スマホは私たちの生活に欠かせない便利ツールです。
一方で、画面を見過ぎると肩が凝ったり首が疲れたりと、体に負担もかかってしまいます。
めまいや頭痛といった体の不調も、実はスマホからきている......ということもあるんだとか。そこで、今回はスマホが及ぼす体への影響について、銀座内科・神経内科クリニックの霜田里絵先生に教えてもらいました。
TJ MOOK『医者が教える正しいスマホ習慣』
使い過ぎは危険!
ストレス/うつ病リスク
さらに脳に深刻な影響が……!
・「5か条」実践であなたの生活は劇的に変わる!
・スマホがもたらす身体の不調とその対処法
・保護者必読! スマホの使用時間が長いほど成績は下がる!
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スマホで病気に? めまいやもの忘れの原因
最近増えているめまいや頭痛、もの忘れといった体の不調の原因はスマホにあるらしいです。スマホとの正しいつき合い方を霜田先生に聞きました。
スマホが原因のフワフワめまい
スマホの使い過ぎは脳に負担をかけるだけではなく、体にも悪い影響があります。
クリニックのめまい外来で目立って増えているのが、霜田先生が「フワフワめまい」と呼ぶ浮動性めまいです。
めまいには、周りの景色がぐるぐる回る回転性のめまいとゆらゆら動いたりふらふらする浮動性・動揺性のめまいがあります。前者は内耳の平衡感覚機能がおかしくなって起きる場合が多く、後者は脳の障害などで起きると考えられています。
「スマホをずっと覗き込んでいると、頭が下がって首に負担がかかります。自分の体だけが地震のように揺れていると感じたりするんです」
浮動性めまいは、原因は様々ですが、霜田先生のクリニックに来る患者はスマホやパソコンを長時間使っている人が多いそうです。
「スマホを見る時は、スマホ首と呼ばれるストレートネックになります。めまいを訴える人の首をレントゲンで見ると頸椎が伸びてストレートネックになっています。首がキレイなカーブを描いている人とストレートネックでは、首にかかってくる負担がまったく違います。重力は垂直にかかりますから、スマホを見るために首を突き出すと頭の重さがそのまま首にかかってきます」
頭の重さを支えるために首の筋肉が緊張します。すると、首には血管や自律神経が通っているため、筋肉に圧迫されて血流が悪くなります。自律神経も不調をきたし、めまいが起きるのです。
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緊張型頭痛もスマホが原因
めまいとともに頭痛を訴えたり、強い頭痛に悩んで受診に来る人たちもいます。
めまいと同じ理由で、首の筋肉の緊張から頭痛が起きるのです。ずっと鈍い痛みが続くのが特徴で、緊張型頭痛と言います。銀座内科・神経内科クリニックでは、漢方や筋肉の緊張を和らげる薬を使い、首の筋肉をゆるめることで治療しています。
「フワフワめまいも緊張型頭痛も筋肉の緊張が原因です。肩と首のマッサージやネックウォーマーなどで首を温めることで緩和できますが、根本の原因はスマホやパソコンの見過ぎによることも少なくありません」
頭痛外来を訪れるほとんどの人は、スマホがめまいや頭痛の原因だと気がついていません。
スマホを見ない時間を作ることが一番の治療だと霜田先生は言います。また、頭痛がすると、すぐに頭痛薬を飲む人がいますが、それは要注意です。
「頭痛薬を月に10回以上飲むと脳が過敏になり、さらに回数が増えてしまいます。私どもでは頭痛自体が起きにくくなるような治療を指導しています」
もの忘れの原因は寝不足
もの忘れ外来に中高年が訪れるようになったのも、ここ最近の傾向です。
「みなさん、思い詰めていらっしゃいますね。『昔に比べて新しいことが覚えられない』『作業効率が悪い』と悩んで、若年性のアルツハイマーじゃないかと疑っていらっしゃいます。若年性アルツハイマーの場合、家族が気づくんです。その割にご本人は自覚がなかったりします。アルツハイマーの人たちは忘れていることを忘れてしまうんです」
ほとんどの場合、原因は寝不足とスマホです。
「生活のことを聞くと、寝不足やストレスが出てきます。睡眠時間が3〜4時間で、それが1〜2年続いているなんて人もいらっしゃいました」
さらに常にスマホを手元に置き、メールなどをチェックしていて、寝不足がさらに寝不足になるわけです。
「『寝ないと記憶が作られませんよ』と指導しています。ショートスリーパーと言われる人は人口の1%くらいにすぎません。ほとんどの人たちは最低でも5〜6時間は寝なければなりません。寝なければ、いくら覚えようとしても忘れてしまいます」
テレワークでうつ病になる?
コロナ禍でテレワークが普及したことで、うつ症状で相談に来る人も増えていると言います。
「職場で人と対面することがストレスだった人や通勤時間が長かった人は、テレワーク大歓迎ですが、ひとり暮らしだったり気分転換が苦手な人は、反対にテレワークがストレスになっています」
孤独と不安で体調を崩し、霜田先生のクリニックへやってきます。
「不眠にもなるんです。体も動かさずに1日中パソコンの前にいて、寝ようとしても寝られないからスマホを見始めて、さらに不眠になる」
人と会ってもストレス、会わなくてもストレス、難しいものです。
スマホを原因とするさまざまな体の不調を解決するには、脳にインプットされる情報をカットする時間を持つことだと霜田先生は指摘します。
「私は仕事の前に喫茶店で30分ぐらい何もせずにボーッとしているんですが、それをするとしないとでは、その日の仕事の効率が全然違います。ボーッとする時間を作るようにしてください」
ボーッとすることだけで仕事の効率が上がるのなら、安いものですね。朝、出勤前のコーヒータイムはスマホを切って、ゆったりした時間を楽しみましょう。
霜田 里絵/Profile
「銀座内科・神経内科クリニック」院長 医学博士
平成9年、順天堂大学医学部大学院にてパーキンソン病の研究で医学博士号取得。銀座内科・神経内科クリニック開業(平成17年1月)、医療法人 ブレイン・ヘルス開設。理事長に就任。
文:川口友万(かわぐち ともかず)/Profile
サイエンスライター。富山大学理学部物理学科卒。パソコン誌編集者を経てフリーに。ラーメンから都市伝説までなんでも科学で読み解くことを得意とする。科学関連のテレビ出演多数。「サイエンスにもっと笑いを!」がモットー。スマホではマンガばかり読んでいる。
フェイスブック https://www.facebook.com/tomokazu.kawaguchi.73
(抜粋)
TJ MOOK『医者が教える正しいスマホ習慣』
使い過ぎは危険!
ストレス/うつ病リスク
さらに脳に深刻な影響が……!
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スマホ首からうつ病に? ストレートネックの危険性&セルフチェック方法
[監修者]
佐久間寛之(独立行政法人国立病院機構 さいがた医療センター副院長)
霜田里絵(銀座内科・神経内科クリニック院長)
坪田 聡(雨晴クリニック副院長)
奥村 歩(おくむらメモリークリニック理事長)
遠藤美季(任意団体エンジェルアイズ代表)
BEST BODY DESIGN 南浦和
目の美容院
[編集]光元志佳、中澤雄介(オフィスJ.B)
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