「繊細な人」は4つの特性を持っている

生きづらさ解消のヒント!? 「繊細な人」に見られる4つの特性「DOES」を解説|医師監修

人の目や周囲の評価を過剰に気にしてしまい、そんな自分に生きづらさを感じている方もいることでしょう。実はそうした生きづらさの根っこにあるのは、ある4つの特性だと言われています。繊細な人が持ち合わせているというこの4つの特性は、複雑に絡み合うことで悩みの種を生み出します。

しかし、それらの特性をきちんと理解することで生きづらさの改善につながることをご存じでしょうか。自分をきちんと見つめることが、生きづらさ解消のヒントになるかもしれません。

≪目次≫
●4つの特性「DOES」は「繊細な人」の悩みの根幹になっている
●「DOES」とはこんな特性
●「DOES」はうまく生かせば、ほかの人よりも秀でた才能になる
●4つの特性の強弱には個人差がある
●教えてくれたのは……

 

4つの特性「DOES」は「繊細な人」の悩みの根幹になっている

繊細な人が必ず持っている4つの特性「DOES」は、すべての繊細さの源。
悩みも生み出しますが、使い方次第で長所にもなり得ます。

4つの特性「DOES」は「繊細な人」の悩みの根幹になっている

「DOES」とはこんな特性

基本的に、4つの特性は連動して働きますが、どれか一つの特性が突出して色濃く出る場合もあります。

Depth of processing

考え方が複雑で、深く考えてから行動する

繊細ではない人と同じものを見ても、より多くのことを感じ、深く徹底的に情報として処理します。物事の本質を見抜く半面、考えすぎて仕事が遅い原因にもなります。

Overstimulation

刺激に敏感で疲れやすい

刺激を過剰に受けやすいため、多くの刺激によって神経が高ぶります。騒々しい場所や、人混み、パーティなど、刺激と情報にあふれた場所にいると心身ともに疲れます。

Empathy and emotional responsiveness

人の気持ちに振り回されやすく、共感しやすい

他者に起きたことを自分に起きたことのように感じる神経「ミラーニューロン」の働きが活発で、他者の感情の浮き沈みに敏感。いち早く周りの人が抱えている感情に気づきます。

Sensitivity to subtleties

あらゆる感覚が鋭い

五感が敏感に働くため、ちょっとした物音やきつすぎる香水のにおいなどが気になります。第六感も鋭く、直感力も高いので、物事の些細(ささい)な変化も見逃しません。

 

「DOES」はうまく生かせばほかの人よりも秀でた才能になる

HSPの名づけ親であるアーロン博士によると、先述のとおり、繊細な人には「DOES」と名づけた4つの特性があるといいます。これは、英語で表した4つの特性の頭文字を取ったもので、「ダズ」と読みます。

「DOES」は連動し合って、HSPの繊細さのもとになっています。いわば、悩みの根源であるといってもいいでしょう。一方で「DOES」は欠点にもなりますが、うまく生かすことができれば、ほかの人よりも秀でた才能になるといえます。5人に1人の特殊な能力を持っているとわかれば、それをプラスに生かさない手はありません。

人によっては、「DOES」から生まれる悩みに対して自分なりに工夫して上手に折り合いをつけていたり、試行錯誤(しこうさくご)を重ねながら「DOES」を自分の才能としてポジティブに活用したりしています。

彼らは、自分自身の特性である「DOES」を理解したからこそ、折り合いをつけたり、強みに変えることに成功しました。

このことからも、繊細な人の悩みの克服には、「DOES」を深く理解していくことが第一歩といえます。

 

4つの特性の強弱には個人差がある

アーロン博士は、「DOES」のうち、「1つでも当てはまらないものがあればHSPではない」と定義しています。

たとえば、4つのうち3つが当てはまっていたとしても、1つは当てはまらないと感じるなら、HSPではないということになります。

HSPは良くも悪くも環境に影響を受けやすいため、その人が置かれた環境によって、4つの特性の強弱には個人差があり、悩みの重症度も人それぞれです。巻頭のチェックテストでHSPにあてはまらないと判定を受けたとしても、環境などによって繊細な特性が薄まった可能性もあるため一概にHSPではないと否定はできません。

ただ、そこまで深く悩んでいないのであれば、自分にHSPのレッテルを貼ったり、繊細さを意識しすぎないということも大切です。


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教えてくれたのは……

新宿ストレスクリニック 名古屋院院長
本 将昂(もと・まさたか)先生

本院長プロフィール写真

【Profile】
精神保健指定医。日本精神神経学会認定精神科専門医。
2011年、京都大学医学部卒業。京都大学医学部附属病院精神神経科、大阪赤十字病院精神神経科、関西青少年サナトリューム、新宿ストレスクリニック 梅田院勤務を経て、2018年8月より新宿ストレスクリニック 名古屋院院長に就任。患者一人一人の悩みと向き合うていねいなカウンセリングと診療に定評がある。
新宿ストレスクリニック
新宿ストレスクリニック 名古屋院

(抜粋)
TJ MOOK『「繊細な人」の心がすーっと楽になるヒント』 監修:本 将昴
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構成・文 大橋美貴子
イラスト モリナオミ
編集 入江弘子
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください
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