テレワークに移行したことによって、タイムカードなどで行っていた出勤、退勤管理ができなくなった会社も多い。そんななか、「社員が何時から何時まで勤務したかが分からない」という理由で、残業代をカットするケースも出ているようだ。しかし、本来であれば働いた分の給与が発生するのは当然のこと。在宅ワーク時の勤怠管理の仕方について、これまで600社のテレワーク導入を手がけた越川慎司さんに伺った。
≪目次≫●ツールを使って正しい労働時間を報告・確認しよう
●これは便利! 勤怠管理ツール例
●教えてくれたのは……
ツールを使って正しい労働時間を報告・確認しよう
テレワークの場合、勤怠管理ツールやチャットアプリなどを用いて、出勤などを管理・把握するのが基本だ。残業といった時間外労働に関しても、事業主は、従業員に対して残業代を支払わなければならない。また、みなし労働制やフレックスタイム制を採用している場合でも、事業主は8時間を超える際には時間外賃金を支払う必要がある。
そのいっぽうで、「在宅勤務の期間中は残業代は出ない」と通告する企業もあるとも報じられている。労働基準法に抵触する恐れもあるが、現実的には、社内体制が整っていないと、テレワーク中の時間外労働を把握できないので、残業代などをカットされるケースも少なくない。
こうした問題を未然に防ぐには、あらかじめ会社側と労働時間の取り扱いについて話しておくことが望ましい。もし取り決めがない場合、勤務中は各チーム内でプレゼンス(在席情報)やチャットで労働時間を確認し合うのもアリ。休憩や昼休みの際には、退席中のプレゼンスにすることを習慣化しておきたい。誰がどの程度、残業をしているかも把握しやすくなるはずだ。
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これは便利! 勤怠管理ツール例
オンラインタイムカード
ビジネスチャットで出退勤を報告
勤怠管理ツールの導入が難しい場合にはビジネスチャットを利用して出退勤を報告する方法も。
部署内のビジネスチャットを用意し、勤務中は開いておく
↓
出退勤や昼休みの際にチャットで報告する
↓
既読の有無が見られるうえ、履歴が残るため管理がしやすい
ワンポイントアドバイス!
45分ごとに5分休む“時間管理術”
「テレワークでは、だらだらと長い時間作業をしてしまうことも。キッチンタイマーなどを使って45分1セットで作業を細切れにすると効率がアップします」
(テレワークのプロ 越川慎司さん)
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教えてくれたのは……
株式会社クロスリバー代表取締役社長
越川慎司(こしかわ・しんじ)さん
【Profile】
株式会社クロスリバー代表取締役社長、株式会社キャスター・Anywhere事業責任者。国内外の通信会社、WebExを経て、2005年に米マイクロソフト本社に入社。日本マイクロソフトに転籍後、PowerPointやExcel・Word・Teamsなどの担当役員を務める。2017年に株式会社クロスリバーを設立し、ITをフル活用してメンバー全員が複業でテレワーク、週休3日を実施。延べ600社以上に、ムダな時間を削減し社員の働きがいを高めながら利益を上げていく「儲け方改革」の実行を支援。これまでに書籍を7冊出版し、講演・メディア出演多数。定額制オンライントレーニングサービス「Smart Boarding」にて特別講座を提供。
(抜粋)
『世界一わかりやすいテレワーク入門BOOK』
監修:越川慎司
『世界一わかりやすいテレワーク入門BOOK』をアマゾンでチェック
編集:鈴木ユータ、吉澤亨史、田口学(アッシュ)
編集協力:株式会社ループスプロダクション
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WEB編集:FASHION BOX、株式会社エクスライト