糖尿病の改善に! 血糖値&HbA1c(※)を下げる“食前と食間の高カカオチョコ”|医師 監修

糖尿病の改善に! 血糖値&HbA1c(※)を下げる“食前と食間の高カカオチョコ”|医師 監修

糖尿病の原因となる血糖値の上昇。抑えようとして、糖質制限などの食事療法を試しても、つい途中で断念してしまう……という方も多いのではないでしょうか? そこで今回は、普段の生活で少し気をつければできる「血糖値を下げる3つのルール」をご紹介します。しかも、3つのルールのうち、いずれか1つでも続けられればOKという、お手軽に実践できる方法です。一体どんなルールなのか、栗原クリニック東京・日本橋院長の栗原毅先生に詳しく教えていただきましょう。

コツをつかめば血糖値は下げられる!

数多くの糖尿病患者と向き合い、血糖値改善のための食事や運動を指導してきた、栗原クリニック東京・日本橋院長の栗原毅先生。患者さんに伝えているのは、(1)糖質をちょいオフする、(2)よく嚙んでゆっくり食べる、(3)食前と食間に高カカオチョコを食べる、の3つ。

「すべてを実行しなくてはならないわけではありません。糖質を少し控える『糖質ちょいオフ』に加え、あとはできることを1つでもよいので何かしらを続けるようにしましょう。1つだけならきっとできるはずです」

 

血糖値とHbA1c(※)を下げる「たった3つのルール」

(1)糖質をちょいオフする

血糖値を上げるのは、ご飯やパン、麺類などに含まれる糖質です。
また、果物に含まれる果糖という糖質は吸収されるスピードが速く、血糖値を急上昇させてしまいます。これらの摂取量を少しだけ減らしましょう。それが1つめの『糖質ちょいオフ』です。

「主食の量を10~20%ほど減らしましょう。ひと口からふた口分を減らすだけでいいのです。それだけで、薬を使わずに血糖値を下げることができます。むしろ、糖質の摂取を極端に減らすのは逆効果。体が危険を感じて脂肪をため込もうとし、糖質の吸収が盛んになってしまいます」

糖質を減らす分は、たんぱく質の肉や魚、卵を積極的に食べ、満腹感を得ながら筋肉を増やすようにしましょう。大切なことは糖質を減らすことで、カロリー制限ではないので、おかずはガマンしなくても大丈夫です。

「とくに肉や卵をたくさん食べてください。血液中に含まれるたんぱく質である『アルブミン』の量が増え、摂取した栄養素が必要な場所にしっかり運ばれるようになります。筋肉や骨がしっかりすることで糖がしっかり消費され、血糖値が落ち着き、内臓脂肪も燃焼させることができます」

ポイント

ご飯やパン、麺類の量を、ひと口~ふた口分(10~20%)減らします。加えて、主食を最後に食べるようにしましょう。

 

(2)よく嚙んでゆっくり食べる

食べ方にも、血糖値を下げるコツがあります。よく嚙んでゆっくり食べることです。
「ガツガツと早食いすると、一度にたくさんの食べ物が腸に届き、短い時間に大量の糖質が吸収されてしまうので、血糖値を急上昇させてしまいます」

一方、いつもより10回多く嚙むことを意識しながらゆっくり食べると、糖質の吸収がゆるやかになることに加え、満腹感を得やすく、食べすぎを防止できます。

「さらに、食べる順番も意識できるとなおよしです。血糖値を下げる食べ方としてよく行われているのは、野菜を先に食べる方法ですが、年齢とともに食欲が落ちている人は、肉・魚・卵などを十分に食べてから、野菜を食べましょう。そのあとにご飯を食べるようにすると、血糖値の急上昇を抑えることができます」

 

数値改善レポート(栗原クリニック東京・日本橋の患者さんの例)

糖尿病の改善に! 血糖値&HbA1c(※)を下げる“食前と食間の高カカオチョコ”|医師 監修

■40代女性・Aさん
おやつのお菓子を高カカオチョコにし、食前分と合わせて1日10枚を摂取。加えて、ご飯をひと口分減らした結果、上記の数値に改善。体重は半年で11kg減!

