シスターフッド作品が支持されている理由って?
オトナミューズ創刊7周年記念号では、創刊からカルチャーページを担当する映画ライターのよしひろまさみちさんに、なぜ今、女性同士の絆や連携を描いた、いわゆるシスターフッド系の作品が映画をはじめ、漫画や小説で増えているのか、オススメの作品と併せて解説していただきました!
「昨年9月に、米アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーが、作品賞に関する新しい選考基準を発表したのね。そこには驚くべきことが。ざっくりいうと、作品に関わる人を多様化するってことなんだけど、人種や民族、セクシュアリティなどのマイノリティと並んで、『女性』が入ってるの! え、女性ってマイノリティだったの!? でも、ここできっちりと明文化してくれたのは大進歩よ。だって、00年代くらいまでは、男性が主役で男性が監督で、男性メインのスタッフ構成で、ってのが当たり前だったんだもの。規則がないだけで女子のチャンスを奪っていたとは……ぬぐぐ。女子のみなさ~ん、怒っていいわよ!
さて、そんな背景があったとはいえ、『シスターフッド』はハリウッドで古くから描かれてきたこと。シスターフッドは、血の繋がりなしで結ばれた、切っても切れない、友情以上の女子関係ってのが一番近い意味合いかな。それが10年代くらいからじわじわと大作やヒット作になっていったのよ。ここに挙げた6作品以外にも『ワンダーウーマン』とか『キャプテン・マーベル』のような、一見男子向けアメコミ映画でもシスターフッドの要素がウケてるし、古いジェンダー観のままでは観客に全く響かなくなってるの。だって、シスターフッドがヌケてる映画なんて、リアルじゃないし、共感もできないもの。リアルの世界は、オトナミューズ読者の皆さんのように、それが当たり前になってるんだも~ん。ようやく映画界がリアルに近づいたのよね。さぁさ、みなさんも一緒にエンジョイよ!」(映画ライター・よしひろまさみちさん)
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チャーリーズ・エンジェル(2019)
新エネルギーのテクノロジーが兵器に転用される、という情報をつかんだチャーリーズ・エンジェルのサビーナ(K・スチュワート)ら。新人のエレーナ(N・スコット)が加わり、その陰謀に挑むのだが……。70年代のテレビドラマ、00年代の映画と人気シリーズの“チャリエン”を現代的にアップデート。エンジェルたちのアクションはもちろん、シスターフッド的な要素が強く打ち出され、女子ヤンヤヤンヤの傑作に。
スキャンダル
米FOXニュースの看板番組のキャスター、メーガン(C・セロン)は、先輩キャスターのグレッチェン(N・キッドマン)が社のトップからのセクハラを訴えたことに動揺。実は彼女も同様の被害の経験があった。そんなときメインキャスターの座を狙う若手ケイラ(M・ロビー)がそのセクハラ上司に急接近し……。ハリウッドのトップスター共演で2016年に実際に起きた事件を映画化。事実とはいえお見事な展開。
ハスラーズ
お金のためストリップクラブで働き始めたデスティニー(C・ウー)は、クラブの姉御格・ラモーナ(J・ロペス)から稼ぎ方を学び、安定した生活を手にする。が、彼女らはリーマンショックの影響で失職。そこで経済危機を起こした張本人であるウォール街の男たちから金を巻き上げる計画に着手。同僚ダンサーたちが犯罪に手を染めながらも家族のような関係になっていくシスターフッド映画。なんと実話がベース!
オーシャンズ8
窃盗集団オーシャンズを率いたリーダーの妹デビー(S・ブロック)は、仮釈放の身ながら次なる計画を企てる。それは仲間のルー(C・ブランシェット)らと共謀し、METガラで貸し出されるカルティエのお蔵出しジュエリーを盗み出すというものだった。宝塚歌劇団でも上演された人気クライム映画『オーシャンズ11』シリーズを、女性キャストで描く。それぞれ特殊技能を持った女子の大活躍とチームワークにホレボレ。
ゴーストバスターズ(2016)
物理学者のエリン(C・ウィグ)は、幽霊を題材にした過去の共著書が原因で、大学をクビに。そこで彼女は共著者のアビー(M・マッカーシー)らと共に、自らの知識をフル活用した幽霊退治業者「ゴーストバスターズ」を立ち上げる。80年代の大ヒット同名映画を女性キャストでリブート。女性4人のゴーストバスターズはコミカルかつリアルな人間関係が傑出。オリジナル版より感情移入しやすいかも。
マッドマックス 怒りのデス・ロード
荒廃した未来世界で、さすらい人となったマックス(T・ハーディ)は、イモータン・ジョー率いる軍団に囚われる。が、彼は大隊長フュリオサ(C・セロン)の反乱に付き合い「緑の地」を目指すことに。伝説的アクション映画シリーズの最新作。一見、男子向けアクション大作だけど実は囚われの女性たちが主人公という隠れシスターフッド映画。猛烈に強いフュリオサが守ろうとする女性たちとの絆が見どころ。
解説してくれたのは、映画ライター・よしひろまさみちさん
オトナミューズやsweet他多数の媒体で連載を持ち、NTV系情報番組「スッキリ」他でも分かりやす~く作品の魅力を説いてくれる映画ライター。全くアカデミックぶらないけれど、実は日本映画ペンクラブ会員&日本アカデミー賞会員。いつもいいにおいがする。
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