専門家が教える水の選び方! 8種類の水を飲み分けてメリットを最大に!

水の種類・期待できる効果を医学博士が解説! 軟水・硬水・シリカ水など8選

水は種類によって、含まれている成分が違います。水の成分が違うということは、体にもたらす効果も異なるということ。今の自分の体が求めている効果を得られる水はどのような水なのか、東京医科歯科大学名誉教授・医学博士の藤田紘一郎さんに、水の選び方を目的別に教えてもらいました!
「毎日選ぶ1本で、体が変わってきます」(藤田紘一郎先生)

≪目次≫
●「軟水」は和食にぴったりで、体への吸収率も◎
●「硬水」は不足しがちなミネラルを補える
●「炭酸水」のシュワシュワが血行改善のカギとなる!
●「アルカリイオン水(還元水)」は“機能水”を名乗れるただひとつの水
●「海洋深層水」は海の奥深くに眠っている有効成分が溶け込んだ水
●「バナジウム天然水」は血糖値を下げるホルモンと似た性質を持つ
●「温泉水」はつかって温まるだけでなく飲むと健康効果も発揮
●「シリカ水」で現代人に不足しがちなミネラルを効率よく摂取!
●教えてくれたのは……

 

「軟水」は和食にぴったりで、体への吸収率も◎

<「軟水」に期待できる効果>

  • シワ対策

  • 美肌づくり

  • デトックス

  • 血液サラサラ

まろやかな口当たりでクセがない軟水。日本の水の多くは軟水です。飲みやすいうえ、体への吸収率も高いので、日常的にとる水として申し分なし。こまめに水分を補給して、体内を循環させることで、老廃物を排出することができます。体内の水分量を保持していれば、加齢によるシワ対策にも。

また、血液中の水分量を増やして血液のドロドロを解消することで、血流がよくなり、内臓や肌の調子もアップします。軟水はカルシウム、マグネシウムなどミネラルの含有量が低いので、胃腸に負担もかけません。

また、和食料理にぴったりなのは、軟水です。素材のうま味を引き出すだしをとるのに適し、ごはんをふっくら炊き上げるのにも、野菜の煮物にも、水分の浸透がいい軟水が向いています。

 

「硬水」は不足しがちなミネラルを補える

<「硬水」に期待できる効果>

  • ダイエット

  • 便秘解消

  • 骨粗しょう症予防

  • 血糖値改善

硬水にはカルシウムやマグネシウムのほか、さまざまなミネラルが溶け込んでいます。特にダイエット中はミネラルが不足しがちになるので、硬水でサポートするのもいいでしょう。

カルシウムには脂肪の燃焼を促進し、吸収を抑えてくれる効果があります。不安やイライラの解消にも役立ちます。水に含まれるのは粒子が細かいカルシウムイオンなので、牛乳や小魚より効率的に摂取できるものうれしいところです。

マグネシウムは腸内の水分を引き寄せて便をやわらかくしてくれます。お腹の調子がいいと、ダイエットの成功率もアップ。また、糖質の腸での吸収を抑え、血糖値の急上昇を防ぐ効果もあります。

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「炭酸水」のシュワシュワが血行改善のカギとなる!

<「炭酸水」に期待できる効果>

  • 冷え改善

  • 便秘解消

  • 食欲増進

  • 暴食抑制

炭酸ガスを含んだ水を炭酸水と呼びます。最近は人工的に二酸化炭素を注入したものが多く売られていますが、自然に湧き出る炭酸水もあります。

炭酸水を飲むと血中の二酸化炭素の濃度が増えますが、体はそれを「酸欠」と勘違いします。すると血管が広がって血液が全身に行きわたり、冷えが改善するのです。

食前に150mLほど飲むと、胃が刺激されて食欲を増進。300~500mLほど飲むと炭酸ガスでお腹が膨れて食欲を抑制できます。朝の1杯で便秘解消にも。

また、重炭酸イオンが入ると、普通の炭酸水より効果が高いという説もあり、スポーツ選手やモデルに人気です。

 

「アルカリイオン水(還元水)」は“機能水”を名乗れるただひとつの水

<「アルカリイオン水(還元水)」に期待できる効果>

  • 胃腸を整える

  • 生活習慣病予防

  • 疲労回復

  • 美肌づくり

水を電気分解することで陰極側に作られる、pH9~10ほどの弱アルカリ性電解水。胃酸過多や下痢などに効果があると科学的に認められています。近年はアトピー性皮膚炎の緩和、血糖値やコレステロール、体脂肪のコントロール、学習能力の改善、二日酔いの改善などにも効果があることがわかってきました。「機能水」と呼んでいいのは、現在はアルカリイオン水だけです。

体が疲れているときは、体に乳酸がたまり、体が酸性に傾いて、肌荒れやシミ、シワなどができやすくなります。アルカリイオン水は、そんな体内のバランスを整えてくれる効果も。飲む量は、1日で体重の5%以内が目安です。

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「海洋深層水」は海の奥深くに眠っている有効成分が溶け込んだ水

