心から自分を愛せるようになろう

「繊細すぎる人」が自分を愛せない理由は? 不器用さを精神科医が解説

繊細であるがために周囲を気にして、自分らしさを愛せずにいる方も少なくないでしょう。しかし、それが悪いことであるかと言えばそうではありません。繊細な人が自分を愛し、楽に生きるためにはありのままの自分を受け入れることが大切です。

ではなぜ、繊細な人は自分のことを愛することが苦手なのでしょうか。繊細がゆえに生じる心の不器用さについて解説します。

≪目次≫
●繊細すぎるとなぜ自分を愛せなくなるの?
●自分の強みを生かすには自尊心の底上げが必要
●自分を愛する源になる自尊心について知ろう!
●自分も他人も尊重できる自尊心を手に入れよう
●教えてくれたのは……

 

繊細すぎるとなぜ自分を愛せなくなるの?

繊細な気質が影響して幼少時からネガティブな経験が多く、自分に負のレッテルを貼ってしまう

繊細すぎるとなぜ自分を愛せなくなるの?

・両親を困惑させた
・環境になじめない
・自分はトラブルの元凶と思い込んできた
・誰かが不幸になるのは自分のせい
・兄弟・姉妹間で公平に扱われなかった
・いじめられていた
・集団の中に入ると「変わった子」として扱われる

自分は愛される価値があると信じる気持ちが弱くなる

自尊心が低くなる

 

自分の強みを生かすには自尊心の底上げが必要

繊細な人は、すばらしい能力を持っているのに、多くの場合、自分に否定的でネガティブです。それはどうしてなのでしょう。

繊細な人は、その気質が原因で、子どもの頃から「あなたは変わっている」「どうして普通にできないの?」など、否定的な言葉を親からかけられてきたという経験をしている人が多いようです。
学校生活の中でも集団になじめず、すぐに集団に圧倒されて保健室にこもってしまうようなこともあるため、同級生から「変わった人」という扱いを受けてきた人も少なくありません。

親に否定されたり、集団からのけ者にされた経験を重ねると、自分の価値を自分で認めたり、自分を愛する源となる自尊心が低いまま大人になります。すると自分を否定したり、自分の存在をネガティブにとらえるようになってしまうのです。自分の強みを生かせるようになるには、下がってしまった自尊心を底上げする必要があります。


犬山紙子が絶賛!“自尊心の筋トレ10訓”が全部刺さる!!

 

自分を愛する源になる自尊心について知ろう!

自分を愛する源になる自尊心について知ろう!

自尊心

自分のことを無条件で大切だと感じること

自尊心は2つの要素でできている

自己有用感

他人から評価されることで自分を認めること

繊細な人は自己有用感を高めて、自尊心の低さを補おうとする

他人から認められたいあまり、自分を犠牲にしてでも他人を優先してしまう。こちらばかりを磨いても自尊心の低さは埋まらない

自己肯定感

自分で自分を評価して自分を認めること

繊細な人は、 自分自身を評価することができず、自分の価値を認められない

自己肯定感を高めれば自分を大切に思い、愛せるようになる。しかし、高すぎると自己中心的になってしまう

↓↓

\2つのバランスが保たれることで確固たる自信も生まれ、自分も愛せるようになる/

 

自分も他人も尊重できる自尊心を手に入れよう

自尊心とは、読んで字のごとく、自分を尊重して自分を認め、自分の存在を肯定する土台となるものです。自尊心が高ければ、必然的に自分のことを無条件に愛せるようになります。

自尊心が高いと聞くと、いわゆる「自分好き」を想像する人もいるでしょう。「自分好き」というと「自分だけがかわいくて、自分さえよければいい」というイメージですが、本当の意味で自尊心が高いというのは、自分だけでなく他人も尊重できるということ。「自分だけがよければいい」という人は、自尊心が高いのではなく、ただの尊大な人です。

上の図で説明したように、自尊心は2つの要素でできています。「自己肯定感」が強すぎれば尊大な「自分好き」になりますし、「自己有用感」が強すぎれば、他人の評価ばかりを気にするようになってしまいます。ちょうどいい自尊心を手に入れるには、この2つのバランスが重要です。自己有用感の強い状態は、繊細な人の特性と重なります。繊細な人は、もうすでに他人を尊重するという感覚は持っているということです。

つまり、繊細な人は自己有用感を少し下げて、そのぶん自己肯定感を高めれば、ちょうどいい自尊心を手に入れられるようになるのです。


幸せになりたい? 自己肯定感チェックリストでわかる今やるべきこと

イケメン副住職に学ぶ! 日常の不安を吹き飛ばす“座禅”のやり方

教えてくれたのは……

新宿ストレスクリニック 名古屋院院長
本 将昂(もと・まさたか)先生

本院長プロフィール写真

【Profile】
精神保健指定医。日本精神神経学会認定精神科専門医。
2011年、京都大学医学部卒業。京都大学医学部附属病院精神神経科、大阪赤十字病院精神神経科、関西青少年サナトリューム、新宿ストレスクリニック 梅田院勤務を経て、2018年8月より新宿ストレスクリニック 名古屋院院長に就任。患者一人一人の悩みと向き合うていねいなカウンセリングと診療に定評がある。
新宿ストレスクリニック
新宿ストレスクリニック 名古屋院

(抜粋)
TJ MOOK『「繊細な人」の心がすーっと楽になるヒント』 監修:本 将昴
TJ MOOK『「繊細な人」の心がすーっと楽になるヒント』
監修:本 将昂

TJ MOOK『「繊細な人」の心がすーっと楽になるヒント』をAmazonでチェック

構成・文 大橋美貴子
イラスト モリナオミ
編集 入江弘子
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください
WEB編集 FASHION BOX

RELATED CONTENTS

関連コンテンツ