折れない心で自分を守る! レジリエンスの育み方
子どもの心に、レジリエンスを育もう
心の回復力のことを指す「レジリエンス」は子どもの頃から育むことができます。子どもにとっても過酷なことが多い現代。親との安定したふれあい(アタッチメント)によってレジリエンスを育めば、人生の大きな助けになります。精神科医で臨床心理士の白川美也子先生に子どものレジリエンスの育み方を教えてもらいました。
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子どもの心を安定させるアタッチメント
レジリエンスを発揮するには、感情や考え方、行動をコントロールする力が大事。そして、その力が育つのは、幼少期からです。新生児が泣くのは不快だからであって、自分の感情をわかっているわけではありません。泣いている裏にある子どもの気持ちに大人が共鳴して対応することで、赤ちゃんは自分の「気持ち」の存在に気づきます。そして、いろんな感情を区別し、どの気持ちも自分であり、それがゆるやかにつながって「まとまりある自分」であることを実感します。それが、衝撃を受けても元の自分に戻るというレジリエンスにつながっていくのです。それには養育者との、安定したふれあい(アタッチメント)が必要なのです。
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養育者と離れたときにわかる! アタッチメントで変わる子どもの行動
安定型
親と離れると泣き出したり抵抗を示したりします。でも、遊びに誘われたり、興味の対象に近づくと、すぐ落ち着くことができます。親が、子どもの欲求や変化に目を配り、ほどよい働きかけができている状態です。
回避型
親と離れても泣いたり混乱したりせず、再会したときも、目をそらしたり避けようとしたりするのがこのタイプ。親が子どもの働きかけに対して、ほほえんだり抱きかかえたりすることが少なく、泣いてもなだめないとこの反応に。
無秩序、無方向型
まわりの人に近づきつつ避けようとするため、ぎこちない行動に。ボーッとしたかと思えば、初対面の相手に親しげにふるまうことも。親が子どもを怖がらせたり、親自身が精神的に不安定な場合に、こういった反応を示します。
アンビヴァレント
親と離れると強い不安や混乱を示します。親と再会すると、自分から近づいていきますが、怒って叩いたりすることも。親が子どもの示すサインにあまり気づかずに、親の都合で子どもへの対応を変えることが多いとこの反応に。
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子どもの“調整力”を育てる接し方
子どもが要求する
新生児は不快感があったときに「泣く」という行動で示します。このとき、赤ちゃんは自分の気持ちをわかってはおらず、泣いたかと思えばすぐにはしゃいだりと、行動はバラバラな状態。
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大人が対処する
大人が子どものサインを読み取って、要求にこたえることで、子どもは自分の「気持ち」に気づくことができます。赤ちゃんであれば、「悲しいの?」「楽しいね」などの声がけが有効。子どもの行動に問題があっても「やめなさい」と指示するのではなく、裏にある気持ちを探ります。
まとまりある自分に
大人のかかわりに反応して、子どもは、自分にはいろいろな状態があり、そのすべてがゆるくつながって「まとまりある自分」になっていることを理解します。
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よりよい状態をわかってくる
自分がよい状態になり、まわりとよい関係を築くのにどうふるまえばいいのか、自分の気持ちをどう調節するのかを徐々に身につけていきます。これを「情動調律」といいます。
教えてくれたのは……白川美也子(しらかわ・みやこ)先生
【PROFILE】
精神科医、臨床心理士。こころとからだ・光の花クリニック院長。被災者支援や、虐待、DV被害者の臨床支援に携わる。『トラウマのことがわかる本』(講談社)ほか著書多数。
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illustration:Hanako Yamada
edit & text:Hanako Yamamoto
(リンネル 2021年6月号)
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