硬い便、いきまないとでないなら便秘
便が何日でないと便秘でしょうか?
「3日以上でない場合は便秘です。また、いきまないとなかなかでない、便がかたいという場合も便秘の兆候です。お通じは1日1回、するんとでるのが理想ですね。規則正しい生活を心がけるのは言うまでもありませんが、便意を感じた時にすぐにトイレに行けるようにしておくことが重要です」(竹元先生)
妊娠中も腸内環境を整えることを意識しよう
「赤ちゃんは産道を通ってでてくるので、便秘に限らず腸内環境を整えることはよいことです。さきほどお話したように食物繊維が豊富な食材を使った献立を考えたり、ヨーグルトをはじめとした発酵食品をとるものいいでしょう。また、ストレッチやウォーキングなど軽い運動を習慣にすることで、腸の動きも活発になります」(竹元先生)
便秘をきっかけに食事や運動など日常生活を見直す人も多いそうなので、まずはセルフチェックからはじめましょう。とくに妊娠前から便秘になりやすかったなら、早めに医師に相談して便秘薬を処方してもらうことで、症状も軽くなります。
教えてくれたのは…sowaka women’s health clinic 竹元 葉 院長
【PROFILE】
順天堂大学医学部卒業。産婦人科専門医/医学博士。思春期から老年期まですべてのライフステージにおける身近なかかりつけ医として「sowaka women’ s health clinic」を開院。女性医師・女性スタッフのみで診療を行う。
取材・文=夏目 円
※ 画像・文章の無断転載はご遠慮ください