風邪薬

風邪薬で風邪は治らない!? 免疫力アップの重要性を医師が説く

風邪をひいたら風邪薬を飲む。当たり前の対処法のようですが、実は風邪薬そのものの力でウィルスを排除できるわけではないことを知っていましたか?
多数のメディアに出演している内科医の工藤孝文先生が、風邪薬の効力と、免疫力の重要性について解説してくれました。

≪目次≫
●風邪が治るのは免疫力のおかげ
●インフルエンザの場合も同じ
●教えてくれたのは……

 

風邪が治るのは免疫力のおかげ

何だか熱っぽい、寒気がする。くしゃみや鼻水、せきも……。

こんなとき、風邪薬を早めに飲めば、大事に至らず治まることも多いでしょう。風邪薬というからには、風邪を治す薬、そう思う人がいても、何ら不自然ではありません。

ところが、ウイルスにしてみれば、「風邪薬なんて、オレたちには関係ないよ!」。薬を飲んだからといって、ウイルスは何のダメージも受けないのです。風邪の原因ウイルスを退治する薬は、従来型のインフルエンザ以外、いまだに開発されていないのが実情です。

つまり、風邪が治るのは、ひとえに免疫力のおかげ。免疫がウイルスとの戦いに勝利を収めたとき、風邪が治るのです。免疫力が高ければ、風邪にかかりにくいだけでなく、風邪にかかっても早く治ります。逆に、免疫力が低ければ、ウイルスたちが体のなかで、のさばり続け、仲間を増やして、どんどん体にダメージを与えてしまいます。

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インフルエンザの場合も同じ

インフルエンザの場合でいうと、肺で増殖し肺炎を起こしたり、脳に達して脳炎を起こしたりすることもあります。「じゃあ、市販の風邪薬や、病院で出してもらう薬は役に立たないの?」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。

風邪をひくとくしゃみが出たり、鼻水が出たり、のどが痛んだり熱が出たりする。これは免疫がウイルスと戦っている表れです。熱が出るのは、熱に弱いウイルスを叩くため。下痢は、敵を体外に早く排出するためで、これらも免疫反応の一種です。

もし長引いて、熱がなかなか下がらなかったり、せきが続くようになったりすれば、私たちの体力は消耗してしまいます。免疫は、目の前にいる敵と戦うだけでなく、新たな敵の侵入にも備えるなど、全身の健康を守らなければなりませんが、体力がなくなれば免疫も手一杯。その隙を突いて新たな病原体が入ってこないとも限りません。

そこで、それぞれの症状を和らげる薬を使うことで、体力を温存し、免疫力の低下を防ぐのです。いってみれば薬は免疫の後方支援、援護射撃というわけです。新型コロナウイルスも、ワクチンの開発はまだ先になる見通しです。それまでは自分の免疫力だけが、ウイルスに打ち勝つ頼みの綱といえるでしょう。

インフルエンザ

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教えてくれたのは……

工藤孝文(くどう・たかふみ)

【Profile】

福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。帰国後、大学病院、地域の基幹病院を経て、現在は福岡県みやま市の工藤内科で地域医療に従事している。糖尿病・ダイエット・漢方治療を専門とし、NHK「ガッテン!」、日本テレビ系「世界一受けたい授業」、フジテレビ系「ホンマでっか!?TV」など、メディアに肥満治療評論家・漢方治療評論家として多数出演。日本内科学会・日本糖尿病学会・日本肥満学会・日本抗加齢医学会・日本東洋医学会・日本女性医学学会・日本高血圧学会所属、小児慢性特定疾病指定医。著書は『1日1杯飲むだけダイエット やせる出汁』(アスコム)、『女性専門の疲労外来ドクターが教える 疲れない大百科』(ワニブックス)、『心と体のもやもやがスーッと消える食事術』(文藝春秋)、『高血糖の9割は早歩きだけで治る!』(宝島社)など多数。

 

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(抜粋)

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著者/工藤孝文

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編集/神崎宏則(山神制作研究所)
取材・文/福田(渡邉)真由美、森田啓代、乙野隆彦(山神制作研究所)
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WEB編集/FASHION BOX

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