「健康的なからだづくりには、血糖値をコントロールすることが大切」
そんな説をよく耳にしますが、なぜ血糖値をコントロールしなければいけないのか、血糖値がどのようにダイエットと関係しているのか、みなさんはご存じですか?
今回は、「血糖値コントロールとダイエットの関係」や「血糖値を考慮した太りにくい食事法」などをご紹介します。
朝食をしっかり食べて痩せる!医師が薦める最新食事法「インシュリンコントロールダイエット」とは?
ダイエットのポイントは血糖値の急激な上昇を抑えること
ここではまず、血糖値のしくみを解説していきます。
血糖値とは?
血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖(グルコース)の濃度のことで、1dL(100cc) の血液中に何mg のブドウ糖が含まれるかを表しています。血糖値は食事によって変化します(通常、空腹時の血糖値は約70~100mg/dLの範囲といわれています)。
糖分は血液によって全身に運ばれ、からだのエネルギー源として重要な役割を果たしています。血糖値が必要以上に低くなった状態を低血糖、反対に血糖値が下がらず高いままの状態が続くことを高血糖と呼びます。
低血糖や高血糖の状態が続くと、さまざまな病気を発症する危険が高まるとされています。
血糖値とからだの関係
血糖値は食前・食後で変動しますが、このとき、インスリンとグルカゴンというホルモンが血糖コントロールに重要な働きをしているといわれています。
食事を摂ると、食べ物に含まれる糖分が全身に送られ、30分~1時間ほどかけて血糖値が上昇していきます。すると、血糖値を下げるために膵臓からインスリンが分泌され、通常は2時間もすれば食事前の値に戻ります。
インスリンはこの時、エネルギーとして消費しきれなかった血液中の糖分をグリコーゲンや中性脂肪に変換します。そして、それらは肝臓・筋肉・脂肪細胞に溜め込まれるしくみとなっています。
つまり、血糖値が急上昇するような状態や血糖値が常に高い状態を放っておくと、インスリンの急激な分泌を促してしまい、からだが脂肪を溜め込みやすくなってしまうというわけです。
一方、空腹時は血糖値が下がります。血糖値が下がると、今度は膵臓からグルカゴンが分泌され、肝臓などに貯蔵されたグリコーゲンを糖分に分解し、血糖値を正常に戻します。
ダイエットなどで糖質制限を続けると、日頃から血糖値が下がっている状態が続くため、血糖値を下げるからだの機能が低下していきます。結果、食後やダイエットが終わった後に血糖値が高くなりやすくなり、リバウンドしやすい体質になってしまうのです。
また、血糖値の急激な変動は、眠気やイライラにつながり、精神を不安定にすることがあります。
このように、血糖値は高くても低くても心身ともに悪循環を招いてしまいます。ですので、ダイエットする際には食事量を徐々に減らすようにし、血糖値の乱高下をなるべくなくすことが大切です。
血糖値コントロールでダイエット
次に、食事法によって血糖値をコントロールするポイントをご紹介します。
急激な血糖上昇を防ぐ食事ポイント
ダイエットを成功させるためには、急激に血糖値を上げないことがポイントです。
以下に、血糖コントロールするための食事ポイントを2 つ示します。
食事の順番「ベジファースト」
食事の際は、まず初めに野菜などの食物繊維を食べましょう。食物繊維は糖の吸収を緩やかにするため、ダイエットだけでなく糖尿病防止にもつながります。
理想的な順番:食物繊維(野菜) →タンパク質(肉・魚) →炭水化物(米・パン)
朝食で1口40回噛む
「よく噛んで食事をする」ことは、血糖コントロールのためには大切です。その中でも、とくに朝食時、1口40回噛むことが血糖値の上昇を抑えると最近の研究で明らかになっています(*1)。
この研究では咀嚼運動の強化による血糖値の調節作用が1日の中で異なり、朝食で咀嚼を強化すると血糖値を下げるインスリンの初期分泌が促されると報告されています。
ほかにも、よく噛んで食べることで食欲コントロールや食後の代謝アップ、腸内環境の改善など、さまざまな効果があるといわれます。まずは20~30回の咀嚼を目標に、実践してみてください。
(*1)https://www.jstage.jst.go.jp/article/tjem/249/3/249_193/_article/-char/ja
食物繊維で血糖値コントロール
食物繊維には不溶性と水溶性のものがあり、これらをバランスよく摂ることで、食後の血糖値の上昇を緩やかにするほか、善玉菌が増えて腸内環境が改善され、ダイエットにつながります。
とくに、水溶性食物繊維は糖の吸収を遅らせて血糖値の上昇を抑える働きがあります。理想的な摂取割合は「不溶性:水溶性=2:1」といわれています。
・不溶性食物繊維
腸内で水分を吸収し便をかさ増しして、腸の蠕動(ぜんどう)運動を促します。
