今や全国どこにでもある牛丼チェーン店。そんな人気の国民食である牛丼は、日本の経済事情を映す鏡だと、専門家の坂口さんは言う。そんな牛丼の原価の秘密を坂口さんに伺った。
このコンテンツの監修者は……
坂口孝則(さかぐち・たかのり)
【Profile】
大学卒業後、メーカーの調達部門に配属され、調達・購買、原価企画を担当。バイヤーとして担当したのは200社以上。コスト削減、原価、仕入れ等の専門家としてテレビ、ラジオ等でも活躍。著書に『製造業の現場バイヤーが教える調達力・購買力の基礎を身につける本』『製造業の現場バイヤーが教える調達・購買実践塾』『製造業の現場バイヤーが教える だったら、世界一の購買部をつくってみろ!』『製造業・小売業のバイヤーが教える The調達・仕入れの基本帳77』『結局どうすりゃ、コストは下がるんですか? 調達・購買バイヤー必読 値上げ時代に打ち勝つ(6+1)人のコスト削減原論』(すべて日刊工業新聞社)、『牛丼一杯の儲けは9円 「利益」と「仕入れ」の仁義なき経済学』『営業と詐欺のあいだ』『1円家電のカラクリ0円・iPhoneの正体―デフレ社会究極のサバイバル学』(すべて幻冬舎)、『知らないと恥ずかしいビジネスのキホン 会社が黒字になるしくみ』『売りたかったら客に考えさせるな! 思考停止ビジネス』(ともに徳間書店)など30冊を超える。
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牛丼は薄利多売のモデル商品
税率引き上げと軽減税率制度が同時に導入される消費税率の改定で、話題になっているのが牛丼チェーン店各社の対応だ。店内で食べる場合と持ち帰りの両方の税込み価格をそろえる店もあれば、別々にする店もある。どのように明暗が分かれるか、実際に新消費税率が導入されてみないとわからない。
牛丼は、原材料の牛肉価格の上下や世相によって、たびたび値段が改訂されてきた。これはいかに人気の国民食であるか、薄利多売のモデル商品であるかを示している。牛丼に使用されるショートプレート(胸から脇腹にかけての肉)は、アメリカやオーストラリア産を大量に仕入れて使っている店が多く、値段は国産の3分の1以下。関税が38.5%でもキロ800円前後である。すると牛肉70gでは原価が56円。これにたまねぎや煮込むたれ、ご飯をいれても原価は100円前後だ。並盛一杯が税込み350円なら、原価率は約31.7%に収まるのである。
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TPPでさらなる価格変動が到来?
TPP(環太平洋経済連携協定)による、牛肉の関税引き下げが気になるところだが、こち
らはもうしばらく先の話で価格効果も10〜20円程度。影響は限定的と見られている。TPPから離脱したアメリカも二国間交渉でTPP並みに関税を引き下げる見込みなので、しばらくは安泰だ。とはいえ、値下げ競争が激化すれば、採算が合わずに業界自体が地盤沈下を起こす恐れもある。
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POINT
・牛肉は海外のショートプレートを大量に仕入れることで、値段を抑える
・並盛一杯の原価率は約31.7%
・今後、さらに安価になる可能性はあるが、一方で採算が合わなくなる恐れも
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(抜粋)
書籍『回転寿司でエビを食べる奴はバカ! お店がバラせない「儲け」の秘密』
監修/坂口孝則
編集/佐藤裕二、林 賢吾(株式会社ファミリーマガジン)
執筆協力/幕田けいた
イラスト/桜井葉子
WEB編集/FASHION BOX
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