“部下から尊敬される上司”に近づくコツ! amazon黎明期を支えた人物が指南

部下がいる立場の人であれば、誰しも尊敬される理想の上司になりたいと思うもの。
とはいえ、そのために具体的に何をするべきか、そもそも「理想の上司」とはどういう人物なのか、漠然としている方もいることでしょう。

そこで今回は「よい上司」になるためのポイントを、書籍『amazonのすごいマネジメント』からご紹介します!
本書の著者は、アマゾンの黎明期に入社し、新規事業の立ち上げやヘルス&ビューティ部門、ファッション部門の事業責任者を歴任した太田理加さんと、アマゾンジャパン広報本部長として長期的視点のブランディングを管掌してきた小西みさをさんです。大企業・アマゾンのマネジメント術を知り尽くしたお二人が明かす、アマゾン流マネジメントの極意とは?

書籍『amazonのすごいマネジメント』

著者:太田理加、小西みさを

≪「なかなかチームで結果を出せない」「部下が無難な数値目標ばかり出してくる」など、管理職の方々のチーム運営に関する悩みを、ジェフ・ベゾスが生み出したアマゾン流マネジメントで一挙解決!≫

チームのメンバー一人ひとりがリーダーとしての能力を最大限発揮することで、企業のイノベーションに貢献する強いチームができます。
本書では、そのためのしくみやルールを目的別に網羅しました。

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部下にとっての「よい上司」になるためにやるべきことは?

自分が尊敬する上司に学ぶ

「よい上司」とはどういう人か。一概にはいえませんが、ひとついえるのは、自分が尊敬する上司にこそ「上司のあり方」を学べるのではないかということです。

小西はアマゾンにいた13年の間に何人もの上司と働く機会がありましたが、そのなかでとりわけ素晴らしいと思った上司がいました。その人は世界中のPR部門を見ており、その強みを活かしながら横串の関係(縦割りの組織内における部署同士の横のつながり)を築き、積極的に学びの機会をつくっていました。

その例が「PRサミット」と呼ばれる大きな会議です。PRサミットにはさまざまな国のPR担当者が参加します。国別にPR戦略やゴール、チャレンジやサクセスストーリー(成功事例)などを6ページャーでまとめ、どういうことを実施してきたのかをみんなでシェアし、活発なディスカッションやワークショップなどを行いました。

そうしたことが、まだ日本で起こっていないが起こり得る問題に対する各国の対処法や、これまで使っていなかったリソースについて学ぶきっかけとなりました。その上司自身、チームを育成したいという気持ちがとても強い人でしたが、サミットもまさに部下育成の一環だったといえます。

その上司は日本のPR部門だけを見ているわけではありませんでしたが、私に対し「日本のチームにもコミットしているよ」「本社もしっかりとサポートしているよ」と声をかけてくださり、必要に応じて来日してサポートしてくれたりもしました。そのことはすごくありがたいことで、アマゾンのリーダーとしても強いリーダーシップを発揮する素晴らしい上司だと思いました。

 

部下の話を最後まで聞く

太田はアマゾンジャパン合同会社の社長がマネージャーだったことが多いのですが、その人と仕事をともにするなかで特に見習いたいと思ったのは、「部下の話を最初から最後まで聞く」姿勢です。その人は話の途中で「いやいや」「そうじゃなくて」などと突っ込みを入れず、どんなに些細なことでも相手の話を遮ることなく最後まで聞きます。

外国人ですが、英語より日本語で話すほうが部下が話しやすい場合は、積極的に日本語でコミュニケーションをとります。もちろん日本語が非常に上手ですが、それでも日本語でなされる話を完全に理解できないこともあるはずです。ですが、そんなときでも相手のいわんとしていることを理解しようと耳を傾けます。

また、質問もたくさんします。それも、納得できるまで何度も質問するのです。
相手の話をしっかり聞き、不明なところは一つひとつ質問でクリアにし、自分のなかに落とし込んでいく。最後には必ず「なるほど。話はよくわかった。それであなたはどうしたい?」と聞くのです。その態度には、相手のリーダーシップを大事にする姿勢がうかがえます。

ちなみに、トップだと社員や事業のことをよく理解しているので話を聞いたり資料を読んだりするのも速いかというとそうではありません。アマゾンの社員がよくいうのは、資料を読むのはジェフ・ベゾスがいちばん遅いということです。その理由は、理解を深めることに時間をかけ、そのうえでどういう質問をするかを熟考するからです。その意味では、「よく理解している人ほど資料の確認に時間を割く」といってもよいかもしれません。

 

会社全体を考え自分の守備範囲外のことも聞く

話を元に戻して、太田のマネージャーだった上司のすごいところはもうひとつあります。
それは「自分の守備範囲だけでなく常に会社全体を考えていること」です。

どういうことかというと、実はその人の専門はリテール(小売り)部門やコンシューマー部門、つまりeコマースの部分なのです。逆にいえばKindleやプライム・ビデオといったデジタル部門は責任範囲外です。

にもかかわらず、その人はデジタルの話でも真剣に聞き、自分のリテールビジネスに短期的に悪影響が及ぶとわかっていても、お客さまを最優先し、会社全体のことを考え、Kindleをこれから押し出していこうとしました。つまりその人は、自分の管掌エリアの利害に関わる問題でも、アマゾンのために自分には何ができるか、自分はどうすべきかを考え、公平に判断できるのです。

 

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教えてくれたのは……

太田 理加(おおた りか)/Profile

aLLHANz合同会社共同代表。大学卒業後、大手石油会社、国際物流会社DHLでマーケティングを担当。英国でMBAを取得後、2002年にアマゾンジャパンに入社。新規ビジネス立案・立ち上げを担当し、立ち上げたビジネスの事業責任者を歴任。新規ビジネスをつくるということは、そのビジネスを実行する組織を一からつくること。よって、採用・人材育成・組織づくりに尽力。リーダーシップにフォーカスした幹部育成にも力を入れ、チームでイノベーションを起こす。2015年9月にアマゾンジャパンを退社し、定額制ジュエリーレンタルサービス「スパークルボックス」を立ち上げる。2020年3月にaLLHANz合同会社共同代表に就任。

 

小西 みさを(こにし みさを)/Profile

aLLHANz合同会社共同代表、AStory合同会社代表。ソフトバンク、セガなど東証一部上場企業で10年以上の企業広報・海外広報の経験を経て2003年にアマゾンジャパンの広報責任者に就任。同社の黎明期から急成長した13年間、アマゾンのブランド価値向上に貢献。経営メンバー兼広報本部長として、アマゾンジャパンのリーダー育成に深く関わる。2017年1月にPR・ブランディングコンサルティング会社AStory合同会社設立、代表に就任。2020年3月にaLLHANz合同会社共同代表に就任。英国ウェールズ大学経営大学院トリニティセントデイビッド経営学修士課程(MBA)修了、Oxford Executive Leadership Programme修了。

 

(抜粋)

書籍『amazonのすごいマネジメント』

著者:太田理加、小西みさを

≪「なかなかチームで結果を出せない」「部下が無難な数値目標ばかり出してくる」など、管理職の方々のチーム運営に関する悩みを、ジェフ・ベゾスが生み出したアマゾン流マネジメントで一挙解決!≫

チームのメンバー一人ひとりがリーダーとしての能力を最大限発揮することで、企業のイノベーションに貢献する強いチームができます。
本書では、そのためのしくみやルールを目的別に網羅しました。

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