自然のサイクルに身を置くことで、心が癒やされます
いまだ、先の見えない不安が私たちを取り巻くなか、少しでも前を向くために必要なのは、自分なりの癒やしや楽しみを見つけること。人間よりもずっと大きな、自然の秩序に触れることで心の平穏を取り戻したという、桐島かれんさんの新しい日々についてうかがいました。
TJ MOOK『大人のおしゃれ手帖特別編集 桐島かれんの緑のある暮らし Life with Plants』
【植物のリズムに身を任せれば、自分も自然に戻っていく】
ステイホームの日々のなかでモデル・桐島かれんさんが見つけた
新しい暮らしの楽しみ。
お世話好きのかれんさんが夢中になる150種類以上の観葉植物と暮らす日々のこと、プランター菜園で収穫した食材を使った素敵でおいしい料理たち。
お気に入りのグリーンショップを巡ったり、かれんさん流インテリアアイデアもたっぷりつまった一冊です。
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植物のお世話をすることで自分自身も生かされる
「グリーンと暮らす」をテーマにした『大人のおしゃれ手帖』6月号。表紙で桐島かれんさんが抱いているのは、自身で育てているポトスの鉢。「うちの子がきれいに写るように、ツヤツヤにしてきたの」と笑うかれんさん、この2年間で緑と暮らす楽しさに目覚め、自宅では150種類もの植物に囲まれているというから驚きです。
「それだけの数があっても、ちゃんとひとつひとつに愛情をかけて、お手入れしてますよ。10日に1度は半日かけて家じゅうをパトロールして、それぞれの状態をチェックし、まとめて水やりします。ただ、さすがに150種類もあると、家がジャングルのようになってきて。新しい植物が届くたびに、『また!? こんなに大きな鉢、どこに置くの?』と家族はあきれています(笑)」
これほど植物に夢中になったのは、コロナ禍で始まったステイホームがきっかけ。「ハウス オブ ロータス」のディレクターとして、海外を飛び回っていた日々が一転し、長い時間を家で過ごすことに。ぽっかりと空いたその時間を満たしてくれたのが、南国の空気を感じられる、個性豊かな植物たちでした。
「私はもともと世話好きな性格で、はまり症。子育ても一段落して、家にいる時間が増えて、なにか新しいことを始めなきゃ……。そう思っていたタイミングで、新たに“育てる楽しみ”を見つけたんです。ほとんどは南国の子たちなので、疑似環境を家庭内につくってあげなきゃいけなくて。大変だけど、愛着はわきますね。それに植物は、子どもと違って文句もいわずにすくすくと成長してくれますし(笑)」
もともと花や植物が好きで、自宅には20年以上育てているというモンステラやパキラも。とはいえ、それらはあくまでも“インテリアのアクセント”に過ぎなかったそう。
「だから正しい育て方も知らないままでしたね。たまたま丈夫な種類だったので、枯らすことはなかったんですけど。でも、実際に多様な種類を育ててみると、どうしてもわが家の環境と相性が合わないものや、うまく成長しないものもあって。枯らしてしまったら、どうしてだろう?と調べて、失敗からも日々学んでいます。以前は名前もきちんと知らないままでしたけど、今は買ってきたらまず、正式な名称を園芸用のラベルに書くのが習慣です」
そうした学びのプロセスや発見を一冊にまとめたのが、この春に刊行した『桐島かれんの緑のある暮らし Life with Plants』。緑にあふれた自宅の様子から、お世話のコツ、お気に入りの品種、インテリアへの取り入れ方など、これから植物を育てたいという人にぴったりの、実践的なアイデアが盛り込まれています。
「本の中では、初心者でも育てやすい品種も紹介しています。やっぱり枯らしてしまうと落ち込むし、私は向いてない……とあきらめてしまうので。そうならないように、最初は枯らすのが難しいくらいに強い植物から始めるのがいいですよ。“不滅の植物”と呼ばれるザミオクルカス・ザミフォーリアや、あまり水やりが要らないサンスベリアのような、手のかからない品種もあります。それと、大きなシンボルツリーを置くのも、部屋のアクセントになっておすすめ。小さな鉢から育てるのはそれなりの経験がないと難しいけれど、既に大きく育っているものなら丈夫ですから。家に帰ってきたときに、大きな木が出迎えてくれる感覚もいいものです」
昨年からは、庭で野菜やハーブづくりにもチャレンジするように。収穫したばかりの新鮮な野菜が食卓に上ることも増えたそう。
「トマトにキュウリ、ピーマンなど、5月頃に植えて夏に収穫する野菜は、成長も早いし収穫量も多くて楽しいんですよ。初心者にも育てやすいですしね。次は、お花も育ててみたいんです。花は今日の撮影で持ったデルフィニウムのように、1種類をばさっと生けるのが好きです」
単なるインテリアから、「うちの子」と呼べる、愛着のある存在に。熱心に植物のお世話をするなかで、気づけば自分自身の心も癒やされていたのだと、かれんさんは話します。
「植物を育てることは、私にとってのセラピー。朝起きたら、まず外に出て、枯れたお花を取ったり、落ち葉を拾ったり……。そうしているうちに、1日のスイッチが入るんです」
いまだ、落ち着かない状況が続いているなか、少しでも不安やストレスをやわらげるには、かれんさんにとっての植物のように、自分なりの新たな癒やしや楽しみを見つけることが、心の支えになるのかもしれません。
「人間の社会って、きちんとした秩序があるように見えて、実はものすごくもろくて、いつ何が起きるかわからない。この2年間でそのことを痛感しました。でも、自然はそんなことはお構いなしに、人間よりも大きなサイクルの中でゆうゆうと生きている。そこに身を置くことで、自分の心も平穏に保てるんです。自給自足できるようにしておけば、何があっても怖くない、という気持ちもありますしね。それに、子どもたちはいずれ巣立っていくけれど、植物は上手に育てれば、ずっと生き続けて、子孫を増やしていける。なんなら、私よりも長生きするかもしれない。そう考えると不思議ですよね。昔からお花は好きでしたけど、花との関係はいっときの関係で、いうなれば “点”。でも植物との関係は、未来につながっていく“線”。そんなことを考えながら、日々緑に癒やされています」
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INFORMATION/『桐島かれんの緑のある暮らし Life with Plants』
150種類以上の観葉植物のお世話をしながら過ごす、かれんさんの新しい日々を綴った一冊。プランター菜園で収穫した食材を使ったおいしい料理レシピやお気に入りのグリーンショップ、かごをプランターに見立てたインテリアのアイデアなど、今すぐ取り入れたくなる工夫が満載です。
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PROFILE/桐島かれん(きりしま・かれん)
1964年、神奈川県生まれ。モデルとして活躍する傍ら、ライフクラフトブランド「ハウス オブ ロータス」のクリエイティブディレクターも務め、世界中を旅して得たインスピレーションを生かした服や雑貨をプロデュース。4人の子どもと愛犬セザンヌとダリ、愛猫ライカの母でもある。著書に『ホーム スイート ホーム』(アノニマ・スタジオ)など。
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photograph:Kayoko Asai
styling:Atsuko Saeki
hair & make-up:Yukie Shigemi
text:Hanae Kudo
(大人のおしゃれ手帖 2022年6月号)
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