その不調は自律神経の乱れかも?!
体が痛いとき、体調がすぐれないとき、素敵世代は「年齢のせいかしら?」と思いがち。それは、自律神経が乱れているせいかもしれません。そもそも、自律神経とは、どのようなしくみなのでしょうか。せたがや内科・神経内科クリニック院長の久手堅司先生に詳しい話をお聞きしました。
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自律神経がなければ生命を維持するのは困難
ここ最近、新型コロナウイルス禍による自粛疲れやストレスで、自律神経のバランスを崩す人が増加傾向です。今年は例年の1.5倍くらいは増えているような感覚があります。自律神経失調症外来を始めて6年になりますが、実は新型コロナウイルスのパンデミック以前から、自律神経のバランスを崩す人は徐々に増えていて、患者さんの年齢幅が低年齢層にも広がっています。
自律神経の乱れによる不調は多岐にわたり、頭痛、肩コリ、全身の倦怠感(けんたいかん)、めまい、動悸(どうき)、息苦しさ、低年齢層や女性の場合では、低血圧の人も多いです。自律神経というと、「乱れやすい」というイメージが先行し、悪者というマイナスイメージで捉える方も多く、「自律神経って、乱れると不調になるって言うけど、いったい体の中で何をしているの?」という素朴な疑問をお持ちの方も多いです。
生物学的なことを言うと、自律神経がなければ人を含めた脊椎動物全般で、生命を維持するのは困難です。自律神経は、常に一定ではない外部の環境に合わせ、体内の環境を、生命に危険のない範囲の中に一定に保つように、自動的にバランスを維持するシステムです。自律神経には交感神経と副交感神経という相反する作用を持つ2つの神経があり、この2つがバランスを取ることで、傾いた体内の環境を生命に危険のない範囲の中に戻すという作業を行っているのです。
ですから、基本的には、自律神経は悪者ではなく、私たちの味方。自分のためだけに24時間休まずに、ものすごくがんばって働いているヤツだと思ってください。ただ、がんばりすぎると空回りして、バランスが乱れて不調が発生します。自律神経とうまい具合につきあうには、一生の友達のような感覚で、意識しすぎることなく、関係を大切にしつつ、ゆるくつきあうのがいいでしょう。
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自律神経のしくみ
体内環境を一定に保つ調整役を担う自律神経
体にはさまざまな器官がありますが、それらを支配しコントロールするのは神経です。脳と脊髄で構成された中枢神経からの指令を末梢神経(まっしょうしんけい)が全身に伝え、末梢神経が全身の情報を中枢神経に届けるという相互のやりとりによって、体内がコントロールされています。自律神経は、その末梢神経の一部です。
中枢神経を構成する脊髄は、脳の視床下部(ししょうかぶ)から腰までをケーブルのようにつなげる神経の束ですが、自律神経もこの束の中から全身に分布し、環境の変化に合わせて各器官を制御しています。
自律神経は、「自らを律する」と書きますが、これは自分の意思とは関係なく、自動的に制御するという意味です。たとえば、人は寝ているときもずっと呼吸を続けていますし、心臓の鼓動も止まることはありません。食事をすれば自動的に胃や腸が消化活動をはじめ、暑くなれば汗が出てきて勝手に体温を適温に保とうとします。これらは自律神経が、そのときの体の状態や、気温や湿度による環境の変化などに即時に反応し、体の調節を行った結果です。
体内の環境は、ある範囲内におさまるように、適度なゆらぎを持って一定に保たれています。これを恒常性といいます。自律神経は、日中の活動的なときに働く交感神経と、夜間のリラックス時に働く副交感神経に分かれて役割を分担し、バランスを取りながら恒常性を維持するための調整を担っているのです。
恒常性の維持を自分の意思でやろうと思ってもできません。何か変化が起こったときに、いちいち脳で考えていたら、それこそ命取り。自律神経が24時間無休で、素早い状況判断と対応力で、さまざまな変化にオートマティックに対応しているからこそ、私たちの生命は維持されているのです。
さまざまな神経を通じて全身をコントロールする
中枢神経
体の中心にあり、人体の「司令塔」としての役割を担う中枢。脳と脊髄で構成される
末梢神経
中枢神経からの指令を全身に伝えたり、各器官からのメッセージを中枢神経に伝達するなど、体の各器官と細かいやりとりをする。網目のように全身に広がる
体性神経
自分の意思でコントロールでき、人が活動するうえで体を動かすために不可欠
自律神経
自分の意思ではコントロールが難しく、自動的に機能し、生命活動を維持する
交感神経
心身が活動的で興奮している時に優位に働く
副交感神経
心身が落ち着き、リラックスしている時に優位に働く
感覚神経
温度や湿度、痛い、やわらかいなどの感覚を感知し、脳に伝達
運動神経
手、足、首、口など体の各部位を動かしている
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お話を聞いた方は……久手堅 司(くでけん つかさ)先生
【PROFILE】
せたがや内科・神経内科クリニック院長。医学博士。日本内科学会・総合内科専門医、日本神経学会・神経内科専門医、日本頭痛学会・頭痛専門医、日本脳卒中学会・脳卒中専門医。1996年北九州大学法学部法律学科卒業、2003年東邦大学医学部医学科卒業。東邦大学医療センター大森病院等での臨床経験を経て、2013年せたがや内科・神経内科クリニック開業。「自律神経失調症外来」「頭痛外来」「肩こり・首こり外来」など複数の特殊外来を立ち上げ、多くの患者のニーズに応えている。
もっと詳しく知りたい方へ
TJ MOOK『面白いほどわかる自律神経の新常識』
この記事はTJ MOOK『面白いほどわかる自律神経の新常識』をもとに構成しました。自律神経の乱れは心だけの問題ではなく、体にも何らかの原因があり、「骨盤のゆがみが自律神経の乱れ」につながると久手堅先生は言います。ムックでは、自律神経のしくみ・働き、自律神経を整えるストレッチ、呼吸法、食事、生活習慣などを写真やイラストを入れてより詳しく、具体的に紹介しています。ぜひチェックしてみてください。
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イラスト/石山綾子
文/大橋美貴子
編集/入江弘子
(素敵なあの人 2021年11月号)
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WEB編集/FASHION BOX