地域の特産品が返礼品としてもらえることで有名な「ふるさと納税」。賢い人はすでに利用をしていますが、実はよくわかっていない人もいるのではないでしょうか。梅田泰宏さんがふるさと納税について教えてくださいました。
教えてくれたのはこの方
梅田泰宏さん
公認会計士、税理士。中央大学卒業後、大手監査法人に入社。1983年に梅田公認会計士事務所を設立。企業における幅広いコンサルティング活動を精力的に行う。2004年に社会保険労務士、司法書士との合同事務所「キャッスルロック・パートナーズ」を設立。『経費で落ちるレシート・落ちないレシート』(日本実業出版社)、『これだけは知っておきたい「税金」のしくみとルール 改訂新版5版』(フォレスト出版)など著書多数。
ふるさと納税の制度
ふるさと納税とは、一定の範囲内であれば自分の住所地以外の地域にも納税できる制度のこと。納税先は、かつて住んでいた出身地はもちろん、自分が応援したい場所など、さまざまな地域から選ぶことができます。
そもそも、住民税の徴収は、自分が住んでいる地域の自治体が行います。そのため、人口が多い地域ほど税収が増え、少ない地域ほど税収が減ってしまいます。また、地方で育ち都市部で就職した人は、子どもの頃は地元の行政サービスを受けたのに、大人になると都市部で住民税を納めることに。これでは、都市部と地方部における税収の差がますます大きくなるばかりです。
さらに、少子高齢化の日本では地方の過疎化が進む一方、都市部の人口はどんどん増える傾向にあります。こうした状態を少しでも改善するために設けられたのが、ふるさと納税なのです。
手続きは簡単。まず、納税したい自治体を選び、寄付をします。そして確定申告をすると2000円(所得税の寄付金控除の下限)を超える部分について、通常の所得税と住民税の寄付金控除に加えて、住民税の特例控除が受けられます。寄付先が5自治体までなら、確定申告の必要がないワンストップ特例制度を利用できるので便利です。
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ふるさと納税のやり方
STEP 1:寄付する金額を決める
寄付する金額は、控除上限額以内なら、2000円の自己負担分以外すべて所得税や住民税から還付・控除を受けられます。ただし、控除上限額は家族構成や年収により異なるため、まずは自分の上限額をチェックしましょう。
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STEP 2:寄付先や返礼品を選ぶ
ふるさと納税の楽しみの一つが返礼品。最近は豪華さよりも、地域ならではの珍しい食べ物や商品など、各地域で工夫を凝らした返礼品が目立つようになりました。関連サイトをチェックして、寄付先を決めましょう。
STEP 3:寄付金を支払う
寄付金を支払うと、寄付した自治体から返礼品と、寄付金の領収書「寄付金受領証明書」が届きます。証明書は確定申告のときに必要になるので、大切に保管しておきましょう。
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自己負担が2000円で済む寄付金上限額の目安
控除上限額は、上記の表で目安となる金額を確認できるほか、総務省のサイトでもシミュレーションできる。
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(抜粋)
TJ MOOK『お金の不安をなくす本』
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監修:梅田泰宏、西山美紀、松浦建二、松岡賢治、松方ヒロ
執筆・編集/山口佐知子、西山美紀、松岡賢治、松浦建二、木村 敬、松方ヒロ
イラスト/大野文彰(大野デザイン事務所)、水谷慶大、achaca
編集/FASHION BOX
(TJ MOOK『お金の不安をなくす本』)
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