沢口靖子「生まれて初めての体験」映画『科捜研の女 –劇場版–』撮影秘話|佐々木蔵之介ほか共演者

沢口靖子「生まれて初めての体験」映画『科捜研の女 –劇場版–』撮影秘話|佐々木蔵之介ほか共演者とのエピソードも

 

『科捜研の女 -劇場版-』榊マリコ役の沢口靖子さんにインタビュー!

颯爽と白衣を翻し、科学に基づいて数々の難事件を解決していく榊マリコ≪※榊の字は木偏に神が正≫を沢口靖子さんが演じる人気シリーズ『科捜研の女』が、1999年の初放送以来、初めて劇場版としてスクリーンにお目見えする。最高の科学捜査でシリーズ最大の敵に立ち向かうマリコ=沢口靖子さんにお話をお聞きしました!

20210805宝島社文庫『科捜研の女 -劇場版-』

脚本:櫻井武晴/ノベライズ:百瀬しのぶ

全シリーズ累計250話以上!

常に最先端の技術を取り入れ、世代を問わず愛され続けてきたロングヒットドラマシリーズ 『科捜研の女』初の劇場版を、完全ノベライズ!

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――長く愛されているドラマが初めて映画化されるという話をお聞きになったときの率直なご感想は?

「ドラマシリーズを20年以上続けさせていただきましたけれど、まさかこの作品が映画化になるとは思ってもいませんでしたので、夢のようなお話だと嬉しかったです。20年の集大成のつもりで臨みたいと思いましたね」

 

――映画ならではだと思ったシーンはありましたか?

「登場シーンはビルの屋上だったんですけれど、クレーンを使って夕陽を入れ込んだカメラワークでした。おまけにワンカット長回しだったんです。テストを繰り返したあと、日が暮れるのを待っていざ本番を迎えました。さすがに映画ならではのスケールだと思いました。他にもスタジオで台本4ページ分のシーンをクレーンを使ってワンカット長回しの撮影がありました。カメラワークと俳優の芝居のタイミングを何度もテストで合わせ
てから本番に臨みましたので、画面からもいい緊張感が伝わってくると思います」

 

――今回、佐々木蔵之介さんがシリーズ最強の敵としてマリコの前に立ちふさがりますが、佐々木さんの印象はいかがでしたか?

「佐々木さんが演じる加賀野というキャラクターはマリコとは価値観が違って、近未来を見据えるクールな天才科学者でしたね。佐々木さんとは初めてご一緒させていただいたんですけれど、普段は関西弁を話されていてとても面白い方なんです。でも演技に入るとガラッと変わってすごい迫力で迫ってくるものがあり、間近でお芝居させていただき飲み込まれそうになりましたが、心を強く持って臨みました」

 

――内藤剛志さんが演じる土門薫とマリコの関係が映画でどうなるのか気になっているファンの方もいらっしゃると思いますが……。

「使命感と価値観が一致するふたりなので、事件が起きるたびにお互いの信頼感や尊敬する気持ちが増していて、今回の劇場版でさらに絆が深まったと思います。土門さんとマリコのことは、恋人であったり、慣れ親しんだ夫婦のように見てくださる視聴者の方がいて、作品からそうやって想像を膨らませてくださるのは非常に嬉しいねという話を現場でも内藤さんとしています。でも基本的には事件を追うことがメインストーリーですので、事件を通してのふたりの関係があって、恋愛に発展しないくらいの距離感が一番爽やかでいいねとも話しているんです。土門さんはマリコにとって心を許せる存在ですから」

沢口靖子「生まれて初めての体験」映画『科捜研の女 –劇場版–』撮影秘話|佐々木蔵之介ほか共演者

――沢口さんご自身が印象に残っているシーンはありますか?

