<少し立ち止まったときに読む本>
情報過多な現代社会にちょっと疲れたら、活字をじっくり読む時間が必要なんじゃない? 美しい文体とヒリヒリするような生の感情に浸ることのできる、女性作家の珠玉の作品達。
≪スウィート編集部がオススメしました!≫
編集A:今年40の大台に乗った事実を受け止めきれない自立できない大人。
編集Y:30代半ば、子育てと仕事に奮闘する日々を送るカルチャーガール。
編集B:小説やマンガが大好きな、30代半ばの眼鏡美人。趣味が知的。
編集O:編集部最年少の26歳。韓国ファッションと文化が大好物。
『三つ編み』
インド、不可触民のスミタ、イタリア、倒産寸前の会社を任されたジュリア、カナダ、癌の告知を受けたシングルマザーのサラ。理不尽で残酷な境遇と闘う、国も境遇も違う3人の女性達の人生が、髪をたどって交差する物語。
レティシア・コロンバニ著、齋藤可津子 訳(早川書房)
\編集Aがオススメ!/
フランスで120万部を突破した話題の小説。詩のように美しい言葉で紡がれる、ときに苦しいストーリーに心を揺さぶられます。
『流れる』
没落しかかった芸者置屋に住み込みで働く梨花の目を通じて華やかに見える花柳界の裏にある悲しみを描く。
幸田 文 著(新潮文庫)
\編集Bがオススメ!/
ざわざわ、きんきん、ぴしゃん。ひらがなの使い方が美しい。女ってずるいな~と思うけど自分の中にも同じモノがあると気づいて。
『私は私のままで生きることにした』
イラストレーターとしても活躍する韓国の女性作家による指南本。前向きに生きるヒントがたくさん。
キム・スヒョン 著、吉川 南 訳(ワニブックス)
\編集Oがオススメ!/
この本を読んで他人の目をいちいち気にして生きなくていいんだと思えたし、もっと自分のことを大切にしようと思えた一冊でした。
『あのこは貴族』
境遇の異なるアラサー女子が巡り合う傑作長編。『ここは退屈迎えに来て』に続き、映画化が決定。
山内マリコ 著(集英社文庫)
\編集Aがオススメ!/
東京生まれの箱入り娘と地方出身のOL、同じ男性をきっかけに知り合う2人。女子の生きにくさとたくましさにグッとくる。
『ホリー・ガーデン』
高校まで同じ女子校に通っていた果歩と静江。辛い恋の経験を持つ2人に、新たな出会いと変化が生まれる。
江國香織 著(新潮社)
\編集Bがオススメ!/
女同士って不思議。男の人にしか埋められない部分もあるけど女でないと分かり合えない気持ちもあって。女友達は偉大です。
『82年生まれ、キム・ジヨン』
韓国フェミニズム文学を代表する話題作。1982年に韓国で生まれた女のコに一番多い名前、キム・ジヨンの半生を淡々と述べながら浮かび上がる女性として生きていくこと。K-POPアイドルも次々に読んでいる、と発言し韓国では社会現象に。
チョ・ナムジュ 著、斎藤真理子 訳(筑摩書房)
\編集Bがオススメ!/
韓国女性の現状をこれほどまでに生々しく、知る機会はありませんでした。俯瞰的な文体のおかげで軽やかに読破できます。
『レズってAVとか百合マンガみたいな世界じゃございません』
元人気No.1のレズ風俗嬢である著者が自らの過去の体験や、家族のこと、根強い偏見について赤裸々に語る。
ゆづき 著(主婦の友社)
\編集Aがオススメ!/
作者が自らのセクシュアリティに気づく過程がリアル。様々な経験を経て、自分を殺さず強く生きる姿にエールを送りたい!
『死にたいけどトッポッキは食べたい』
日韓累計で50万部を突破のベストセラー。気分変調症を持ち、精神科にかかる著者の治療記録。
ペク・セヒ 著、山口ミル 訳(光文社)
\編集Oがオススメ!/
全てではないけれど、著者の悩みに共感できる部分がいくつかあり、自分の悩みを聞いてもらっているような不思議な感覚になりました。
『さがしもの』
おばあちゃんに頼まれた幻の一冊を探す少女を描く表題作の他、本にまつわる短編を集めたオムニバス。
角田光代 著(新潮文庫)
\編集Aがオススメ!/
本をテーマにした色とりどりの作品達。ファンタスティックな世界観と本に対する愛に触れて、読後は何ともいえない幸せな気分に。
『蜜蜂と遠雷』
第156回直木賞を受賞し、映画化もされた大ヒット作。ピアノコンクールを舞台に、才能が交錯する青春群像劇。
恩田 陸 著(幻冬舎)
\編集Yがオススメ!/
まさに青春、という言葉にふさわしいドラマと音楽的な世界観にうっとり。
『可愛い戦争から離脱します』
「あれ? 私ってこんなにブスだったっけ」。顔で全てが決まる世界から離脱した作者の体験を綴る。
整形アイドル轟ちゃん 著(幻冬舎)
\編集Oがオススメ!/
YouTuberとして活躍する作者が「まだ整形する前の自分に読ませたい本」というテーマで書いたそう。リアルな描写に驚き。
『小春日和(インディアン・サマー)』
小説家のおばと同居することになった女子大生の桃子。個性的な大人に囲まれた少女の自立の物語。
金井美恵子 著(河出書房新社)
\編集Aがオススメ!/
コンサバティブじゃない青春物語。主人公の桃子が母親のことを“おふくろ”って呼ぶこじらせ具合にゾクゾクする……!
『キッチン』
祖母の死によって一人きりになってしまった大学生、桜井みかげの心の再生と成長を描く短編集。
吉本ばなな 著(新潮文庫)
\編集Bがオススメ!/
冒頭の一文から物語の世界にかっさらわれる稀有な一冊。何回読んでも新しい発見が。孤独をどう味方につけるかは人生の課題ですね。
『夜が明けたら 蒼井そら』
絶望の果てに必ず待っている朝。日本一有名な元AV女優、蒼井そらの実体験に基づくフィクション。
藤原亜姫 著(主婦の友社)
\編集Aがオススメ!/
一人の女性が夜を乗り切り、家族を作ることを決める、その重さに感動。フォトグラファーMARCOさんによるカバー写真も◎。
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photo_MAYA KAJITA[e7]
(sweet 2020年10月号)
web edit/FASHION BOX, AYAKI ANDO [vivace]