(2020年5月28日 更新)
体中に酸素や栄養素を運ぶ血管は、まさに体の生命線。この血管力の衰えの原因となる高血圧・高血糖を防ぐことができれば、より健康になり、さらに若々しさをキープできます。後天性疾患の90%は生活習慣が原因! 血管力を高める生活習慣【食事編】を、心臓血管外科医の南和友先生に教えていただきました。
≪目次≫
●今すぐ心がけたい 血管力を高める生活習慣【食事編】
○<Point 1> 低塩分
○<Point 2> 低血糖
○<Point 3> 善玉のコレステロールを増やす
●教えてくれたのは……南 和友先生 プロフィール
今すぐ心がけたい 血管力を高める生活習慣【食事編】
塩、脂、糖の摂りすぎを見直して!
炭水化物や塩を少しずつ減らした献立を
ヘルシーなイメージが強い日本食ですが、実は国際的に見ても日本は食生活を原因とする高血圧症の人が多い国。特に代謝が落ちる50代は、食の見直しが必要になります。
しょう油を多用する日本食では、つい塩分過多になりがち。特に外食は塩分や油分が多く使われているので、血圧が気になる人は要注意です。手軽に楽しめるインスタント食品も、塩分が多く含まれています。
さらに、日本の食生活で見落としがちなのが、糖分の摂りすぎです。糖分というと砂糖をイメージする人が多いかもしれませんが、米、パン、パスタといった炭水化物を摂りすぎると体内で中性脂肪に変化し、高血糖の原因となります。50代は運動量や基礎代謝が落ちているので、炭水化物は成長期ほど必要としていません。炭水化物の摂取を抑えたメニュー改善が必要です。
満腹中枢を麻痺させるといわれている化学調味料も、太りすぎの原因に。食べても食べても満腹感が感じられないので、結果太りやすく、やせにくい体質になってしまいます。満腹感が感じられないと消化酵素も出てこないので、十分な栄養素を吸収できず、食べているのに栄養不足になることもあります。
血液の成分は21日間で作られ、入れ替えられます。つまり、今から食生活を改善すれば、21日後には血液が若返り、血管力を高めることができるという訳です。血管にいい食べ物と悪い食べ物を理解することで思考をチェンジして、若々しい血管を目指しましょう。
高血圧・高血糖に注意! 更年期から血管年齢チェックが必須なワケ [医師監修]
<Point 1> 低塩分
素材そのものの味を楽しむ工夫を
一般的に塩分は1日8gまでとされていますが、50代なら活動量も代謝も低いので、1日6gが理想的です。
食事を楽しみながら減塩するためには、だしを利かせ、素材の味を生かした献立が理想的。初めは物足りなく感じるかもしれませんが、本来の味覚を取り戻すことで、無理なく減塩が続けられるようになります。
◎だしを利かせる
だしの旨みでメリハリをつけることで、塩分控えめでもおいしく仕上がります。いつものかつお節&昆布だしに加え、煮干しや干し貝柱、干し海老といった素材も味のアクセントに。
◎塩入りの調味料を使わない
しょう油や味噌、ソースやケチャップに加え、市販のスープの素やめんつゆにも塩分が多く含まれています。レモン汁やハーブ類、お酢で味つけすることで、塩分の摂りすぎを防げます。
◎加工食品を使わない
炒め物や和え物などに便利な合わせ調味料は意外に塩分をたくさん使っています。また、ハムなどの加工肉やかまぼこ・ちくわ類、味つけ済みの缶詰にも塩分が多く含まれています。
参考:「3日で2キロやせる おいしい塩なしレシピ」(?田麻子・著 KADOKAWA・刊)
血糖値・血圧・コレステロールを下げるならラム肉を食べるべき?
<Point 2> 低血糖
白米や麺類を控えて糖分の摂りすぎを抑える
糖尿病は高血圧や心臓病、腎臓障害などを引き起こす恐ろしい病気。甘い物を食べすぎると糖尿病になりますが、炭水化物の摂りすぎも高血糖の原因となります。
糖分摂取量を抑えるには、白米や麺類の量や取得回数を減らし、砂糖を使う献立は避けて果糖の摂りすぎにも注意しましょう。定期的に血糖値をチェックし、数値を管理するのも効果的です。
[医師が教える高血圧を防ぐ方法]1日の塩分摂取量はどのくらいがベスト?
<Point 3> 善玉のコレステロールを増やす
善玉コレステロールを増やす食材を取り入れる
悪役にされがちなコレステロールですが、実は細胞や血管壁を作るために欠かせない存在。むやみに減らすのではなく、善玉コレステロールと呼ばれるHDLコレステロールを増やすことで、悪玉コレステロールを減らすことができます。下の「おさかなすきやね」は、HDLコレステロールを多く含む食品のリスト。日常的に食事に取り入れましょう。
【お】お茶
緑茶に多く含まれるカテキン成分には、コレステロールや中性脂肪、血糖値を下げる効果があります。
【さ】魚
DHAやEPAなどの不飽和脂肪酸は、血液をさらさらにします。特にイワシやサバ、サンマなどの青魚がおすすめ。
【か】海藻
水溶性食物繊維をたっぷり含む海藻類は、脂肪を吸着して体外に排出。代謝を促すミネラルも豊富です。
【な】納豆
納豆酵素の「ナットウキナーゼ」は、血栓を溶かして血流をスムーズに。脂質代謝を促すビタミンB2も豊富。
【す】酢
すっぱく感じる成分クエン酸は、赤血球の膜を柔軟にする効果があり。血液をさらさらにするので血流を改善。
【き】きのこ
きのこ特有の水溶性食物繊維β-グルカンには、コレステロール値や血糖値を下げる効果があります。
【や】野菜
ビタミンやミネラル、食物繊維を豊富に含む野菜類は、1日350g以上を目標に食べましょう。
【ね】ねぎ
ねぎ特有の成分アリシンは、血小板の凝集(損傷部位に集まること)を抑え、血栓をできにくくします。
[血圧を下げる飲み物]ハイビスカスティー・ココアは高血圧に効く?! 食事をズボラにした日は飲み物で調整!
▶健康的な食生活をサポートする
機能性表示食品を利用するのもおすすめ
血圧を改善し、正常に保つ
ナチュラルケア・粉末スティック〈ヒハツ〉(3g×30袋)¥2,800/大正製薬
コショウ科の常緑植物・ヒハツ由来のピペロンが高めの血圧を改善し、正常な血圧を維持。血圧が高めの人に。
食後血糖値が気になる人に
グルコケア・粉末スティック(6g×30袋)¥2,800/大正製薬
難消化性デキストリン配合で、食後の血糖値の上昇を緩やかにします。緑茶風味でホットでもアイスでも楽しめます。
サラシノール成分が糖の吸収を抑える
メタバリアEX(240粒[約30日分])¥4,570/富士フイルム(富士フイルム ヘルスケア ラボラトリー)
機能性関与成分サラシノールが糖の吸収を抑えるので、血糖値が気になる人や腸内環境を整えたい人に。
教えてくれたのは……
南和友クリニック 院長
南 和友先生
プロフィール:1976年にデュッセルドルフ大学胸部血管外科へ留学し、以後30年間、ドイツにて心臓治療の第一線で活躍。心臓手術は約2万件、心臓移植は約1,500件の症例数を持つ。現在、南和友クリニック理事長・院長。
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illustration_Noriko Kimura
text_Akiko Fujiki[PORTA]
(大人のおしゃれ手帖 2020年4月号)
web edit_FASHION BOX, Ayaki Ando[vivace]
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