例)穀類、豆類、さつまいも、ごぼう
・水溶性食物繊維
水に溶けると粘りのある形状になり、胃腸内をゆっくり移動します。そのため、急激な糖の吸収を抑え、有害物質などを吸着し便として排出してくれます。
また、腸内細菌のエサとなり善玉菌を増やす働きがあります。
例)海藻類、こんにゃく、リンゴ、バナナ
食後の運動
先程お話ししましたが、食後は30分~1時間ほどかけて血糖値が上昇していきます。そのため、血糖値が上昇する時間帯(食後30分~1時間)に合わせて運動することで、糖質や脂質がエネルギーとして消費され、脂肪を溜め込まないからだを効率よくめざすことができます。
運動が好きな人は、スクワットやプランク、ヒップリフトなどの筋トレや、20分以上のランニングがオススメです。
運動が苦手な人は、「早歩き&ゆっくり歩き」から始めましょう。
ウォーキングをするときのポイントは「同じ速さで歩き続けないこと」です。早歩きとゆっくり歩きを3分間ごとに交互に行いましょう。
毎日コツコツ続けることで、血糖値だけでなく体重・ 体脂肪量も減ったというデータも報告されています。
ご自身に合った無理のない運動を心がけましょう。
ダイエットをサポートする漢方薬
「食事や運動だけで痩せられるか心配……」
「リバウンドしない体質になりたい」
そんなお悩みをお持ちの方におすすめなのが、漢方薬です。
漢方薬で根本的に体質を改善すれば、血糖コントロールしやすいからだをめざせます。
漢方薬は「水太り」、「肥満体質」といったさまざまな症状へのダイエット効果が認められており、病院での治療にも活用されています。自然の生薬を組み合わせているため、一般的には西洋薬よりも副作用が少ないといわれており、体質に合っていれば高い効果を得られます。
「ダイエットのために健康的な食事や運動を毎日続けるのは大変……」という方でも、漢方薬なら自分の症状や体質に合うものを毎日飲み続けるだけなので、気軽に継続できますね。
痩せにくい体質にお悩みの方も、ダイエットのサポートとして、生活に漢方医学を取り入れてみてはいかがでしょうか。
<ダイエットをサポートする漢方薬>
・防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん): 便秘気味でぽっこりお腹が気になる方
脂肪代謝を促してお腹まわりの脂肪を分解・燃焼するだけでなく、脂質の吸収を抑制し体内に溜まった不要物を便と共に外へ排泄してくれます。
・大柴胡湯(だいさいことう): ストレスで食欲が増して脇腹あたりが張る方
胸のつかえ感やストレスを軽減させ、気分や食欲を落ち着かせます。また、体内の余分な熱を取り除くため、からだの巡りを改善し便通を良くする働きがあります。
・防已黄耆湯(ぼういおうぎとう): ぽっちゃり型で疲れやすい、むくみがちな方
体内の余分な水分を排泄してからだを引き締めます。また、肥満による関節の腫れや痛みを改善します。
ただし、効果が認められている漢方薬でも、その人に合っているか否かが重要なポイントです。合わないものを服用すると、効果が見込めないだけでなく、副作用が起こることもあります。服用前に、漢方に詳しい医師や薬剤師等に相談するようにしましょう。
最近では、AIを活用して症状と体質に合った漢方薬をプロに選んでもらえる「あんしん漢方(オンラインAI漢方)」というサービスも登場しているので、利用してみるのもいいでしょう。スマホから専門家への個別相談を、気軽に申し込むことができますよ。
☆「あんしん漢方」はコチラ
血糖値コントロールでラク痩せしよう
太りにくいからだをめざすためには血糖値コントロールが大切です。
ダイエットのための過度な食事制限や運動に比べ、血糖値コントロールは少し意識するだけで簡単に実践できます。今回ご紹介したポイントを普段の生活にぜひ取り入れてみてください。
日々の血糖値コントロールで理想的なからだをめざしましょう。
教えてくれたのは……あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 杉岡 弥幸
【Profile】
北里大学で生薬学を学び、卒業後は大手漢方専門店にて漢方薬剤師として勤務。現在は自身のダイエット経験や健康に関する知識を活かして、漢方や養生による体質改善方法をWeb等で発信している。
●不調の改善に!無料体質判定はこちら:
https://www.kamposupport.com/anshin1.0/n/taishitsu/
お腹まわりのムダ肉がすっきり! 簡単食事法を管理栄養士がアドバイス!!
食事は生野菜から食べるのが正解! 医師直伝の5つのやせる食事法
ダイエットの味方! コンビニ飯&スイーツを美容賢者がご紹介!!
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください
Web編集/FASHION BOX