新型コロナウイルスの影響で、在宅ワークが珍しくなくなった昨今。ふと気になるのは、在宅勤務中にかかる水道光熱費や、携帯電話での通話・Wi-Fi利用などの通信回線費、オンライン会議に必要で買い足した機器などの代金。「これって、誰が負担するの……?」と不安に思っている人も少なくないのでは。ここでは、会社が負担すべき費用やその方法などを紹介する。
≪目次≫●必要な備品や通信環境は、企業側で用意するのがベター
●ノートPCやスマートフォンは会社が支給することが多い
●水道光熱費などのインフラ費用は手当などで一定額を支給するケースも
●教えてくれたのは……
必要な備品や通信環境は、企業側で用意するのがベター
自宅で作業するにあたり、気になるのは水道光熱費などの費用。労働基準法第89条(※)では、「労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合においては、これに関する事項を就業規則に定めなければならない。」と規定されており、テレワークに必要な備品は企業側で用意するのがベター。ただ、光熱費は業務使用分との切り分けが困難であるため、企業側が負担するケースは少ない。
そのほか、在宅勤務でかかる諸費用には、通信回線費用、備品などの費用が挙げられる。現物で支給できる備品は会社がすべて負担するケースが多い。たとえばノートPCは、セキュリティの面からも、会社支給のPCを使用することが望ましい。加えて、ヘッドセットも支給するケースが多い。
また、特に問題となるのはネットワーク環境である。自宅でインターネットが使える環境が整っていなければ、会社側がモバイルWi-Fiルーターを貸し出すのが一般的。仕事とプライベート用途の切り分けが難しいため、自宅内のブロードバンド回線の工事費や月額費用をすべて負担する企業はあまりない。
※労働基準法 第89条第1項第5号……労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合においては、これに関する事項を就業規則に定めなければならない。
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ノートPCやスマートフォンは会社が支給することが多い
PC本体や周辺機器、携帯電話、スマートフォンなどについては、会社が貸与しているケースが多い。文具消耗品については会社が購入したものを使用することが多いため、切手や宅配メール便など、事前に配布できるものは従業員に渡しておきたい。会社宛の宅配便は着払いにするなどで対応できる。
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水道光熱費などのインフラ費用は手当などで一定額を支給するケースも
自宅の電気や水道など、業務使用分との切り分けが困難なものの費用は、テレワーク勤務手当などで一定額を支給するケースがある。自宅内のブロードバンド回線の工事費、基本料金、通信回線使用料といったものをすべて会社が負担する例はほとんどない。
ワンポイントアドバイス!
自宅のインターネット環境を必ずチェック
「テレワークをするうえで、重要なのがインターネット環境です。Web会議やメール、ビジネスチャットをするうえで必須です。環境がなければ、モバイルWi-Fiルーターの支給をしましょう」
(テレワークのプロ 越川慎司さん)
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教えてくれたのは……
株式会社クロスリバー代表取締役社長
越川慎司(こしかわ・しんじ)さん
【Profile】
株式会社クロスリバー代表取締役社長、株式会社キャスター・Anywhere事業責任者。国内外の通信会社、WebExを経て、2005年に米マイクロソフト本社に入社。日本マイクロソフトに転籍後、PowerPointやExcel・Word・Teamsなどの担当役員を務める。2017年に株式会社クロスリバーを設立し、ITをフル活用してメンバー全員が複業でテレワーク、週休3日を実施。延べ600社以上に、ムダな時間を削減し社員の働きがいを高めながら利益を上げていく「儲け方改革」の実行を支援。これまでに書籍を7冊出版し、講演・メディア出演多数。定額制オンライントレーニングサービス「Smart Boarding」にて特別講座を提供。
(抜粋)
『世界一わかりやすいテレワーク入門BOOK』
監修:越川慎司
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編集:鈴木ユータ、吉澤亨史、田口学(アッシュ)
編集協力:株式会社ループスプロダクション
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