もしかして風邪?! 市販薬との付き合い方が知りたい【医師監修】

冬がだんだんと近づいてきて、体調を崩しやすくなる時期です。妊娠する前は、風邪の引き始めには市販薬に頼っていた方が多いと思いますが、妊娠中の薬の服用は、かなり慎重になっている方も多いのでは? 風邪薬をはじめ一般的な市販薬の服用について、産婦人科専門医の竹元葉先生に聞いてみました。

自己判断で市販薬の服用はしない

妊娠中は市販薬の風邪薬を服用してもいいですか?

「原則、自己判断で市販薬を飲んではいけません。風邪薬であっても胃薬であっても、かかりつけの医療機関に確認してOKがでたら服用してください。ほとんどの市販薬は大丈夫なことが多いですが、それでも自己判断での服用はやめましょう。とくに妊娠4週~7週前後の絶対過敏期は、中枢神経、心臓、消化器、四肢などの重要な器官がつくられ、胎児がいちばん敏感な時期なので、注意が必要です」(竹元先生)

 

市販薬、サプリメントの服用はかかりつけの医師に相談する

妊娠前に飲んでいた頭痛薬や胃腸薬、サプリメントなども妊娠したら服用できないのでしょうか?

「いえいえ、そんなことはないですよ。服用できないのではなく、かかりつけの医師に確認をして許可がでればもちろん構いません。また、妊娠がわかり医療機関にかかると、最初の問診で常用している薬の有無などを確認されますから、医師の指示に従ってください。またサプリメントも同様で、胎児によかれと思って摂取していたものが、じつはよくない影響を与えることもあります」(竹元先生)

 

過度に薬に対して過敏にならず、医師と相談して服用を

仮に妊娠前から飲んでいた薬があって医師からOKがでた場合は、常用し続けていても問題ないのでしょうか?

「医師が許可を出しているのであればもちろん大丈夫です。妊婦さんの中には、薬に対してとても過敏になり、“つらいけど薬は飲みたくない”という方がいらっしゃいます。冒頭にもお話しましたが、妊娠中に服用できる薬はたくさんありますし、過度に薬に対して過敏になりすぎるのもおすすめできません。つらい症状をガマンすることでストレスになるほうが、胎児にとってよくないことですから」(竹元先生)

 

順調に胎児が育っているならば問題はない

もし妊娠に気づかずに薬を飲んでいた場合、胎児に影響はあるのでしょうか?

「胎児に影響するような強い薬を服用している場合、そもそも妊娠自体が成立しないことが多いです。それに、飲んでしまった薬を無かったことにはできないので、過度に心配しすぎないように。妊娠がわかって胎児が順調に育っているのならば大丈夫です。もし、持病があり強いお薬を常用されていて、妊娠を希望される場合はかかりつけの医師と妊娠のタイミングを相談してください。妊娠した際にも服用できる薬に切り替えるなどの選択があります」(竹元先生)

手軽に購入できる市販薬ですが、やはり妊娠中の自己判断はダメ。かといって薬に対して過度に怖がる必要もありません。大切なのは、かかりつけの医師に相談して処方してもらうことです。妊娠前に服用していた風邪薬や頭痛薬、胃腸薬など一般的な薬であったとしても、まずは医師に確認しましょう。

教えてくれたのは…sowaka women’s health clinic 竹元 葉 院長

【PROFILE】
順天堂大学医学部卒業。産婦人科専門医/医学博士。思春期から老年期まですべてのライフステージにおける身近なかかりつけ医として「sowaka women’ s health clinic」を開院。女性医師・女性スタッフのみで診療を行う。

取材・文=夏目 円
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