妊娠中・産後に急にやってくる気分の落ち込み……。やり場のない気持ち、どうすればいい?【医師監修】

春になり、過ごしやすい日が増えていますが、季節とは裏腹に何だか気持ちがモヤモヤしていたり、食欲がなかったり、眠れなかったり……。妊娠や出産によってホルモンバランスが変化し、メンタルが落ち込むことは少なくないのだそう。そこで、妊娠、出産後の気持ちのゆらぎについて、産婦人科専門医の竹元葉先生に伺いました。

体調、ホルモンバランス、環境の変化で、メンタルが不安定になりやすい

―― 妊娠がきっかけで、気分のゆらぎ、落ち込み、不安感などが起こることはあるのでしょうか?

「体調やホルモンバランスの変化によって、妊娠中や産後は不安定になりやすいですね。特に妊娠初期のつわりの時期は、体調が優れないことが多く、仕事を続けている方もストレスがかかりやすいので注意が必要です。じつは私も30週ぐらいの時期に、気分が落ち込んで眠気を感じやすくなり、周産期メンタルヘルス外来に通ったことがあります。専門医に相談したことで、気持ちがだいぶラクになりました」(竹元先生)

―― 妊娠中だけでなく、産後も気分が落ち込むことがあると聞きました。

「産後うつは、産後3カ月以内に発症することが多いです。私たち産婦人科医は、“ならないように”というよりも、なりそうな方をできるだけ早くに見つけ出し、適切なサポートに繋げることを常に意識しています。特に妊娠中に不安を抱えていた方は、ひとりにしないこと。ご家族や産院スタッフ、自治体などをはじめとした周囲のサポートや声がけが大切です」(竹元先生)

眠れない、食欲がない、気力がわかないなどがサイン

―― メンタルが弱っている時は、どんな症状があらわれますか?

「一概には言えませんが、眠れないことが多くなりがちです。ベッドに入っても眠気が起きない、眠りが浅い、まとまった時間眠ることができない……などの症状があります。また、食欲が落ちる、体がだるい、イライラする、涙もろくなる、気力がわかない、何もしたくなくなる……といったことも」(竹元先生)

―― 妊娠中や産後にうつと診断された場合、どのような治療をするのでしょうか?

「心療内科や精神科などの専門医にかかっていただき、適切な診断と必要な治療や生活のサポートが行われます。治療方法はカウンセリングなどの心理療法、症状によっては薬を処方してもらえます。行政をはじめオンラインで相談できる窓口もあるので、ひとりで悩まないでくださいね」(竹元先生)

メンタルの落ち込んだ時は、かかりつけの産婦人科医に相談したり、近くにいる家族、友人に自分の今抱えている不安や戸惑い、心配ごとを思い切り吐き出してみましょう。打ち明けることでラクになることもあるので、自分ひとりで解決しようと思わないで。必要なサポートを受けるきっかけにもつながります。

教えてくれたのは…sowaka women’s health clinic 院長 竹元 葉先生

【PROFILE】
順天堂大学医学部卒業。産婦人科専門医/医学博士。思春期から老年期まですべてのライフステージにおける身近なかかりつけ医として「sowaka women’s health clinic」を開院。女性医師・女性スタッフのみで診療を行う。

取材・文=夏目 円
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