3世代続く発酵だより｜真藤舞衣子の発酵美人になりませう。
『大人のおしゃれ手帖』で連載中の「真藤舞衣子の発酵美人になりませう。」。今回のテーマは「白みそ」。料理家の真藤舞衣子さんに真藤家の白みそのレシピ、そして白みそをつかった西京漬のレシピを教えてもらいました。
料理からおしゃべりが弾む我が家の白みそ談義
今回の白みそは、炊飯器を利用して短時間で糀を発酵させるので、1日で仕込めることと、フレッシュな味が魅力です。白くなめらかに仕上げるコツは、煮た大豆の薄皮を丁寧に取り除くこと。仕上がりがぐんとよくなります。
真藤家のお雑煮は、元旦が関東のおすまし、二日目は白みそ仕立て。真藤家は食いしん坊だから両方食べるのです（笑）。
白みそで思い出すのは、我が家の「鯖のみそ煮」が白みそ仕立てだったこと。祖母の味だと思い込んでいたのに、「昔うちで働いていた“大ばば”がつくっていたんじゃないの？」と母。う〜ん、そうかなあ。「それより私はあなたの牛ほほ肉の白みそポトフがまた食べたいわー」ですって。そう、白みそはお雑煮だけではありません。春先は旬の新玉ねぎの白みそ椀、みそ煮込みうどんに赤みそと白みそをブレンドするのもよくやります。おいしいものを食べながら、ほかのおいしいものの話をするのは我が家の常。白みそで思い出話やおしゃべりが次々生まれてくるのも楽しいですね。
真藤家の白みそ
材料 〈つくりやすい分量〉
大豆……200g
大豆の煮汁……2カップ強
米糀……400g
塩……10g
日本酒……大さじ1と1/2
つくりかた
1. 洗った大豆を、たっぷりの水に一晩浸す。約2倍に膨らんだらOK。
2. 圧力鍋に1の大豆を入れ、かぶるくらいの水を加えて、落とし蓋をしてから蓋をする。中火で蒸気が出るまで加圧し、弱火にして20分加圧。火を止めて、自然に圧が落ちるまで待つ。
3. 鍋の中に浮いている大豆の薄皮をできるだけ取り除く。大豆がかぶるくらいまで水を加えて、煮立たせる。煮立ったら大豆をざるにあげ、煮汁は別に取っておく。
4. 保温状態の炊飯器に、米糀と大豆の煮汁を加えてよく混ぜる。炊飯器の蓋を閉めずに、ぬれ布巾をかけて1時間保温する。
5. 4に大豆を入れて、ハンドミキサーでなめらかにする。蓋を閉めずにぬれ布巾をかけて、6〜8時間保温する。3時間ほどしたら途中で塩を入れる。味見して甘みが足りなければ、さらに保温する。
6. 保温を切って、冷めたら日本酒を入れて混ぜる。もっとなめらかにしたい場合は、さらにハンドミキサーをかける。保存容器に入れ、冷蔵庫で保存して10日以内に食べきる。冷凍庫なら約1か月保存可能。
［レシピ］自家製コチュジャン入りチゲ鍋の作り方｜発酵研究の真藤舞衣子が教える
料理家SHIORI直伝レシピ｜りんごとチキンのクリーム煮＆りんごのホワイトサングリア
西京漬
材料 〈2人分〉
白みそ……100g
みりん……大さじ2
塩……適量
魚の切り身（鮭・銀だら）……各1切れ
つくりかた
1. 保存容器に、白みそとみりんを混ぜ合わせて、西京みそ床をつくる。
2. 魚の切り身に、塩を振って10分おく。切り身の水気を取り、1の西京みそ床に半日から一晩ほど漬ける。
3. 切り身についたみそを拭き取ってから、グリルで焼く。魚の切り身以外に肉を漬けてもおいしい。
さば味噌缶をアレンジ！ 炊き込みごはんレシピ［なすび亭の巨匠・吉岡英尋 直伝］
教えてくれたのは……真藤舞衣子さん
【PROFILE】
発酵研究、料理家。IT会社勤務を経て京都の禅寺にて1年間生活。フランス留学を経て現在に至る。近著に『免疫力が上がる、おいしくなる からだが整う発酵おつまみ』（立東舎）。
Instagram：@maikodeluxe
サバ缶は食べるだけで内臓脂肪が減る！ 簡単レシピ4選［医師 監修］
【料理家SHIORIレシピ】さつまいもと秋鮭のグラタン＆さつまいもフライドポテト
photograph：Shuhei Tonami
styling：Maiko Shindo
text：Hiroko Nishikawa
（大人のおしゃれ手帖 2021年1月号）
※ 画像・文章の無断転載はご遠慮ください
web edit：FASHION BOX
