世界の老けない常備菜
料理の時短につながる常備菜。もともと常備菜は流通が発達していなかった時代に、その土地で採れた食材を長く保存しておくためにできたもの。気候や風習によって、世界ではそれぞれに違った常備菜があります。世界の人の美容と健康を守ってきた常備菜を一部、紹介しましょう。
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【アメリカ】チリコンカン
豆、ひき肉、玉ねぎをトマトとチリパウダーで炒め煮にしたアメリカの伝統食です。テキサス風、ニューヨーク風など地域によって豆の種類や味付けが異なります。ファストフード店のサイドメニューには必ずあり、現地では“チリ”と略すのが普通です。肉食が多いアメリカで、植物性たんぱく質を補給できる常備菜です。最近は肉なしの“ベジチリ”も登場。ベジタリアンやダイエッターに人気です。
【韓国】キムチ
説明不要なほどポピュラーな発酵食品。発酵過程で生じる乳酸菌が腸内環境を整え、唐辛子のカプサイシンが代謝を促します。また、カプサイシンはうつを予防する効果も。韓国では食事と一緒にどんぶり一杯ほど食べる人も珍しくありません。韓国人にスリムな人が多いのは、そのおかげだと言われています。昔は各家庭で手作りしていましたが、今は韓国でも市販品を食べることが多いとか。
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【ブラジル】モーリョソース
みじん切りにした玉ねぎ、トマト、ピーマンなどの野菜を酢とオリーブオイルで漬けた常備菜。簡単に作れる上に冷蔵庫で1カ月程度は日もちするため、時間があるときに大量に作っておく家庭が多いそうです。日本ではシュラスコ(ブラジル風焼肉)のソースとして使われることで知られていますが、ブラジルではオムレツやサンドイッチ、サラダなどさまざまな料理に使われます。
【インドネシア】ガドガドソース
甘辛いピーナツソースで、ドレッシング感覚で野菜、肉、魚などの料理にかけていただきます。ピーナツには肌の再生を促す不飽和脂肪酸が多く含まれ、アンチエイジング効果は大。ピーナツバターを使って手作りすることもありますが、今は市販品を使うのが一般的。インドネシアのスーパーでは、いろいろなメーカーのガドガドソースが売られています。日本でも輸入食品として入手可能です。
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【インド(中央~南アジア)】アチャール
アチャールとは野菜や果物の酢漬け=ピクルスのことです。日本のインドカレー店で食べたことがある人も多いのでは? かつて高温多湿の地域では野菜が傷みやすかったため、旬に採れたものを殺菌作用のある酢に漬けて保存していたそうです。各種スパイスも一緒に漬け込むので薬効も期待大。ネパールやバングラデシュでも同じようなものが食べられています。
【ドイツ】ザワークラウト
キャベツとハーブを塩で発酵させた漬物。ドイツが有名ですが、スイスやロシア圏などヨーロッパ全域で食べられています。寒い地域では1週間以上日もちするのも、重宝される理由のひとつ。キャベツに含まれるイソチオシアネートには抗菌、抗がん作用があり、長寿食という一面も。伝統的なレシピのほかに、日本でいう「浅漬けの素」のような調味液も売られています。
【フランス】キャロットラペ
フランスではもっともポピュラーなにんじんのサラダ。パリのデリカテッセンの定番です。作り方は簡単で、千切りにしたにんじんにオリーブ油と酢を混ぜ込み、味を調えるだけ。抗酸化作用の高いカロチンを含んだにんじんをたくさん食べられます。作りたてはシャキシャキ、2~3日経ったものはしんなりと時間の経過によって食感の違いを楽しめるのも、常備菜ならでは。
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【スペイン】ピスト・カステリャーノ
「スペイン風ラタトゥイユ」とも呼ばれる、野菜の煮込みです。玉ねぎ、にんにく、トマトに好みの野菜を加えて煮込みます。味付けにはパプリカパウダーを多めに使い、結果として減塩効果も。時間が経つほど味が染み込んでおいしいので、一度にたくさん作って冷蔵庫に保管し、朝食にしたり、パスタソースとして使います。デリカテッセンでは定番のおかずとして必ずと言っていいほど置かれています。
【ガーナ、ナイジェリアなど(アフリカ)】ペペ
唐辛子と玉ねぎ、トマトで作ったソース。各家庭で手作りしておき、川魚や主食のフフ(キャッサバをついてこねたお餅)、パンなどにつけて食べます。アフリカ各地で食べられていますが、地域によって唐辛子の品種が異なるため、味はさまざまです。発汗を促して代謝を良くする効果があり、暑い地域で体力を養うのに役立っています。薬草をソースに入れて、病気予防をする家庭も。
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【イスラエル、レバノンなど(中東)】フムス
すりつぶしたひよこ豆とにんにくをレモン汁とオリーブ油で伸ばしたペースト。ムスリムの人たちの常備菜で、伝統的なハラール(戒律を守る)食です。アルコールを使わず、低脂肪、高たんぱくなひよこ豆を使っていることからダイエット食として世界で注目されている常備菜。パンに塗ったり、ピタパンに野菜と一緒にサンドして食べるのが一般的です。
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(抜粋)
イラスト/上坂じゅりこ
ライティング/萩原みよこ
編集/山口未和子
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WEB編集/FASHION BOX