妊娠中、ぐっすり朝まで眠りたいのにお腹が張って眠れない!【医師監修】

お腹が大きくなるにつれてお腹の張りに悩まされる方が多いようです。なかには夜なかなか寝つけなくて悩んでいるケースも……。そこで、お腹が張る原因や対処法など、産婦人科医の三井真理先生に聞きました。

 

『皮膚が張っているからお腹が張る』は間違い

 

――お腹が大きくなるにつれて張りやすくなるようです。

妊娠後期に近づくにつれて、お腹の張りが増えます。お腹が張る原因は子宮が収縮しているからです。妊婦さんの中には皮膚が張っているだけと勘違いされる方がいますが、そうではありません。(三井先生)

――どんな時にお腹が張りやすいですか?

日中たくさん歩いたり、ずっと動いたり、お腹に何らかの負担がかかったときや身体が疲れたときに張りやすくなります。とくに疲れを感じる夕方から夜になると張り感じやすくなります。(三井先生)

 

夜、ホットミルクを飲んでリラックス

 

――お腹が張ったときの対処法を教えてください。

とにかく休みましょう。目安としては1時間に1回、座る、もしくは横になります。できるなら少し昼寝をするのもいいですね。(三井先生)

――お腹が張って眠れないときはどうすればいいですか?

出血や痛みを伴わず、様子をみることができる場合は、腰や背中にクッションをあてたり、寝具を変えるなどして睡眠環境を工夫したり、妊婦さんでも使用可能なアロマを利用したり、ホットミルクを飲むのもおすすめですよ。ご自分に合う“眠るためのルーティン”を作ってみるのもいいですね。ただし、いつもと違う症状の場合は、速やかにかかりつけ医に相談してください。(三井先生)

 

睡眠は「時間」よりも「質」を心がけて

 

――理想的な睡眠時間はありますか?

睡眠時間の長さよりもどれだけぐっすり熟睡できたか=質のいい睡眠ができたかのほうが大切。たとえ4~5時間程度の睡眠だったとしても、翌朝めざめたとき、すっきり気持ちよく起きられればOKです。また、妊娠後期になると眠りづらくなるのはホルモンの影響もあります。出産後、赤ちゃんを育てるために2、3時間おきに起きることになりますから、その生活を乗り越えていけるように身体が準備している時期でもありますから。(三井先生)

 

妊娠後期になって、ある程度お腹が張るのは許容範囲ですし、眠れないこともしばしばあるようです。日中の生活リズムを見直したり、睡眠環境を整えるなどして工夫することで、いい眠りを誘えるはず!

 

教えてくれたのは…国立研究開発法人 国立成育医療研究センター 周産期・母性診療センター 不育診療科 診療部長 三井真理先生

【PROFILE】日本大学大学院医学研究科博士課程修了。医学博士。日本周産期・新生児医学会認定 周産期(母体・胎児)専門医・指導医。日本産婦人科学会認定 産婦人科専門医・指導医。

取材・文=夏目 円
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