今年は何かと思うようにいかなかったり、不安などからモヤモヤすることが多く、イライラの種が増えているように感じます。
精神科医の水島広子先生に、マイナスの感情に振り回されず、自分らしく健やかな気持ちで過ごすためのヒントを教えてもらいました。
●誰もがイライラを抱えがちな状況
考えグセを変えるだけで楽になる
●そもそもイライラはどこから来るの?
●教えてくれたのは……水島広子先生 Profile
誰もがイライラを抱えがちな状況
考えグセを変えるだけで楽になる
先の予定が不透明になったり、家族との間で摩擦が起きたり、悪いニュースを見聞きしたり……。普段は落ち着いて過ごしている人でも、イライラする状況が起こりがちなこの頃。
「人は衝撃を受けると不安になり、それがイライラにつながります。今のように世の中が不安定だと、不明瞭な悪い情報を深追いしがちですが、それではイライラが増えるだけ。少し距離をおいて自分を守りましょう」と、水島先生。
経済的な不安や家庭内の問題も、“こんな世の中が悪い”と考えても解決策が見つからず、気づかないうちにイライラを抱えることに。慢性的なイライラは、体調にも悪影響を及ぼします。
「解決できないイライラも、自分の考えグセに気づくことで気分を変えることはできます。どうにもならないことは、『みんなも困っているんだね』と、誰かと不安を共有するだけで楽になることも。今こそ、イライラ気分に賢く対処する方法を考えましょう」
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そもそもイライラはどこから来るの?
どんな場面でイライラしてしまうのでしょうか。
その傾向に気づくだけで「あ、私またイライラしている」と、客観的になれます。
自分でコントロールできない状況が続く
イライラは、自分ではコントロールできない困った状態が続くことで発生します。たとえば、家族など身近な人との関係で起きるごく個人的なことであれば、解決が可能なこともありますが、仕事や社会の環境、感染症の心配など多くのことはコントロールできません。こういった状況でイライラを感じるのは当たり前なので、自分の感情を認めることが大切です。
こうある“べき”という思考に縛られる
「~べき」という意識が強い人は、それに反する状況や反する行動を見ると、イライラしてしまいます。しかし、「~べき」の意識が強いかどうかは、生まれつきや育った環境によって個人差があります。自分は「~べき」が強いと思う人は、イライラしたときにそのことを思い出しましょう。一回落ち着けば、実はあまり大したことではないと、気づけるかも。
心に衝撃を受け、傷つく
「え、なんで!」と思うような、予想外の出来事に出くわすと、衝撃を受けて傷つき、それがイライラの感情になります。たとえば、並んでいる列に割り込みをされたり、誰かから嫌味とも捉えられる言葉を言われたりしたら、イラッとしてしまいます。不愉快な出来事に違いはありませんが、やり返したりそれをきっかけにずっとイライラしていては、自分が傷つくだけです。
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教えてくれたのは……水島広子先生 Profile
精神科医。対人関係療法専門クリニック院長。衆議院議員として、児童虐待防止法改正などにも取り組む。『「つい感情的になってしまう」あなたへ』(河出書房新社)ほか、著書多数。
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(リンネル 2020年10月号)
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