腸内を健やかに保つことは、免疫力を高めることにもつながります。では、そんな腸内環境を知り、健康状態を知るにはどうすればいいのでしょうか? その鍵となるのが“便”です。自分の腸内の様子を知らせてくれる便の見分け方を、東京医科歯科大学名誉教授の藤田紘一郎先生に解説していただきました。
≪目次≫
●便は腸内フローラの様子を知らせる重要なメッセージ
●便の状態をチェック
●教えてくれたのは……
便は腸内フローラの様子を知らせる重要なメッセージ
腸内細菌は目には見えない小ささですが、その状態を自分自身で毎日チェックできる優れたモノがあります。それは便です。便は腸内フローラの様子を知らせてくれる体からの重要なメッセージです。
食べ物を食べると、消化・吸収され、約24〜72時間後に便として排泄されます。健康な便は水分が75%、水分以外のものは、食べ物のカス、はがれた腸粘膜、腸内細菌とその死骸などの固形物です。つまり、このバランスによって便が硬くなったり柔らかくなったりするのです。
便秘のときは善玉菌が少なく、悪玉菌が優勢になっています。また、排便があってもにおいが強いときも、腸内細菌のバランスが崩れ悪玉菌が増加していると考えられます。増えすぎた悪玉菌が腸内のタンパク質を腐らせて、アンモニアや硫化水素などキツイにおいの有害物質をつくり出すからです。
便の状態をチェック
理想的な便は真ん中のバナナの便。
毎日チェックしよう。
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教えてくれたのは……
東京医科歯科大学名誉教授
藤田紘一郎(ふじた・こういちろう)先生
【Profile】
1939年、中国東北部(満州)に生まれる。東京医科歯科大学医学部卒業、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了。医学博士。テキサス大学留学後、金沢医科大学教授、長崎大学医学部教授、東京医科歯科大学大学院教授などを経て、現在は東京医科歯科大学名誉教授。専門は寄生虫学、熱帯医学、感染免疫学。1983年に寄生虫体内のアレルゲン発見で小泉賞を受賞。2000年にヒトATLウイルス伝染経路などで日本文化振興会社会文化賞および国際文化栄誉賞を受賞。主な著書に『「腸にいいこと」だけをやりなさい!』(毎日新聞出版)、『アレルギーの9割は腸で治る!』(だいわ文庫)、『一生病気にならない「腸健康法」』『図解 体がよみがえる「長寿食」』(ともに三笠書房)など多数。
(抜粋)
書籍『自力で免疫力を上げる腸の強化書 決定版』
著者:藤田紘一郎
編集:伊藤千恵美(銀河企画)、石上ゆかり(オフィスケイズ)
イラスト:須藤みどり、サキザキ ナリ
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください
WEB編集:FASHION BOX、株式会社エクスライト