駅で階段とエスカレーターがあったら、あなたはどちらを選びますか。大半の方はエスカレーターを選ぶかと思いますが、健康な体を維持するためにも、階段を選んでみませんか。板倉弘重先生が階段の“とことこ歩き”の重要性を教えてくださいました。
教えてくれたのはこの方
板倉弘重(いたくらひろしげ)
医学博士。芝浦スリーワンクリニック名誉院長、品川イーストワンメディカルクリニック院長。東京大学医学部卒業。同大学第三内科講師、国立健康・栄養研究所臨床栄養研究部長を経て、現職。赤ワインなどに含まれるポリフェノールの抗酸化作用を世界で最初に発見。著書に『大丈夫! 何とかなります 血糖値は下げられる』(主婦の友社)『スボラでも血圧は下げられる!』(宝島社)など
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駅で階段とエスカレーターがあったら、ついエスカレーターを選んでしまう人は多いでしょう。しかし、健康な体を維持するために、階段の上り下りはとても大切です。
年齢を重ねると、下半身の筋肉は衰える一方です。そのまま高齢になると、筋力の低下によって転倒し、それが原因で寝たきりになるというケースも少なくありません。そのため、中高年のうちに下半身の筋力を強化しておく必要があります。
といっても、下半身の筋肉を鍛えるために日々筋トレに励むのは運動が苦手な人にはハードルが高いものです。そこでおすすめなのが階段を“とことこ歩き”することです。
1段だけの上り下りの“とことこ歩き”
階段を1段、上り下りする
階段の一番下の1段をとことこと上り下りするだけ。これを1日1回5分間行います。何段も上り下りする必要はありません。毎日継続することが大切なので、ランチの後など自分の行いやすい時間を決めて取り組みましょう。
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階段を使った簡単ゆるトレで下半身強化
とことこ歩きに慣れてきたら、1段飛ばしにステップアップしてみましょう。
背筋力をアップしたいなら1段飛ばしで背筋を伸ばす
とことこ歩きに慣れたら、1段飛ばして上り下りします。足を高く上げるため、猫背になりがちですが、背中はまっすぐ伸ばします。背中が伸び、背筋が鍛えられます。
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お尻まわりを鍛えたいならかかとから着地する
階段を上るときに、かかとから着地して体を持ち上げるようにすると、お尻まわりに力が入るため、お尻の筋肉が鍛えられます。ヒップアップ効果が期待できます。
ももやふくらはぎを鍛えたいならつま先から着地する
つま先から着地して、かかとを浮かしながら上ると太もも前面の大腿四頭筋やふくらはぎの下腿三頭筋が鍛えられます。どの筋肉を鍛えたいかによって、上り方を考えましょう。
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階段とことこ歩きでは、さまざまな筋肉を鍛えることができます。上るときにかかとから踏み込む体勢をとれば、後ろに重心がかかるためお尻まわりの筋肉が鍛えられます。逆につま先から踏み込んでかかとを浮かすようにすれば、ふくらはぎと太ももまわりの筋肉が刺激を受けます。
とことこ歩きだけでなく、日常的に階段を使うようにすれば自然と下半身の筋力低下を予防することができます。特にデスクワークが多い人は1日に1回でも階段を使うようにすれば、運動不足解消になるでしょう。
(抜粋)
TJ MOOK『ズボラでも運動不足を解消できる本』
https://tkj.jp/book/?cd=TD296146
監修:飯田 潔、板倉弘重、工藤孝文、木野村朱美、渡辺淳也
編集・ライティング/矢作美和、古里文香、茂木理佳、川上 萌、千葉琴莉、相澤美沙音(バブーン)
イラスト/藤井昌子
編集/FASHION BOX
(TJ MOOK『ズボラでも運動不足を解消できる本』)
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