「脚本を読んだときに心が震えた場面は、小野(武彦)さんが演じられた父親とのふたりのシーンでした。マリコは事件の科学捜査の結果がうまく出なくて追い詰められているんですが、そんなときに鑑定の正当性を精査する科学監察官という、本来はマリコたちと対峙しなければならない父親に、その立場を超えて意見を求めるんです。実際に現場でそのシーンを撮影しているときも感情が込み上げてきました」

 

――科捜研の面々もチームワークがとても良くて、ほっこりするシーンがあったかと思えば、疑惑を解き明かしていくかっこいい姿も見られますね。

「緩急両方の味を兼ね備えた息の合ったチームで、ファミリー感がありますよね。チームの中でリーダーシップを取るような方はいらっしゃらないんですが、斉藤(暁)さんが一番年長者で、時々みんなで、例えば科捜研チームが家族だとしたら、斉藤さんを筆頭に、お父さんがいて、長男長女がいて、年の離れた弟と妹みたいだねと話しています」

 

――今回の撮影での裏話はありますか?

「今回、クライマックスでダイナミックにチャレンジしたワイヤーアクションがあります。あのときは生まれて初めて4メートルも吊られて細胞が震えるような体験をしました。吊られているときの恐怖感を忘れるためにマリコの気持ちを一生懸命考えていましたね。高所恐怖症ではないんですが、足が地に着いていないのはやっぱりゾクゾクするものでした。ロケ地は東福寺で、通天橋から見るライトアップされた紅葉が非常に美しかったです。実際に紅葉の時期だったのでリアルな紅葉です」

 

――シリーズを通して特に印象に残っているエピソードはありますか?

「マリコは科学を盲目的に信じていた人なんですけれど、マリコの鑑定によって冤罪事件を起こしそうになったエピソードがあるんです。そのとき、科学を盲目的に信じるのではなくて、あくまで間違いを犯す可能性のある人間が扱うものであることを理解するようになったんですね。マリコの科学への向き合い方、意識が変わったという点で印象に残っています」

 

――話は少しズレますが、沢口さんご自身は学生時代、科学――大きくいうと理科の授業は得意でいらっしゃいましたか?

「実はあまり得意ではありませんでしたね(笑)。教室にあった人体骨格模型もちょっと怖くて苦手だったくらいです」

 

――最後に映画の見どころを教えてください!

「テレビドラマよりスケールが大きな作品になっております。先の見えないスリリングな展開や映像美、科捜研メンバーのチームワークの良さ、最大最強の敵・佐々木蔵之介さんの迫力ある演技もお楽しみいただけると思います。そしてマリコの最後の決断にどうぞご注目ください」

 

沢口靖子/プロフィール

沢口靖子/プロフィール
沢口靖子

1965年6月11日生まれ、大阪府出身。第1回東宝シンデレラでグランプリに選ばれ、映画『刑事物語3 潮騒の詩』(84)で女優デビュー。翌年にエランドール新人賞と映画『ゴジラ』(84)で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。NHK連続テレビ小説「澪つくし」(85)で全国的に人気を博し、テレビドラマを中心に映画や舞台、テレビCMなど第一線で活躍。1995年に主演映画『ひめゆりの塔』で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。さらに、舞台『藏』(98)では菊田一夫演劇賞を受賞。主な出演作は、ドラマ「科捜研の女」(99~/EX)や「鉄道捜査官」(00~/EX)、「警視庁機動捜査隊216」(10~19/TBS)、「検事・霞夕子」(11~14/CX)、舞台『細雪』(00・01・03)、喜劇『台所太平記』(15)、映画『千と千尋の神隠し』(01/声の出演)、『小津の秋』(07)、『校庭に東風吹いて』(16)などがある。

 

(参考)

20210805宝島社文庫『科捜研の女 -劇場版-』

脚本:櫻井武晴/ノベライズ:百瀬しのぶ

全シリーズ累計250話以上!

常に最先端の技術を取り入れ、世代を問わず愛され続けてきたロングヒットドラマシリーズ 『科捜研の女』初の劇場版を、完全ノベライズ!

 

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文責/熊谷真由子
ヘア&メイク/黒田啓蔵(Iris)
スタイリスト/竹上奈実

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WEB編集/FASHION BOX

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