<「海洋深層水」に期待できる効果>

  • 美肌づくり

  • 更年期症状緩和

  • 便秘改善

  • PMS(月経前症候群)改善

水深200m以上の深海層にある海水。もちろんそのままでは塩辛くて飲めないので、塩分を抜く処理をしています。

海の深くには太陽の光が届かないため、植物プランクトンが生息できません。そのため有効成分が栄養として使われることなく、たくさん残っているのです。また、化学物質や放射性物質の汚染などの心配もありません。

海洋深層水はミネラルをバランスよく含み、特にマグネシウムが豊富です。その効果で肩こりや高血圧、骨粗しょう症、便秘の改善などをサポート。また更年期症状やPMSを改善し、肌のターンオーバーを助けるなど女性の強い味方です。

 

「バナジウム天然水」は血糖値を下げるホルモンと似た性質を持つ

<「バナジウム天然水」に期待できる効果>

  • 糖尿病予防

  • 動脈硬化予防

  • 高血圧改善

  • 血液サラサラ

バナジウムとは、カルシウムやマグネシウムと同様に、体でさまざまな働きをするミネラルのひとつ。あさりやひじき、わかめなどに多く含まれています。

日本では、富士山の近くで採水できます。バナジウムは玄武岩に多く含まれる成分ですが、富士山には玄武岩の地盤が7層あるため、バナジウムを豊富に含んだ天然水が採れるのです。

また、バナジウムは、血糖値を下げるホルモンであるインスリンと似た働きをするという研究報告があります。同時にコレステロール値を下げ、血液をサラサラにしてくれます。また、デトックスや脂肪の燃焼、美肌にも効果があるとして、研究が続けられています。

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「温泉水」はつかって温まるだけでなく飲むと健康効果も発揮

<「温泉水」に期待できる効果>

  • イライラや不安を解消

  • 便秘改善

  • 糖尿病予防

  • 血圧コントロール

日本ではもちろん、温泉が豊富なヨーロッパでも、古くから温泉水を飲む健康法がありました。その源泉によって成分は異なりますが、カルシウムやマグネシウムのほか、カリウム、ナトリウム、リチウム、サルフェートなどが豊富です。特に弱アルカリ性のものは浸透力が高いため、胃腸を整える効果が期待できます。

ただし、すべての温泉水が飲用に適しているわけではないので、勝手に飲むのはNG。ペットボトルで販売されているものか、飲用の表示があるものを選びましょう。

温泉水は飲むだけでなく、化粧水代わりに肌につけても◎。ミネラル成分が肌にうるおいを与え、トラブルを改善してくれます。

水の種類・期待できる効果を医学博士が解説! 軟水・硬水・シリカ水など8選

 

「シリカ水」で現代人に不足しがちなミネラルを効率よく摂取!

<「シリカ水」に期待できる効果>

  • 髪や爪を美しく

  • アンチエイジング

  • 美肌づくり

  • デトックス

最近、注目を集めているシリカ水。シリカとは二酸化ケイ素類の総称で、ミネラルの一種です。玄米や粟、ヒエなどの雑穀に多く含まれており、免疫力をサポートし、体の柔軟性や弾力を保ってくれるといわれています。

シリカは肌の保湿や骨、毛髪、爪などの再生を助けてくれる成分。30~40歳くらいになると、持っている量が生まれたときの半分になってしまいます。体内で作ることができないため、食品からとるしかありません。美肌によいとされるコラーゲンやヒアルロン酸を摂取するときは、同時にシリカをとるとさらに効果がアップします。シリカ水を利用すると手軽です。

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教えてくれたのは……

専門家が教える水の選び方! 8種類の水を飲み分けてメリットを最大に!

藤田紘一郎(ふじた・こういちろう)

【Profile】

東京医科歯科大学名誉教授・医学博士

1939年、中国・旧満州生まれ。東京医科歯科大学医学部卒業。東京大学医学系大学院修了、医学博士。テキサス大学留学後、金沢医科大学教授、長崎大学医学部教授、東京医科歯科大学大学院教授を経て、東京医科歯科大学名誉教授。専門は、寄生虫学、熱帯医学、感染免疫学。1983年、寄生虫体内のアレルゲン発見で、小泉賞を受賞。2000年、ヒトATLウイルス伝染経路などの研究で日本文化振興会・社会文化功労賞、国際文化栄誉賞を受賞。現在、講演で全国を飛び回っている。

主な著書に『自力で免疫力を上げる腸の強化書 決定版』、『やせる! 病気が治る! 玉ねぎヨーグルト健康レシピ』(ともに宝島社)、『図解 体がよみがえる「長寿食」』(三笠書房)、『40歳からはパンは週2にしなさい』(廣済堂出版)、『ヤセたければ、腸内「デブ菌」を減らしなさい!』(ワニブックス)などがある。

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(抜粋)

専門家が教える水の選び方! 8種類の水を飲み分けてメリットを最大に!

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監修/藤田紘一郎

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取材・文/小森かおる、上村絵美
編集/水口千寿
WEB編集/FASHION BOX
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