taraさんと考える|私と地球に心地よい暮らし
地球と私たち生物のサステナブルな未来のために、今何ができるのか。モデルのtaraさんと一緒に学び、実践していきます。今回のテーマは「食と生物のつながりを感じる」です。
「Ome Farm」で食と生物のつながりを感じる
毎日の食材は、太陽・水・土・空気を媒介して鳥や虫、植物たちが連鎖し育まれる宝物。なかでも土地の特色を持った「伝統野菜」は日本の文化と言っても過言ではありません。その種を守り自然栽培する「Ome Farm」を訪ねました。
「Ome Farm」では江戸東京野菜をはじめとする日本各地の伝統野菜や、ケール、ビーツといった西洋野菜など60~70品目を栽培。写真は滋賀県由来の万木(ゆるぎ)かぶの畑。この日は収穫したばかりの品川かぶ(江戸東京野菜)入りカレーを皆でいただきました。
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「自然のまま」が、おいしさに
都心から1時間ほど、東京・青梅市にある「Ome Farm」は農薬・化学肥料不使用で「固定種・在来種」由来の伝統野菜を育てています。
「固定種・在来種」とは、安定して大量生産しやすいよう人為的に作られた種「F1種」に比べて、何代にもわたって自分たちで作物から種をとり、育て、その作物からまた種をとり受け継ぐ、手間暇のかかるもの。これらの種がその土地の気候・風土に適した性質を持ち、江戸東京野菜や京野菜、加賀野菜などの伝統野菜となります。
「農薬を使わないので畑の虫はほったらかし。ムクドリも飛んできて、農作物をツンツンやりますが、一緒に虫もツンツンしてくれる。伝統野菜は虫に弱いと言われていますが、不思議と壊滅的な打撃にはならないんです。人が手を入れすぎないことで、おいしい野菜になります」と代表の太田太さん。
養蜂も行っており、ミツバチは農作物の受粉を手伝ってくれる「神様」。秋ならミツバチによって畑の栗のなりがよくなり、栗を蜜源にハチミツが採れ、商品にならないイガ栗は堆肥に。その堆肥で野菜を育て……。さまざまな生き物の相互作用で育った野菜たちは、生命力に溢れ、輝いていました。
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1. VEGETABLES
白いにんじん・ルナーホワイトやケールなどの栄養価が高く珍しい西洋野菜も豊富。「Ome Farm」は野菜の個人宅配は行っておらず、青山ファーマーズマーケットで購入可能。東京・浅草橋にある直営カフェ「Ome Farm Kitchen」でも食べられます。
2. COMPOST
野菜くずなどの植物性原料のみで堆肥を手づくり。臭みがゼロ!
3. HONEY
農場の野菜や青梅の山々で自生する花を蜜源にした養蜂も。非加熱だからその年、その時だけの豊かな風味を感じられます。
タラのまとめ
日々、大切に手入れをしながらも、自然の力を信じ委ねて作物を育てているOme Farmさんの畑は、農薬を使わず空気が澄んでいるためか、太陽の光までも輝きを増しているようでした。
“自然の摂理”と“しあわせの循環”がそこにはあって、実際に触れた土、吸った空気や匂い、そして農園スタッフさんの佇まいから、わたしたちは多様な“いのちの活動”があってこそ、目には見えない何か大きな力に“生かされている”という感覚を覚えました。
身近な自然に触れ、感じ、考えることの大切さ。そこから生まれる小さな“気づき”の積み重ねも、私たち人間がこの地球に生まれた“意味”の一部ではないかと思います。
tara プロフィール
5歳よりバレエを始め、15歳で単身渡米。ヒューストンバレエⅡの研修を経て、チェコ、クロアチアの国立劇場でソリストとして踊る。2016年拠点を日本に移し、モデルとしての活動をスタート。認定トレーナーであるジャイロトニックジャイロキネシス(R)の指導、バレエ講師、ヴィーガン・グルテンフリー料理のレシピ開発、ケータリング、イベント等にも出店している。
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教えてくれたのは……
Ome Farm 太田 太さん プロフィール
“東京生まれ無農薬育ち”の野菜を手がける「Ome Farm」代表。2014年、現在6歳になる娘さんが病気を持って生まれたことをきっかけに、それまでのアパレルの仕事を退職し、自然栽培の農業をスタートさせた。
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model_tara
photograph_Miho Kakuta
text_Nao Yoshida
(リンネル 2021年2月号)
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