■40代男性・Bさん
とにかくゆっくり嚙むことを意識(仕事の合間の昼食が一番苦労した)。加えて、ご飯をひと口分残すようにしたところ、上記の数値に改善。肝機能も向上した。

■80代男性・Cさん
足腰が弱ってしまい、血糖値改善のための運動は難しかったが、栗原先生のご指示で「卵を1日5個食べる」を実践したところ、歩くのも楽になり、数値も改善。

 

ポイント

ひと口30回嚙むことを目標に、まずはいつもより10回多く嚙むことを意識。
昼食に25分、夕食に30分かけるのが理想です。

 

※HbA1cとは……

ヘモグロビンエーワンシ―。血液成分である赤血球内のたんぱく質「ヘモグロビン」が、ブドウ糖と結合している割合(%)を表す数値。HbA1cからは過去1~2カ月の血糖の平均値を見ることができ、「日常的に血糖値が高いかどうか」がわかるため、早期発見に役立つとして2010年から診断基準に取り入れられた。

 

「サバ缶納豆」で血糖値を改善! 循環器系疾患の死亡リスクも減る!?|医師 監修

血糖値を下げたいなら食後に「かかと落とし」! 骨ホルモンがインスリン分泌を促進|糖尿病専門医 監修

 

(3)食前と食間に高カカオチョコ

栗原先生がイチ押しする降糖食材は、カカオ分70%以上の高カカオチョコです。朝昼夕の食前と食間に1枚(5g)ずつ、合計で1日5枚を食べることで血糖値を改善できます。

「イタリアでのある研究で、カカオに含まれるカカオポリフェノールに血糖値を下げる効果があることがわかっています。また、カカオには食物繊維が豊富に含まれており、野菜や豆類より効率よく摂取できます。この食物繊維を食前に摂ることで、糖の吸収をゆるやかにすることができます」

糖尿病の改善に! 血糖値&HbA1c(※)を下げる“食前と食間の高カカオチョコ”|医師 監修
高カカオチョコ。スーパーやドラッグストアで購入できる。

複数回に分けて、高カカオチョコの効果を分散させるのがコツ。小腹が空いたら高カカオチョコを食べるようにすると、血糖値が下がるのに加え、高血圧や便秘の改善、ダイエット効果も期待できます。日々の生活にぜひ取り入れてみましょう。

 

ポイント

朝昼夜の食前に、カカオ分70%以上の高カカオチョコを1枚(5g)食べましょう。
食間にも1枚ずつ、合計で1日5枚(25g)が理想。

 

控えなくてもよい食品

■肉

糖尿病の改善に! 血糖値&HbA1c(※)を下げる“食前と食間の高カカオチョコ”|医師 監修

■魚

糖尿病の改善に! 血糖値&HbA1c(※)を下げる“食前と食間の高カカオチョコ”|医師 監修

■卵


さば缶&鮭缶を食べると‟やせホルモン“GLP-1が出る!? 仕組みを解説

血管にいい食べ物とは? 高血圧・高血糖・血栓も予防できる食品 [医師監修]

高血圧・高血糖はなぜ危険? 更年期からは血管年齢を要チェック![医師監修]

 

教えてくれたのは……

栗原クリニック東京・日本橋院長
栗原 毅(くりはら・たけし)先生

糖尿病の改善に! 血糖値&HbA1c(※)を下げる“食前と食間の高カカオチョコ”|医師 監修

【Profile】
医学博士。日本肝臓学会専門医。前慶應義塾大学大学院教授、前東京女子医科大学教授。「血液サラサラ」の名付け親の一人。生活習慣病や寝たきりなどの予防・改善の情報を広く発信している。著書多数。

(抜粋)
糖尿病の改善に! 血糖値&HbA1c(※)を下げる“食前と食間の高カカオチョコ”|医師 監修

TJ MOOK『薬いらずの特効法 血糖値を下げる50のコツ』

編集、執筆:株式会社はる制作室、真瀬 崇、坂本夏子、石野宏幸
執筆協力:常井宏平
撮影:中川晋弥
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください
WEB編集:FASHION BOX、株式会社エクスライト

RELATED CONTENTS

関連コンテンツ