立地や条件など経済的に恵まれているとはいえないフィンランド。それでも女性の幸福度が高いのは、育児制度が整い、復職か子育てか、女性が人生を選べる仕組みにありました。
教えてくれたのは……
堀内都喜子さん
長野県生まれ。大学卒業後、日本語教師等を経て、フィンランド・ユヴァスキュラ大学大学院に留学。異文化コミュニケーションを学び、修士号を取得。2013年よりフィンランド大使館広報部に勤務。
『フィンランド 豊かさのメソッド』集英社新書
人口550万人の北欧の小国であるフィンランドの豊かさを、さまざまなエビデンスや自身の現地留学での体験から読み解いた一冊。「ほっこり」だけではない、骨太なフィンランドの一面に出合えます。
フィンランドの育児制度が整っている理由
フィンランドは総人口がわずか550万人。できる限りひとりひとりの生産性を上げて、よき納税者(きちんと働いてお金を納めてくれる人)を育てていかないと、国が成り立たないという背景があります。育児制度が整い、女性の就業率が高いのも基本的には同じ理由で、働き手が多いほど国は豊かになるから。
出産前後の社会保障
Aの「母親休業」は産前産後の105日取ることができます。
Bの「父親休業」は、父親の育児を推進するためにできた制度だそう。
Cの「親休業」は父親か母親のどちらか、もしくは両方取得できる休業(双子延長あり)。AとBとは別に取得できる制度です。
働く女性にうれしい「在宅保育支援制度」
一方で、「在宅保育支援制度」(図D)は北欧諸国の中でもフィンランドにしか残っていない制度です。子どもが3歳になるまで、自宅で保育する家族に、国・自治体からそれぞれ手当てが支払われ、さらに復職したときに前のポジションに戻ることが定められています。ただ、国や自治体から手当ては出ますが(給料に応じて金額に違いあり)、所得の7割を保障してくれる手当ては約1年で切れてしまうので、バリバリ働きたい人は生後1年ぐらいで復職します。でも、子どもと一緒にいたい人への選択肢も残されています。フィンランドの女性たちも「自分で選んだから」という自負があり、それが人生への満足度につながるのかなと思います。けれどもフィンランドでは、効率が悪い人はどんどん切られるので、のんびり働いているわけではありません。私の友人は「こんなに大変な思いをして働いているのに、日本人に“必死に働かなくてよい国”と思われているのが悔やしい!」と嘆いていました(笑)。
(リンネル編集部)
illustration: Tomoko Shinozuka
text: リンネル編集部, P.M.A.Tryangle
edit: FASHION BOX, P.M.A.Tryangle
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