エスカレートする中高生の“ネットいじめ” リアル友達に心を許せない理由とは？［ネットの駆け込み寺・YouTuberコレコレ］

YouTuberコレコレが見たネットいじめの現状

学校や職場、家庭内でも起こりえるいじめ問題。今も昔も許されることではないが、近ごろではインターネット技術が発達したことにより、加害者のいじめ方がより悪質なものにエスカレートしているという。自身のYouTubeアカウント宛に中高生から相談を受けることが多いYouTuberコレコレさんが、ネットいじめの現状を著書『告発誰も晒せなかったSNSのヤバすぎる闇』で綴っている。現実世界の友人にも心を許せない、現代っ子たちの胸の内とは？

書籍『告発誰も晒せなかったSNSのヤバすぎる闇』

著者：コレコレ

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中高生のいじめの舞台はリアルからネットへ

今の若い子たちは本当に大変だ。

たとえばいじめの問題だ。私が子どもの頃、まだSNSはなかった。いじめの相手から物理的に離れればとりあえずはひと息つくことができた。学生ならばいじめは学校の中だけで、外にはかろうじて逃げる場所があった（私の場合は塾だった）。

しかし今はネットがある。友達同士のコミュニケーションはSNSを通じていつでもつながっており、塾に行っても家に帰ってもSNSの通知はひっきりなしに鳴り続ける。自分が知らないところで罵詈雑言（ばりぞうごん）が飛び交うことだってあるわけだ。

リアルでもネットでもいじめがはびこる現代は24時間気の休まる時間がない。今はいじめられていなくても、いつ自分がターゲットにされるかもしれない不安感も尋常ではないだろう。
私が今の時代の子どもだったら生きていられなかったかもしれない。

当然のように、私の配信でもいじめに関する相談は多いのだが、以前は「無視される」「陰口を言われる」という程度だったのに比べて、今はどんどん取り返しのつかないレベルにエスカレートしている気がする。

あるクラスでは、いじめられている女の子の顔写真がパパ活や援助交際の募集に勝手に使われていたそうだ。それを別のクラスの生徒が見つけて「あの子、ネットでこんなことやってたよ」とSNSでどんどん話が拡散してしまった。本人がどれだけ「私はやってない。私の投稿じゃないよ」と言っても、「いやいや、だってお前の顔で投稿されてるじゃん」「あの子、本当はやってるんだよ」と、信じてもらえず収拾がつかなくなった。結局、この子は噂に耐え切れず学校に行かなくなってしまったそうだ。

いじめられた側に残るのは心の傷だけではない。ネット上に噂話や画像が残ってしまう「デジタルタトゥー」という傷も負わされることになる。

学校やネット上での人間関係のトラブルやいじめが原因で不登校になったり、精神を病んでしまうケースもザラにある。

現代の友人関係が複雑なのはSNSの存在が大きく影響している。リアルで信頼関係を作ったうえで使うのであれば、SNSは便利なコミュニケーションツールだ。

ところが今の子は、空気を読んで周囲に合わせることはうまくても、リアルで心を許せる友達を作るのは苦手のようだ。リアルの友達には秘密を打ち明けたり、深刻な相談はしないという子も多い。外から見ていると仲がいい関係に見えても、当人同士はそこまで心を許していない。

自分の弱みを見せたくないという思春期の感情だけが理由ではない。普段の何気ない冗談やバカ話ですら、友達がSNSで拡散してしまう可能性があるからだ。場合によってはデマ情報によっていじめのターゲットになってしまうことだってある。

それならばリアルの自分を知らないネットの友人のほうが、まだ本来の自分を出しやすいのだ。ネット上の関係であれば、いざという場合にブロックやアカウント消去で関係を切ることができる。そのため若い子たちは、普段から複数のアカウントを使い分けている。

ただ、ネットだけでは、知り合いにはなれても信頼関係を積み上げるのはなかなか難しい。

ツイキャスのコラボ配信で仲良くなって結成したというある新人歌い手グループのメンバーから、こんないじめの相談が来たことがある。

凸者（※ とつしゃ）の年齢は13歳。メンバーで作ったLINEグループ内で、自分だけが既読無視されるようになったり、自分を除いた他のメンバーだけで別のLINEグループを作っていたことが分かってつらいという相談だった。

よくあること、と言うのは冷たいのかもしれない。当事者にとっては深刻な問題なのは間違いない。ただ、それでもやっぱり、これはいじめが始まる典型的なパターンだ。

相談者は、「何とかしたい。以前のように仲のいい友達でいたい」と悩んでいた。気持ちは分かるが、そもそもネットで知り合った相手とネット上のコミュニケーションだけで良好な関係を続けることは難しい。

ハッキリ言って、私からのアドバイスはひとつ。「逃げろ」だ。

程度の差はあっても、他人をいじめるような人間は、どれだけ言ったところで簡単には変わらない。

※スカイプや電話などでYouTube配信中に通話がつながった人のこと

教えてくれたのは……コレコレ

1989年8月12日生まれ。広島県出身。YouTube、ツイキャス、ニコニコ動画などで活動するライブ配信者、YouTuber。ライブ配信の同時接続者数で日本トップクラスの実績を誇る。生放送で視聴者からの相談や暴露タレコミを受け付け、ネットの集合知を借りながらファクトチェックを進める配信スタイルが若者から熱狂的な支持を得ている。大手メディアも後追いした「ワタナベマホト児ポ法違反」「有名YouTuber・Ｔ豊胸事件」など、配信を通じて暴いた有名インフルエンサーのスキャンダルは数知れず。人呼んで「ライブ配信の王」「ネット界の文春砲」「日本一、視聴者の声を聞く男」。

YouTube ：コレコレチャンネル KoreTube
Twitter（メイン）：@korekore19
Twitter（サブ）：@korekore_ch

（抜粋）

書籍『告発誰も晒せなかったSNSのヤバすぎる闇』

著者：コレコレ