「物理的根拠」と「化学的根拠」に基づき、部屋の中を観察すると、どこを重点的に掃除すればいいかが予測できるようになることをご存じですか? そしてその場所をピンポイントで掃除することで、短時間で効率的に病原菌の量を減らすことができるのです。病原菌の量が減れば当然感染のリスクも抑えられ、健康を守ることにつながります。掃除を変えて、体調も改善していきましょう!
教えてくれたのはこの方
松本忠男(まつもとただお)さん
株式会社プラナ代表取締役、ヘルスケアクリーニング株式会社代表取締役、日本ヘルスケアクリーニング協会代表理事。東京ディズニーランド開園時の正社員、ダスキンヘルスケア勤務を経て、亀田総合病院のグループ会社に転職。清掃管理者として約10年間、現場のマネジメントに従事。1997年、医療関連サービスのトータルマネジメント事業を目的として、株式会社プラナを設立。これまで数多くのスタッフを指導してきた経験や、現場で体得したノウハウを、医療、介護施設、清掃会社などに提供している。現在は、スポーツと掃除を融合させたSOZY SPORTSを提唱するなど、健康と掃除に関する新しい取り組みに挑戦している。著書に『健康になりたければ家の掃除を変えなさい』(扶桑社)。
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1. 拭き掃除は一方向に拭く!
拭き掃除をするときに注意してほしいのが、ごしごしと往復がけをして拭くこと。この拭き方では汚れを伸ばしているだけで、取り除くことはできません。布巾をきちんと折りたたみ、汚れが最初に当たる側面が一方向になるように拭くのが正解です。
☆POINT☆
拭き掃除をするときは、布巾や雑巾の中央ではなく側面に手を当て、一方向に動かすのがコツ。布巾をCDケースに挟むと、汚れと布巾が密着してしっかり汚れを取り除くことができるのでおすすめです。
2. ホコリは舞い上がらせない!
ホコリが舞い上がった状態で掃除をすると、病原菌を含んだホコリを掃除中に吸い込んでしまい、体に悪影響を与えることも。掃除をするときは窓を開けない、ドタバタと動いてホコリを動かさないなど、掃除中にホコリが舞い上がらないようにすることが大切です。
3. 風とホコリが流れる道筋を把握する
気流とともにホコリも家の中を移動しますが、エアコンや窓の位置、人の動きなどにより風の流れは変わるため、どこにホコリがたまりやすいかは変わってきます。まずは自分の家のどこにホコリがたまりやすいかを知ることが、効率よく掃除をするための第一歩です。
4. まとめ掃除より日々のゆる掃除
日本には古くから年末に行う大掃除という文化がありますが、それでは病原菌から体を守ることはできません。1年も放置して汚れがたまる前に、毎日少しずつ掃除をするほうが、健康被害を抑えるのには効果的。数分でもいいので、毎日できる範囲で掃除をすることが重要です。
5. 急がず慌てずゆっくり動く
ホコリや細菌、ウイルスなどはとても軽いので、バタバタと動きながら掃除をするだけで、すぐに舞い上がってしまいます。空気中に浮遊すると取り除きにくくなってしまうばかりか、鼻から吸い込んでしまう恐れがあるので注意しましょう。
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(抜粋)
TJ MOOK『カビ・ホコリ・菌を撃退! 家の「正しい」掃除ワザ』
https://tkj.jp/book/?cd=TD295569
監修:松本忠男
編集協力/引田光江、齋藤那菜(グループONES)
執筆/上野真依(MANICO)、内田桃孔
撮影/竹内浩務、北原千恵美
編集/FASHION BOX
(TJ MOOK『カビ・ホコリ・菌を撃退! 家の「正しい」掃除ワザ』)
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