ついにやってきた消費税率10%への増税。増税されてから1週間以上が経過しましたが、まだ戸惑っている皆さんのために、荻原博子さんが増税から暮らしを守る方法をアドバイスしてくれました。
※こちらの記事は2019年9月14日発売 TJ MOOK『増税に負けない! 家計術』特別インタビューから抜粋しています
教えてくれたのは……
荻原博子さん(おぎわら ひろこ)
1954年、長野県生まれ。経済事務所勤務を経てフリーの経済ジャーナリストとして独立。難しい経済とお金の話を庶民の生活に根ざした視点からわかりやすく解説し、テレビやラジオなどでも活躍する。『年金だけでも暮らせます 決定版・老後資産の守り方』(PHP新書)や、『荻原博子の貯まる家計』(毎日新聞出版)など著書も多数。
【オススメ記事】
戻ってくるお金がある!? 忘れずに行うべき確定申告とは?
増税だからってあわてる必要はありません!
消費税率10%への増税は、2回延期されたせいか「また延期されるのでは!」と、のんびり構えていた人も少なくありません。
しかし、いざ増税が決定すると、「軽減税率」や「キャッシュレス・ポイント還元」といった情報が一気に飛び込んできて、とまどっている人も多いはず。
「みりんは10%だけどみりん風味は8%だとかね。細かい線引きがありますけれど、今回、食品は基本的に8%に据え置きです。それほどあわてる必要はないですよ」と荻原さん。
さらに、荻原さんは、日用品や食料品以外でも「あわてて買わなければならない物はない」と言います。
「たとえば、住宅などの不動産はオリンピックの影響で価格が上がり切った状態です。増税前から高いのです。増税後に住宅ローン減税の期間延長やポイント制度などがありますが、それを利用するより、オリンピック後に不動産価格が下がるまで待ったほうがお得かもしれませんよ」
目先の増税や緩和策だけに注目せず、もっと長い目で経済の流れをとらえて備えるほうが得策のようです。
「消費税が上がるということは、デフレ政策です。だから、景気が悪くなるのはあたりまえ。さらに、オリンピック後に大きな不況がきそうなので、皆さんそれに備えたほうがいいですよ」
【オススメ記事】
あなたはどのタイプ? 今から老後資金を増やす4つのルール
暮らしをスリム化して「貯(た)まる」家計をつくる
上のグラフ(消費税と消費者物価指数の動向)を見てください。3%導入、5%、8%と消費税が上がった直後から消費が落ち込み、景気が下り坂になっているのがわかります。過去のデータから今回も増税後に景気が悪くなることが予想できます。
「そのうえ、今回は昨年より給料が下がってきているんです。厚生労働省の毎月勤労統計調査を見ると、この1月からずっと賃金指数の対前年比がマイナスになっています。そんな状況の中での増税だということを忘れてはいけません」
逆境とも呼べる中、家計を守っていくうえで大切なこととは。
「家計をもっとスリム化して、お金が貯まるような暮らしにしていくことです。景気悪化から家計を守るには、借金を減らして現金を増やす。それが基礎の基礎です。増税を機に家計の見直しをおすすめします」
【オススメ記事】
結婚式は300万円以上! 人生のライフイベントは高額出費だらけ!
老後2000万円なくても大丈夫
荻原さんは、今話題の「老後資金2000万円」も必要ないと言います。
「いざというとき蓄えがあることは大事です。しかし、2000万円なくても老後は年金だけで暮らしていける家計にしていけばいいのです」
厚生労働省の国民生活基礎調査によれば、65歳以上の世帯のうち50%以上が、年金のみで暮らしているそう。
「いろいろな情報が飛び交っていますが、焦ってはダメです。自分の家計をしっかり把握して、少しでもスリム化できるところを見つけて、できる範囲で蓄えを増やしていけば、老後も安心して暮らせるはずです」
荻原さんのアドバイスをヒントに、家計を守る対策を考えてみましょう。
【オススメ記事】
実質負担2000円で特産品が手に入る!? ふるさと納税で賢く節約!
知らないと損するかも! QRコード決済をお得に使うワザ
(抜粋)
構成・文/加茂直美、松岡賢治(シーセルズ株式会社)
編集/入江弘子
WEB編集/FASHION BOX
※ 画像・文章の無断転載はご遠慮ください
【よく読まれている記事】
辛酸なめ子が電車で目撃! レジ袋から見えるアレにザワつく……
恋人がいない理由1位は「どう付き合えばいいかわからない」!
50歳男性の4人に1人が結婚経験ナシ……“おひとり様男性”の実態に迫る!
ネットで話題の「子ども部屋おじさん」は“毒親”の影響で生まれた!?
パパの人形は浴槽へ……犬山紙子が愛娘の斜め上をいく行動を告白
夢のマイホーム購入のために……お金を貯めるべき4つの理由