理想のボディを目指して筋トレに励みたいけれど、仕事で忙しくてなかなか時間が取れない……という方も多いのでは? だけどあきらめるのはまだ早い! “筋肥大”の決め手は、どうやらトレーニングの頻度ではないようです。限られた時間でも効率的に筋肉量を増やせるその理由を、理学療法士・トレーナーの庵野拓将先生に伺いました。
≪目次≫
●“筋肥大”の決め手は筋トレの頻度じゃない!?
●“筋肥大”のポイントは 「総負荷量」
●教えてくれたのは……
“筋肥大”の決め手は筋トレの頻度じゃない!?
筋トレは、週に何回行うのが効率的なのでしょうか?
筋肉には疲労回復の期間が必要と考えられていることから、1日あけて週3回、2日あけて週2回と間隔をあけて行ったり、あるいは、気にすることなく毎日行ったりと、トレーニング頻度は、人によってさまざまに設定されているようです。
筋肥大の決め手となるのが、「総負荷量」であることは前記(“筋肥大”には「総負荷量」を高めるべし! 効果的な筋トレの秘訣)しました。総負荷量は、「トレーニング強度×重量×回数×セット数」で導き出されます。
では、週単位の総負荷量も筋肥大の効果に影響するのでしょうか?
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“筋肥大”のポイントは 「総負荷量」
2018年に米国のオクラホマ州立大学で次のような実験が行われました。
トレーニング経験者を集めて2つのグループに分け、スクワット、ベンチプレス、デッドリフトを行わせました。Aグループは週3回、Bグループは週6回の筋トレを行います。ただし、両グループともに週単位の総負荷量は同じに設定しています。
〈Aグループ〉
総負荷量=10キロ×10回×2セット×週3回 =600キロ。
〈Bグループ〉
総負荷量=10キロ×10回×1セット×週6回 =600キロ。
これを6週間継続し、トレーニング前後の筋肉量を計測した結果、両グループに属した被験者の筋肉量の増加には、ほとんど差が認められませんでした。このことから、筋肥大の効果は、筋トレを週に何回行うかではなく、週単位の総負荷量で決まる。つまり、週単位の総負荷量が同じであれば、週に3回でも6回でも効果に違いがないことが導き出されたのです。
多くの人は、仕事などで日々忙しく過ごすなかで筋トレに勤しんでいます。思うようにトレーニング時間が割けないこともあるでしょうから、時間を有効に活用する必要があります。週に何回筋トレを行うかではなく、週単位の総負荷量を決めてスケジュールを立てることが得策です。
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●教えてくれたのは……
理学療法士・トレーナー、博士(医学)
庵野拓将(あんの・たくまさ)先生
【Profile】
大学院修了後、大学病院のリハビリセンターに勤務。怪我や病気を患った人々からアスリートに至るまで、これまで延べ6万人に肉体づくりを指導してきた。大学病院においては、世界最先端の研究成果をトレーニング現場にフィードバックすべく、研究発表、論文執筆にも精力的に取り組んでいる。筋トレ、スポーツ栄養学をはじめとする最新の研究報告を紹介するブログ「リハビリmemo」主宰。著書に『科学的に正しい筋トレ 最強の教科書』(KADOKAWA)がある。
ブログ :「リハビリmemo」
ツイッター:「庵野拓将 @takumasa39」
(抜粋)
書籍『これが世界標準! 科学が証明した最強の筋トレ』
監修:庵野拓将
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構成:近藤隆夫
編集協力:SLAM JAM、廣井章乃、村中崇
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WEB編集:FASHION BOX、株式会社エクスライト